ノバルティス、「コセンティクス®」が 関節症性乾癬の患者さんに対し1年間

ノバルティス ファーマ株式会社
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http://www.novartis.co.jp/
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2015年7月7日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年6月29日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳
(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。
英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
ノバルティス、「コセンティクス®」が
関節症性乾癬の患者さんに対し1年間有効性を維持したとする報告が
The Lancetに掲載されたことを発表
•
FUTURE 2 試験において、「コセンティクス ®」は関節症性乾癬(PsA)の兆候および
症状に対してプラセボよりも有意にすぐれた改善効果を示し、その効果は投与後速や
かに現れ、1 年にわたって持続 1
•
「コセンティクス ®」は、PsA の関節および皮膚症状を有意に改善して承認された初
めての IL-17A 阻害薬であり、身体機能および生活の質(QOL)を改善 1
•
グローバル本社は「コセンティクス ®」について、PsA および別の重篤な慢性炎症性
きょうちょくせいせきついえん
疾患である 強 直 性 脊 椎 炎 に対して追加効能を申請
E A
2015年6月29日、スイス・バーゼル発-ノバルティスは本日、関節症性乾癬(PsA)を対
象とする「コセンティクス®」(一般名:セクキヌマブ、以下「コセンティクス」*)の主
要な第III相FUTURE 2試験の新しい1年間の結果が、優先査読を経てThe Lancetに掲載され
たことを発表しました。「コセンティクス」は、活動性PsAの成人患者さんを対象とした
第III相臨床試験で有効性を示した初めてのインターロイキン-17A(IL-17A)阻害薬です1。
PsAは、関節の疼痛とこわばり、皮膚と爪の乾癬、つま先と指の腫脹、疼痛を伴う持続性
腱炎、および不可逆的な関節損傷を伴う、長期にわたる消耗性の炎症性疾患です2。
The Lancetに掲載された新しい試験結果は、「コセンティクス」300 mg、150 mgの皮下投
与により大多数の患者さん(いずれの投与量でも64%)で、米国リウマチ学会による改善
基準(ACR 20)を指標とする改善が1年にわたって持続することを示しています1。また、
ACR50による改善率も「コセンティクス」300 mgと150 mgで1年間持続しました(それぞ
れ44%、39%)。「コセンティクス」は24週目のACR 20の主要評価項目を満たし、その
改善率は「コセンティクス」300 mg(54%、p<0.0001)と150 mg(51%、p<0.0001)に
おいてプラセボ(15%)と比較して有意に高く、臨床的改善は早くも3週目で認められま
した1。ACR 20とACR 50はPsAの兆候や症状の改善度を評価する標準的な方法で、それぞ
れベースラインと比較して20%と50%の改善を意味します3。
ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン
(Vasant Narashimhan)は次のように述べています。「『コセンティクス』は関節症性乾
癬、乾癬および強直性脊椎炎に対して1年にわたって持続する有効性を示した初めての
IL-17A阻害薬です。ノバルティスは最近、関節症性乾癬と強直性脊椎炎の両方についてグ
ローバル申請を済ませており、引き続きこのような消耗性疾患の患者さんに、この大きく
進歩した治療法をお届けできるよう努めていきます」
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また、「コセンティクス」300 mgと150 mgは重要な副次評価項目である、乾癬の面積お
よび重症度の指数の90%改善(PASI 90**)を指標とする乾癬症状を有意に改善しました1。
PASI 90の達成は、皮膚症状の寛解またはほぼ寛解が得られることを意味します4。PsAを
患う患者さんの多くは、乾癬皮疹の既往歴を有するか併存しています5。この皮膚の症状は、
りんせつ
広範囲に肥厚した皮膚病変(プラーク)を特徴とし、そう痒感、鱗屑のはがれ、疼痛を引
き起こすことが知られているため6,7、この皮膚症状を改善することもまた重要です。
FUTURE 2試験において、「コセンティクス」は通常、過去にTNFα阻害薬による標準治療
を受けていない患者さんにおいてより高い効果を示しましたが、TNFα阻害薬による治療
歴のない患者さんとTNFα阻害薬の効果が不十分であった患者さんの両方で臨床効果が認
められました1。患者さんのおよそ40%が現在の治療法に満足していません8,9。したがって、
PsAの患者さんには未だ満たされていない治療ニーズが存在します。
FUTURE 2試験において「コセンティクス」の忍容性は良好で、これまでに行われた約5,000
名の患者さんを対象とする乾癬の臨床試験プログラムで認められたのと同様の安全性プロ
ファイルを示しました1,10。高頻度に認められた有害事象(AE)は、上気道感染症と感冒
でした1。
FUTURE 2試験について
FUTURE 2試験は、PsAの患者さんを対象にヒト型抗ヒトインターロイキン-17Aモノクロ
ーナル抗体である「コセンティクス」の有効性と安全性を評価する第III相、多施設共同、
無作為化、プラセボ対象臨床試験です1。この試験には、活動性PsAの患者さん397例が登
録され、「コセンティクス」300 mg、150 mg、75 mgによる導入用量および維持用量の皮
下投与とプラセボの比較を行いました1。
この試験では、24週目のACR 20の主要評価項目を達成しました。また、関節症性乾癬の
患者さんの多くが経験する乾癬症状が「コセンティクス」によって有意に改善しました1。
乾癬の面積および重症度の指数の75%改善(PASI 75)と90%改善(PASI 90)を指標とし
て、24週目にプラセボと比較すると、「コセンティクス」300 mg(PASI 75:63%対16%、
p<0.0001、PASI 90:49%対9%、p=0.0005)と「コセンティクス」150 mg(PASI 75:48%
対16%、p=0.0017、PASI 90:33%対9%、p=0.0057)で改善が認められました1。「コセ
ンティクス」75 mgでは、規定の副次評価項目のいずれについても有意な改善がみられま
せんでした1。
関節症性乾癬(PsA)について
関節症性乾癬(PsA)は長期にわたる、痛みを伴う関節と皮膚の炎症性疾患であり、顕著
な身体的障害、生活の質の低下、平均余命の短縮をもたらします2,5。PsAは乾癬と密接な
関係があり、乾癬患者さんの約30%にPsAが認められます5,11。一般集団の0.3~1%がPsA
に罹患する可能性があり、乾癬患者さんの4人に1人の方が未診断のPsAを有すると考えら
れています5。
「コセンティクス®」(セクキヌマブ)およびインターロイキン-17A(IL-17A)について
「コセンティクス」は循環血中のIL-17Aを選択的に中和するヒトモノクローナル抗体で
す11。「コセンティクス」は、PsAと強直性脊椎炎(AS)の治療薬として、第III相試験で
肯定的な結果を示した初めてのIL-17A阻害薬です1,12。研究により、IL-17AはPsAやASを含
む、乾癬および脊椎関節炎における身体の免疫反応の推進に重要な役割を果たすことが示
されています13。
2015年1月、「コセンティクス」(300 mg)は、中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者
さんに対する全身療法の第一選択薬として欧州で承認され、全身療法または光線療法の適
応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんに対する治療薬として米国で承認さ
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れた最初で唯一のIL-17A阻害薬となりました。EUおよび米国に加え、「コセンティクス」
はスイス、チリ、オーストラリア、カナダ、シンガポールでも中等症から重症の尋常性乾
癬に対する治療薬として承認されており、日本では2014年12月に中等症から重症の尋常性
乾癬と活動性乾癬性関節炎(PsA)に対する治療薬として承認され、2015年2月27日に新
発売いたしました。
*
日本における用法及び用量は、次の通りです。
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、
3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mg
を投与することができる14。
**
PASIは、乾癬の局面型皮疹の発赤、鱗屑のはがれ、肥厚、および各身体部位の罹患面積を反
映します4。治療効果はベースラインからのスコアの減少によって評価します
(すなわち、90%の減少はPASI90、100%の減少はPASI100と表されます)。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その
内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに
より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、
ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2014年の売上高は580
億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約120,000人の社員を擁しており、世界150カ
国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧くださ
い。http://www.novartis.com/
参考文献
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2006. Available at:
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2009/09/WC500003413.pdf
Accessed June 17, 2015.
4. European Medicines Agency (EMA) Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP)
Guidelines on clinical investigation of medicinal products indicated for the treatment of psoriasis. 2004.
Available
at: http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2009/09/WC500003329.
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14. コセンティクス®添付文書
http://product.novartis.co.jp/ctx/pi/pi_ctxv_1503.pdf (アクセス日:2015/7/7)
以上
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