News Release

バイエル薬品株式会社
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News Release
本資料は 3 月 11 日にバイエル ヘルスケア社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各
位へ参考資料として提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については
英語を優先します。原文は www.bayerhealthcare.com をご参照ください。
バイエル、病的近視における脈絡膜新生血管の適応でアフリベルセプト硝子体内
注射液の承認申請を欧州連合に提出
ベルリン、2015 年 3 月 11 日 ―バイエル ヘルスケア社は、病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV:
myopic choroidal neovascularization)の治療薬としてアフリベルセプト硝子体内注射液の承認申請を欧州
医薬品庁(EMA)に提出しました。
バイエル ヘルスケア社の経営委員会メンバーでグローバル開発責任者のヨルグ・メラーは次のように述べ
ています。「mCNV はあらゆる年齢層に発症しうる深刻な眼疾患であり、治療しないまま放置した場合、多
くの患者さんが法的失明に至るまで進行する可能性があります。永久的な視力喪失を防ぐだけでなく、視
力を改善することができる治療は、mCNV の患者さんにとって非常に大きな意義があると考えます」
病的近視1とそれに随伴するmCNVは、全世界の 40 歳以下の強度近視の人における主要な失明原因の
1つであり、欧州諸国よりアジア諸国で有病率が高い傾向があります。mCNVは強度近視に生じ、患者さ
んの視力低下を進行させます。mCNVは予後不良であり、治療しないまま放置した場合、多くの患者さん
が約 10 年以内に法的失明に至るまで進行する可能性があります。
今回の承認申請は、mCNV を対象とした第 III 相臨床試験である MYRROR 試験の良好なデータに基づ
いています。アフリベルセプト投与群において、ベースライン(治療前)から 24 週目の平均視力変化(最高
矯正視力)が 12.1 文字の改善であったのに対し、偽注射群では 2 文字の減少でした(p<0.0001)。視力は、
臨床試験で視力を測定する際に標準的に用いられている ETDRS 視力表を用いて測定されました。
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アフリベルセプト硝子体内注射液は、EYLEA®(アイリーア®)というブランド名で販売され、mCNVの適応
では日本で 2014 年 9 月に承認されています。本剤は滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related
macular degeneration)の適応で 80 カ国以上、網膜静脈閉塞症(RVO: retinal vein occlusion)に伴う黄斑
浮腫の適応で約 30 カ国、網膜中心静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の
適応で 40 カ国以上で承認されています。また糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)の適応で
40 カ国以上で承認されています。本剤は販売開始以来、世界で 300 万回以上投与されています。日本
では、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO:branch retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の患者さんを対象とし
た第III相VIBRANT試験の成績に基づき、承認を申請しています。
バイエル ヘルスケア社とリジェネロン社は、アイリーアの国際共同開発を行っています。リジェネロン社は
アイリーアの米国内での独占販売権を保有しています。バイエル ヘルスケア社は米国以外での独占販売
権を有し、その利益は両社で均等分配されます。日本は例外で、リジェネロン社は日本での売上に応じて
一定割合を受け取ります。
第III相臨床試験(MYRROR試験)について
MYRROR 試験は、122 名の被験者をアフリベルセプト 2 mg 投与群または偽注射群に無作為に割り付け
た多施設共同、二重遮蔽、偽注射対照試験です。本試験はアフリベルセプト硝子体内注射液の安全性
および有効性を評価するためにデザインされ、被験者の 4 分の 3 はアフリベルセプト投与群、4 分の 1 は
偽注射投与群に割り付けされました。本試験の主要評価項目は、ベースラインから 24 週目までの平均視
力変化(最高矯正視力)で、ETDRS 視力表を用いて測定されました。実薬投与群はアフリベルセプト 2mg
の単回投与を受け、その後は 44 週にわたり 4 週毎に評価され、mCNV が持続または再発した場合に追
加投与を受けました。偽注射群は 20 週目まで毎月偽注射を受け、24 週目にアフリベルセプト 2mg の単
回投与を受けた後は、mCNV が持続または再発した場合に 44 週目まで追加投与を受けることが可能で
した。
MYRROR 試験では、アイリーア投与群において、ベースライン(治療前)から 24 週目の平均視力変化
(最高矯正視力)が 12.1 文字の改善であったのに対し、偽注射群では 2 文字の減少でした(p<0.0001)。
アフリベルセプト投与群で 24 週目に認められた有効性は、48 週目まで持続しました。アフリベルセプト投
与群は、本試験の最初の 3 カ月間(ベースラインから 12 週目まで)に中央値で 2 回の投与を受けました。
その後 3 カ月間毎の投与回数の中央値はいずれも 0 回でした。
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病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV:myopic choroidal neovascularization)について
mCNVは、後眼部に病的変化を伴う強度近視(一般的には、屈折度がマイナス 6 ディオプター2を超える
近視)の患者さんにおいて網膜に異常な新生血管が形成される網膜疾患です。mCNVは、異常に長くな
った眼球において強膜、脈絡膜、網膜が物理的に引き伸ばされることで進行性の変性変化が生じる病気
で、これらの変性変化が脈絡膜新生血管の形成を誘発します。VEGF阻害剤は、同じく異常な新生血管
が網膜で形成される滲出型加齢黄斑変性で有効性が示されました。
血管内皮増殖因子(VEGF)とアフリベルセプト硝子体内注射液について
血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)は、生体内に存在する天然のタンパク質で、
通常の役割は組織や器官の成長を支える新しい血管の形成(血管新生)を促すことです。しかし一方で、
眼内における異常な血管新生にも関与しており、血管透過性が異常に亢進し、浮腫を誘発します。
アフリベルセプトは、ヒト VEGF 受容体 1 と受容体 2 の細胞外ドメインの一部をヒト IgG1 の Fc ドメインと融
合させた遺伝子組換え融合タンパク質で、アフリベルセプト硝子体内注射液は硝子体内への投与が可能
となるよう等張化された注射液として開発されました。アフリベルセプトは、可溶性のデコイ(おとりの)受容
体として VEGF の一種である VEGF-A と胎盤成長因子(PlGF:placental growth factor)に結合することによ
り、本来の VEGF 受容体への結合および活性化を阻害することができます。
【バイエル薬品広報本部注】
1 眼軸の伸長を伴う強度の近視のうち、眼球後部の形状異常を伴い、後眼部の伸展により網膜や脈絡膜に萎縮・変
性などの病的変化をきたす病態
2 レンズの屈折力の単位
バイエル薬品株式会社
2015 年 3 月 16 日
Bayer Yakuhin, Ltd./Communications
リジェネロン ファーマシューティカル社について
リジェネロン社は、ニューヨーク州タリータウンを本拠とする、科学に基づくリーディング・バイオ製薬企業です。重篤疾患治療薬の
創製・発明、開発、製造、販売を行っています。リジェネロン社は、眼疾患、結腸直腸癌、および希少な炎症性疾患を対象とした
医薬品を販売しており、高コレステロール血症、がん、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎といったアンメット・メディカル・ニー
ズの高い領域に開発品があります。リジェネロン社に関する詳細な情報については、同社のサイトでご覧になれます。
www.regeneron.com
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バイエル ヘルスケア社について
バイエルは、ヘルスケア、農業関連、先端素材の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の一事業グループであ
るバイエル ヘルスケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とし、200億ユーロ(2014年)の売上高を持つヘルスケアと医薬品業界の
革新的なリーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、コンシューマーケア、メディカルケア(画像診
断関連製品、血糖自己測定器等)、医療用医薬品の分野に及びます。バイエル ヘルスケア社の目標は、人々と動物の健康を促
進する製品を開発、製造、販売することです。バイエル ヘルスケア社は世界100カ国以上で60,700人(2014年12月31日現在)の
従業員が働くグローバル企業です。
www.healthcare.bayer.com
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に
関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、
将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要
因には、当社の Web サイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの
将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
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