2013 EM2 Quiz3 [1] 図の様に面積 S の柱状のチューブ内を強さ I の電流が一様に流れている。 (x + x) x + x I ex (x) x S 1. 長さ ∆x の円筒の抵抗を ∆R としてこれらと図に記した記号を用いて、オー ムの法則を書け。 2. S ∆R は物質定数と考えられ、これを ρ と書こう(抵抗率と呼ばれる)。 ∆x I S ex ≡ −j とおいて、オームの法則を、∆x → 0 の極限で j 、ρ、φ、x を 用いて書きかえよ。 3. j = σE により講義で導入した σ (電気伝導率)と ρ を関係づけよ。 [cf. 砂 川 p108] [2] j = σE 、ρ = 0 の場合に電信方程式 ( ) ( )2 ∂ ∂ 4 − µ² − µσ E(x, t) = 0 ∂t ∂t ( ) ( )2 ∂ ∂ 4 − µ² − µσ B(x, t) = 0 ∂t ∂t を導出せよ。 [3] EdivE − E × rotE の i 成分 1 (EdivE − E × rotE)i = ∂j (E i E j − δ ij E k E k ) 2 1 を確認せよ。但し j 及び k に関する和は暗黙の了解とする。 [1] の解答例 1. I= 2. ρ ≡ S φ(x + ∆x) − φ(x) ∆R (1) ∆R とおく。(1) の両辺を S で割ると ∆x I φ(x + ∆x) − φ(x) = S S∆R となり、これに ρ を用いると I φ(x + ∆x) − φ(x) = S ρ∆x となる。さらに ∆x → 0 の極限をとると I 1 ∂φ(x) = S ρ ∂x が得られる。図よりベクトルの方向を読み取ると j=− 1 ∂φ(x) ex ρ ∂x を得るのである。 3. E=− (2) ∂φ(x) ex ∂x であるから (2) と j = σE より σ= 1 ρ を得る。 [2] の解答例 Maxwell 方程式は j = σE 、ρ = 0 において divD = 0 (3) divB = 0 (4) rotH = σE + rotE = − 2 ∂B ∂t ∂D ∂t (5) (6) であり、また E, D 及び B, H の関係は D = ²E , H = 1 B µ である。なお今は ², µ は定数である。 rotrotB = ∇(∇ · B) − 4B 及び (5) の rot をとると左辺について 1 rotrotB µ 1 = − 4B µ rotrotH = となり、右辺については σrotE + となる。 ∂B ∂2B ∂ rotD = −σ −² 2 ∂t ∂t ∂t ( ∴ ( 4 − µ² ∂ ∂t )2 ∂ − µσ ∂t ) B(x, t) = 0 一方で rotrotE = ∇(∇ · E) − 4E 及び (6) の rot をとると左辺について rotrotE = −4E となり、右辺については − となる。 ∂ ∂ rotB = −µ rotH ∂t ∂t ∂ 2E ∂E − µ² 2 = −µσ ∂t ∂t ( ∴ ( 4 − µ² ∂ ∂t )2 ∂ − µσ ∂t ) E(x, t) = 0 [3] の解答例 (EdivE − E × rotE)i = ∑ j 3 Ei ∂j Ej − (E × rotE)i ここで rotE = ∑ j,k,l ej ²j,k,l ∂k El より E × rotE = ∑ Ei ei × i ∑ = ∑ ej ²j,k,l ∂k El j,k,l ²hij ²j,k,l Ei ∂k El eh h,i,j,k,l = ∑ (δhk δil − δhl δik )Ei ∂k El eh h,i,k,l = ∑ Ei ∂h Ei eh − h,i = ∑ Ei ∂i Eh eh h,i ∑ (Ej ∂i Ej − Ej ∂j Ei )ei j,i となるので、 (EdivE − E × rotE)i = ∑ Ei ∂j Ej − j = ∑ ∑ (Ej ∂i Ej − Ej ∂j Ei ) j (Ei ∂j Ej − Ej ∂i Ej + Ej ∂j Ei ) j ∑{ } 1 = ∂j (Ei Ej ) − ∂i (Ej Ej ) 2 j ∑ ∑1∑ = ∂j (Ei Ej ) − δij ∂j (Ek Ek ) 2 j j k { } ∑ 1 ∑ = ∂j Ei Ej − δij (Ek Ek ) 2 j k を得る。今は flat な3次元空間上でテンソル量を考えており、計量は gij = δij dxi dxj であるから添え字の上げ下げは自由に行ってよい。こうして { } ∑ ∑ 1 (EdivE − E × rotE)i = ∂j E i E j − δ ij (E k E k ) 2 j k を得る(問題分にあるのは和の記号を省略したもの)。 4
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