ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2015年12月8日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年11月23日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳 (要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。 英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 ノバルティス、欧州で「コセンティクス」について 強直性脊椎炎および乾癬性関節炎の効能・効果追加承認を取得 • 「コセンティクス」は、欧州で最も頻度が高い 2 つの炎症性関節疾患に対する治療 効果が示された初めての IL-17A 阻害薬 1 • 「コセンティクス」の 強 直 性 脊椎炎 (AS)および乾癬性関節炎(PsA)に対す る速やかかつ持続的な臨床的ベネフィットが示され、2 年間にわたる X 線検査では、 AS 患者さんの約 80%で脊椎損傷の進行がみられず、PsA 患者さんの約 84%で関 節損傷の進行がみられなかった 2-5 • 現行の治療法では十分な効果が得られない患者さんが多いため、新薬に対する高い アンメットニーズがある 6 きょうちょくせいせきついえん E AE AE 2015年11月23日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、「コセンティクス®」(一 般名:セクキヌマブ、以下「コセンティクス」)が強直性脊椎炎(以下AS)および乾癬性 関節炎(以下PsA)の効能・効果を欧州委員会(以下EC)から承認されたと発表しました。 ASに関しては、16年前に開発された現行の標準治療薬である抗腫瘍壊死因子(以下 抗 -TNF)療法以降初めて得られた新たな治療上の進歩となります7。 これにより「コセンティクス」は、欧州においてASおよびPsAに対して使用可能となった 初めてのインターロイキン-17A(以下IL-17A)阻害薬です。なお、ECでは、「コセンテ ィクス」が中等症から重症の尋常性乾癬患者さんの第一選択薬として先に承認され、これ に続く承認となりました。 ASおよびPsAは炎症性関節疾患として頻度が高く、欧州では約500万人が罹患しています が、診断と治療は今なお不十分なままです1,8-12。効果的な治療を行わないと、脊椎と関節 に不可逆的な損傷がもたらされ、生涯にわたる疼痛と身体障害を引き起こすおそれがあり ます13。しかしながら、現行の治療法では十分な効果が得られない患者さんが多く、約40% の患者さんでは抗-TNF剤が十分な効果を発揮しないため、新しい治療法が必要とされてき ました6。 ノバルティス ファーマ(スイス) 社長のデビッド・エプスタインは次のように述べてい ます。「弊社の試験でみられた高い有用性から『コセンティクス』は疾患の進行を止め、 疼痛と身体障害の苦しみから解放されて生活できるチャンスを患者さんにもたらすことが できると示唆されています。よく見られる炎症性症状にもかかわらず、これまで十分な治 療が行われていなかった強直性脊椎炎および乾癬性関節炎患者さんは、今回の欧州での承 認により、新たな標準治療となる可能性を秘めた次世代の生物製剤からベネフィットを得 ることができるようになるでしょう」 1/4 最近の試験から、「コセンティクス」は投薬開始1〜3週間後の早期にAS またはPsAの徴候 と症状を大幅に低減し、効果は2年間にわたって維持されると示されています2,3。2年間に わたるX線検査で、「コセンティクス」を投与されたAS患者さんの約80%には、脊椎損傷 の進行がみられませんでした4。PsA患者さんの約84%には、2年間にわたるX線検査で関節 損傷の進行が示されませんでした5。 「コセンティクス」の複数の適応症取得のための臨床試験に9,600人を超える患者さんが 参加され、また市販後には12,500人を超える患者さんに投与されました14。「コセンティ クス」の安全性プロファイルは、臨床試験間で同様であることが示されました2-5,14。 「コセンティクス」は現在、非ステロイド性抗炎症薬などの既存治療では十分な効果が得 られない活動性ASの成人患者さんの治療薬、および疾患修飾性抗リウマチ薬を投与しても 効果が不十分であったときに単剤またはメトトレキサートとの併用で用いる活動性PsAの 成人患者さんの治療薬として承認されています。 欧州委員会(EC)承認について ECによる「コセンティクス」の適応追加承認は、EUおよび欧州経済地域に属するすべて の国に適用されます。 欧州におけるASおよび PsA患者さんに対する承認用法および用量*は、150 mg皮下注射で、 0、1、2および3週目に初期投与を行い、4週目から月1回の維持投与を開始します。中等症 から重症の尋常性乾癬を併発するPsA患者さんまたは抗-TNFが十分に奏効しないPsA患者 さんの推奨用量は、300 mgです。 「コセンティクス」臨床試験プログラムの主要な第III相臨床試験は、申請のための重要な データを得るもので、PsAではFUTURE 1およびFUTURE 2、ASではMEASURE 1および MEASURE 2があります2,3,15,16。これらの試験は、実施中の多施設共同無作為化プラセボ対 照試験で、ASおよびPsAにおける「コセンティクス」の有効性と安全性を評価するようデ ザインされています。 強直性脊椎炎(AS)について ASは、脊椎の炎症を原因とする痛みを伴う進行性の消耗性疾患です。重度AS患者さんの約 70%は10~15年で脊椎癒合(新規の骨増殖が脊椎の機能を停止させる)が発現し、運動性 および生活の質が著しく低下します17。欧州では約178万人にASが発現し8,9、典型的には 25歳以上の若い男女が罹患します18。 乾癬性関節炎(PsA)について PsAは関節の炎症性疾患で、その多くは乾癬と呼ばれる鱗屑をともなう皮膚疾患との関連 性があります。欧州では約310万人に罹患しています8,10。30%もの乾癬患者さんがPsAで すが、乾癬患者さんの約25%はPsAとして診断されていないと考えられています19,20。日本 においてPsAは、2014年12月に関節症性乾癬として承認されています。 「コセンティクス」およびインターロイキン-17A(IL-17A)について 「コセンティクス」は、IL-17Aを選択的に中和するヒトモノクローナル抗体です21。「コ センティクス」は、AS および PsAの治療において望ましい第III相臨床試験結果が得られ た初のIL-17A阻害薬です。研究から、IL-17Aは乾癬ASおよびPsAにおいて体内の免疫反応 を導く重要な役割を担うことが示されています22。 2/4 「コセンティクス」は、中等症から重症の尋常性乾癬の治療に合計50カ国で承認されてお り、EU加盟国、スイス、オーストラリア、米国およびカナダが含まれます。欧州において 「コセンティクス」は、成人患者さんにおける中等症から重症の尋常性乾癬の全身療法に 承認された唯一の第一選択生物製剤です。米国において「コセンティクス」は、全身療法 または光線療法の候補となる成人患者さんにおける中等症から重症の尋常性乾癬の治療に 承認されています。エクアドルにおいて「コセンティクス」は、AS および PsAの治療に 承認されています。日本では2014年12月に既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性 乾癬の治療薬として承認され、2015年2月27日に新発売いたしました。 *日本における用法及び用量は、次の通りです。 通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週 後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、 1回150mgを投与することができる13。 免責事項 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その 内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、 ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 ノバルティスについて ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼 科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅 広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2014年の売上高は580 億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。スイ ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約120,000人の社員を擁しており、世界180カ 国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。 http://www.novartis.com 参考文献 1. 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Effect of interleukin-17A inhibition on spinal radiographic changes through 2 years in patients with active ankylosing spondylitis: results of a phase 3 study with secukinumab. Late breaking abstract presented at the 2015 ACR/ARHP Annual Meeting, San Francisco, USA, November 10. Oral presentation number 6L. 5. Mease P, McInnes IB, Kirkham B, et al. Secukinumab provides sustained improvements in psoriatic arthritis: 2-year efficacy and safety results from a phase 3 randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Presented at the 2015 ACR/ARHP Annual Meeting, San Francisco, USA, November 9. Oral presentation number 2148. 6. Dougados M, Baeten D. Spondyloarthritis. The Lancet. 2011; 377: 2127–37. 7. European Medicine Agency. Remicade. Last accessed November 2015 at http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/medicines/human/medicines/000240/human_med_001 023.jsp&mid=WC0b01ac058001d124. 8. United Nations. World Population Prospects - The 2012 Revision. 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