Quiz4

2013 EM2 Quiz4
1 x, y 方向に一様、z 方向に進行する解、つまり電磁波(講義 p16 で g1 = g2 = 0)
に対して
i) 電磁場のエネルギー密度 uem = ue + um を f1 , f2 で表せ。
ii) Poynting ベクトル S を uem と関係づけよ。
∫
iii) 真空中で、Gem = 全 dV ²0 µ0 S であった。よって g em ≡ ²0 µ0 S で電磁波の
運動量密度を定義する。g em を uem と関係づけよ。
[cf. 砂川 p285]
2 無限に長いまっすぐで一様で半径 R の電線に電流 I が流れている。この電線内
部の磁場を求めよ。
3 円形断面をもつ半径 b で単位長さあたりの抵抗が ρ である針金に直流 I が流れて
いる。Poynting vector の大きさと方向を求めよ。
[1] の解答例
i)
電磁場のエネルギー密度は
1
1 2
uem = ²E 2 +
B
2
2µ
で与えられる。f1 , f2 を用いた平面波の解は次式であった;
E x (z, t) = f1 (z − vt)
1
B y (z, t) =
f1 (z − vt)
v
E y (z, t) = f2 (z − vt)
1
B x (z, t) = − f2 (z − vt)
v
ここで v ≡
√1
µ²
である。これより
E2 = E · E
= (E x )2 + (E y )2
(R3 上のベクトル場の成分はデカルト座標での座標基底に対するもの)
= (f1 (z − vt)2 + (f2 (z − vt))2
1
及び
B2 = B · B
= (B x )2 + (B y )2 (R3 上のベクトル場の成分はデカルト座標での座標基底に対するもの)
}
1 {
= 2 (f1 (z − vt)2 + (f2 (z − vt))2
v
となるから
uem = ²[f1 (z − vt)]2 + ²[f2 (z − vt)]2
を得る。
ii)
Poynting ベクトルは
S=
1
E×B
µ
であった。平面波解を代入すると
µS x = E y B z − E z B y
= 0
µS y = E z B x − E x B z
= 0
µS z = E x B y − E y B x
}
1{
=
(f1 (z − vt))2 + (f2 (z − vt))2
v
= µv uem
こうして ez を z 軸方向の単位ベクトルとすると
S = v uem ez
となる。
iii)
g em ≡ ²0 µ0 S 及び S = v uem ez , v = c (真空中) より
g em =
を得る(c =
1
v
uem ez = uem ez
2
c
c
√1 )
。
²0 µ0
[2] の解答例
アンペールの法則
∫
ds · H(x) = I
C
2
を用いる。ここで C は開曲面 S のふちとなる閉曲線である。
磁場の対称性から電線の軸を z 軸とする円筒座標 (r, φ, z) をとると
H = H(r)eφ
となる。但し eφ は φ 方向の単位ベクトル。いま開曲面 S はそのふちである閉曲線
C が円筒の軸に垂直な面に平行な半径 r の円になるように取ることができる。従っ
て ds = dseφ である。こうして
∫
∫
ds · H(x) =
dsH(r)
C
C
= 2πr H(r)
r2
=
I
R2
より、
H(r) =
I r
2π R2
となるから電線内部の磁場は
H=
I r
eφ
2π R2
である。
[3] の解答例
以下 0 ≤ r ≤ b とする。
針金内部の磁場は前問で求めたように
H=
I r
eφ
2π b2
となる。
針金内部にできる電場 E を求める必要がある。Quiz3 の [1] での議論から、
∂Φ
I
= −ρ 2
∂z
πb
を得る。こうして針金内部の電場は
∂Φ
E = − ez
∂z
ρI
=
ez
πb2
である。
よって針金内部の Poynting ベクトルは
S = E×H
ρI
I r
=
ez ×
eφ
2
πb
2π b2
ρI 2
= − 2 4 rer
2π b
3
但し er は針金の動径方向の単位ベクトル。
こうして Poynting ベクトルは、針金の軸から動径方向に内向きで大きさは
と求まった。
4
ρI 2
r
2π 2 b4