バイエル薬品株式会社 広報本部 〒530-0001 大阪市北区梅田 2-4-9 TEL 06-6133-7333 www.bayer.co.jp/byl News Release 本資料は 3 月 5 日にバイエル ヘルスケア社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者 各位へ参考資料として提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈について は英語を優先します。原文は www.bayerhealthcare.com をご参照ください。 肝転移切除後の大腸癌に対する補助療法: レゴラフェニブの第Ⅲ相臨床試験で患者登録を中止 主要評価項目の解析前に登録を中止 試験において新たな安全性の問題は認められず ドイツ・ベルリン、2015 年 3 月 5 日 ― バイエル ヘルスケア社は、肝転移切除後の大腸癌を対象とする レゴラフェニブ(スチバーガ ®)の第Ⅲ相臨床試験について、患者登録が不十分なため登録を中止すると 本日発表しました。この無作為化、二重盲検、プラセボ対照第Ⅲ相臨床試験は、根治的肝転移切除後の 大腸癌に対する補助療法としてのレゴラフェニブを評価することを目的としています。本試験の症例集積 が困難であったことから、この度、試験の主要評価項目の解析前に今後の登録を中止することを決定しま した。なお、本試験ではレゴラフェニブの新たな安全性の問題は認められていません。 バイエル ヘルスケア社経営委員会メンバーで、グローバル開発責任者のヨルグ・メラーは次のように述べ ています。「登録を増やすためにさまざまな対策を講じましたが期待通りの結果にならず、残念に思います。 本試験にご貢献、ご参加いただいた患者さんと治験担当医師の皆さまに深く感謝申し上げます。重要な ことは、本決定はスチバーガ®の承認や適応追加に対する弊社の方針に影響を及ぼさないということです。 われわれは、多くのアンメット・メディカル・ニーズ(満たされない医療ニーズ)がある、大腸癌など多くの 腫瘍に対するレゴラフェニブの検討を続けてまいります」 バイエルは、規制当局と治験担当医師に、計画された登録中止について情報提供します。また、本試験 に登録された患者さんへの適切な対応に関して、データモニタリング委員会、試験運営委員会および 治験担当医師と積極的に連携しています。本試験から得られた知見の概要は、可能ならば開示される 見込みです。 - 1/3 - 第Ⅲ相臨床試験のデザイン COAST 試験(Patients with Stage IV COlorectal Cancer treated with Adjuvant Regorafenib Versus Placebo after Curative Treatment of Liver Metastases in A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Phase-III Study)では、根治的肝転移切除を行い、計画されたすべての化学療法を終了した後の大腸癌を対象に、 レゴラフェニブについて検討をしています。本試験では、補助療法としてのレゴラフェニブ 160mg/日の 経口投与がプラセボと比べ、無病生存期間(DFS:disease-free survival)と全生存期間(OS:overall survival)を延長するかどうかを評価しています。本試験にて当初計画された目標被験者数 750 人に対し て、これまでに 25 人ほど登録されました。 大腸癌について 大腸癌は 3 番目に頻度の高いがんで、全世界で毎年 100 万人以上が発症します。平均すると大腸癌の 推定 5 年生存率は 55%ですが、病期により大きく異なります(ステージⅠは 74%、ステージⅣは 6%)。 レゴラフェニブ(スチバーガ®)について レゴラフェニブ(スチバーガ®)は、腫瘍の増殖や進行に影響する血管新生、発がんおよび腫瘍微小環境 に関わるさまざまなキナーゼを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤です。レゴラフェニブは非臨床試験 で、腫瘍血管新生(新しい血管の成長)に重要な複数の VEGF 受容体(VEGFR 1-3)のチロシンキナーゼ に対し、阻害作用を示します。これらの阻害作用に加え、発がん、腫瘍増殖、腫瘍微小環境の形成や 病勢進行に、単独あるいは複合的に影響を及ぼす TIE-2、RAF-1、BRAF、BRAFV600、KIT、RET、 PDGFR、FGFR などのキナーゼも阻害することがわかっています。 レゴラフェニブは、転移性大腸癌の適応で、米国、ヨーロッパ、日本など世界 70 カ国以上で製品名 Stivarga®/スチバーガ®として承認されています。また、米国、ヨーロッパ、日本など世界 50 カ国以上で、 消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumors)の適応でも承認されています。 レゴラフェニブは、バイエルが開発した化合物です。2011 年にバイエルが、アムジェンの子会社である オニキス ファーマシューティカルズ社と締結した契約に基づき、オニキス社はオンコロジー領域における レゴラフェニブの全世界売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。 - 2/3 - バイエル薬品株式会社 2015 年 3 月 5 日、大阪 Bayer Yakuhin, Ltd./Communications バイエルのオンコロジー領域について バイエルは、革新的治療薬の品揃えを充実させることで、「Science For A Better Life(よりよい暮らしのためのサイエンス)」を お届けできるよう取り組んでいます。バイエルのオンコロジーフランチャイズには現在、3 種類の抗癌剤と、臨床開発のさまざまな 段階にあるその他いくつかの化合物があります。これらの製品・化合物が、バイエルの研究に対するアプローチ、すなわち、癌の 治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先するという姿勢を示しています。 バイエル ヘルスケア社について バイエルは、ヘルスケア、農業関連、先端素材の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の一事業グループ であるバイエル ヘルスケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とし、200億ユーロ(2014年)の売上高を持つヘルスケアと医薬品 業界の革新的なリーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、コンシューマーケア、メディカルケア (画像診断関連製品、血糖自己測定器等)、医療用医薬品の分野に及びます。バイエル ヘルスケア社の目標は、人々と動物の 健康を促進する製品を開発、製造、販売することです。バイエル ヘルスケア社は世界100カ国以上で60,700人(2014年12月31日 現在)の従業員が働くグローバル企業です。 www.healthcare.bayer.com 将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に 関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、 将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの 要因には、当社の Web サイト上(http://www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、 これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。 - 3/3 -
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