産学官共同研究開発技術シーズ シリアル番号 収集年度 研究開発テーマ (シーズ) 提案者職名・氏名 所属機関 (機関名・学部・研究室名) その他提案者 電話 FAX e-mail ホームページ 産業界との連携 (共同研究や受託研究等) 主な技術分野 関連する技術領域 (1/3) 医076 H16年度 新規関節リウマチモデルマウスを用いた治療薬の開発 学内講師 金澤 智 名古屋市立大学 大学院医学研究科 細胞分子生物学 岡本 尚 052-853-8205 052-859-1235 金澤 智 [email protected] http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/molgene.dir/index.html 関連論文投稿済み:Proc Natl Acad Sci U S A. 2006; 103, 14465-14470 関連特許は、国内出願済み、 PCT 出願中。 2009年7∼8月、免疫生物研究所よりマウスの販売の予定 バイオマーカー探索や関節リウマチ薬および関連する薬剤の効果検討を目的とし、複数 の会社と折衝中。 医療・福祉 5その他の材料分野の研究開発 8生体機能解明・利用 9有用生物資源利用 28その 他の医療・福祉分野の研究開発 a b c d 基礎 応用 研究段階 c キーワード(5つ以内) 関節リウマチ、トランスジェニックマウス、再生医学、関節リウマチ関連治療薬、関節リウマ チバイオマーカー 新規関節リウマチ(RA)モデル動物 D1CCトランスジェニックマウス(D1CC, DBA/1, CII promoter/enhancer-driven CIITA、以下D1CCマウス)を作製した。D1CCマウスを用い、 研究開発の目的 関節リウマチ(RA)における病態形成過程の解析、分子標的の確定、および新規治療戦 (研究の目的、最終的な事業化分野) 略の開発を行うことを目的としている。また骨・関節を対象とする新規再生医療法確立を 行なう事も視野に入れている。 研究開発の内容(概要) (研究の内容・課題等を具体的に、 必要に応じ資料を添付してください) この新規D1CCマウスは、2型コラゲーンに高い感受性を示し、マウスにRA様病変を形 成する。リウマチ様症状は、数週間∼数カ月間に渡り除々に進行し、慢性炎症と滑膜増 殖を引き起こし、さらに病理組織学的にRAと酷似する関節破壊と関節強直を引き起こす ことから、従来のcollagen-induced arthritis (CIA)と比べて明らかにヒトのRAに近い病態を 示すモデルマウスを樹立することができた。また関節外病変として間質性肺炎および骨 粗鬆症が観察され、これらの病変もCIAモデルマウスにはない特徴である。 産学官共同研究開発技術シーズ 新規性、独創性 (当該シーズの新規性・独自性・ 優位性等を具体的に) (2/3) 従来のCIAマウスでは、関節病変が急性に生じ、短期間(1ヶ月以内)に激しい炎症ととも に関節破壊をきたすため、必ずしもRAのモデルとして妥当であるとは言えない。他方、 D1CCマウスでは、関節での炎症は慢性的かつ進行性に起こり、RA病態進行を段階的に 観察することができる。従って、それぞれのステップでの病態解析が可能であり、各病期 に合わせた治療薬の検定が可能である。また、主病変である滑膜組織の経時的変化を 追うことができ、細胞学的観察と細胞採取が可能である。 また実際にサラゾスルファピリジン(SASP)、メソトレキサート(MTX)等の疾患修飾性抗リウ マチ薬(DMARDs)の経口投与を行なうとRA発症は著しく抑制された。これらの事から D1CCマウスは、RA治療薬の開発のみならずRA関連治療薬またRAに関するバイオマー カースクリーニングなどへの応用が図れるものと考えられる。 製品化イメージや 事業化イメージなど 1)本トランスジェニックマウスを用い、新規関節リウマチ薬のスクリーニングや治験に利用 する。 2)関節外病変合併症として間質性肺炎や骨粗鬆症が観察されるため、関節リウマチ薬 の副作用の検討やこれらの症状の治療薬開発にも利用できる。 3)関節リウマチにおける各種バイオマーカー探索にも利用できる。 4)再生医療への応 用研究を検討中 本研究によって期待される 成果・効果 地域基盤技術や地場産業に生かせる(地域クラスター形成につながる) 幅広い分野に 影響を与えうる 大きな市場や潜在市場が期待される 開発期間が短縮される 地域への貢献、産業界への インパクトなど RAの有病率は人口の0.5-1%を占め、我が国のみならず全世界の人類の健康に対する 重大な驚異となっている。我が国での国家負担も1兆円を超えると試算される。我々の開 発したCIITAトランスジェニックマウスを用いて病態解析とRA治療戦略の開発を企業ととも に進めることは人類への多大な貢献になるとともに、産業的にみても地域経済に与える 効果は絶大である。すでに抗リウマチ薬の開発はNF-κB阻害薬を中心に進めている。さ らに、再生医学的なアプローチが軌道に乗れば新産業の育成にも通じる。 実用化への見通し (共同研究の相手となる企業・業界、 実用化までの期間等) 実用化達成の課題 実用化達成に関するコメント 実用化達成に要する期間 共同研究の相手となる業界等 (日本標準産業分類に基づく) 製造業詳細 関連産業(知的)財産権 外国出願 CIITAトランスジェニックマウスについては、財団法人名古屋産業科学研究所(中部 TLO)を通じて特許出願中。 特許権審査請求 の後、権利確定の予定。マウスの販売に関してはほぼ終了した。次の段階としては、この マウスを利用した1)新たな関節リウマチ関連バイオマーカー探索、2)間質性肺炎モニ ターリングシステム構築、3)新規治療薬剤スクリーニング、4)再生治療等を考える。 共同研究相手として製薬会社、バイオ関連企業を希望する。 他の技術との連携が必要である 1∼3年程度 医療・福祉 1.ヒト関節リウマチの病態を再現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物 発明者:金澤 智、岡本 尚 出願人:(財)名古屋産業科学研究所 2.ヒト関節リウマチの病態を再現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物 発明者:金澤 智、岡本 尚 出願人:名古屋市立大学 国際特許出願番号PCT/JP2005/004007、PCT/JP2007/051003 産学官共同研究開発技術シーズ (3/3) Kanazawa S, Ota S, Sekine C, Tada T, Otsuka T, Okamoto T, Sounderstrup G, Peterlin その他、基本となる解説記事、 BM: Aberrant MHC class II expression in mouse joints leads to arthritis with extra論文など(書誌事項) articular manifestations similar to rheumatoid arthritis. (Proc Natl Acad Sci U S A. 2006; 103, 14465-14470) 〈研究者からのひとこと〉 本トランスジェニックマウスは、ヒトにおける関節リウマチと非常に類似した表現系を示しま す。 また実際に現在臨床の場で使用されている関節リウマチ薬を使用するとその発症を抑制 する事ができました。 研究開発内容、論文等、やや高度な部分があるのでご遠慮なくコンタクトをおとり下さい。 詳細を説明したいと思います。
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