もぐりんが行く ! 文化財めぐり＜第12回＞西区（草津・井口周辺）もぐりん今回もぐりんが行くのは西区草津・井口周辺です。この辺りは古くから漁業を中心に発展してきた町です。西国街道が通っていた時代には山裾まで海が迫り、険しい峠を越えるか干潮時に海岸沿いの道を通るしかなく、交通の難所でもありました。昭和 41 年から始まった西部開発事業により大規模な埋立工事が行なわれ、海岸線は沖合いに移転しました。しかし、国道 2 号線の南側を歩いてみると、昔の海岸線を示す様々な痕跡を見ることができます。西広島バイパス宮島街道＜旧草津港の雁木（草津南 1丁目）＞西部埋立第八公園は旧草津港を埋め立てて作られました。公園東側の広場の端に連なる石積みの階段は「雁木」と呼ばれる船着場の跡です。潮の干満による水面の上下に関わらず、船を接岸し積荷の揚げ下ろしができることから、潮の干満差が大きい瀬戸内海沿岸などで多く利用されました。草津は古くから牡蠣養殖が盛んで、「ひび建養殖法」が考案されたり、販路拡大のため大阪で始めたかき船が評判になったりと、広島牡蠣の普及に貢献しました。＜旧草津港の防波堤灯台（草津新町 2 丁目）＞公園にひっそりと佇む石組みの防波堤と灯台。ここは草津沼田道路のすぐ脇にある西部埋立第七公園です。海から離れた場所にあるため、一見オブジェのようにも見えますが、実は旧草津港で使われていた本物の防波堤と灯台なのです。灯台は戦後間もない昭和 23 年 (1948 年 )、広島中央魚市場が移転新設され、港が拡張されたのに伴い建てられたそうです。＜小己斐明神（井口明神 2 丁目）＞国道 2 号線と井口高校の間にある西部埋立第二公園に入ると、目に飛び込んでくるのが小己斐明神 ( 現小己斐島 ) です。昭和 20 年代以降、井口港の防波堤の一部として利用されていましたが、現在は中島として保存されています。かつて平清盛が厳島神社を建立する際、鈴ヶ峰から切り出した木材に刻印を打ち、この浜から送り出したことから「刻印 ( 国印 ) の明神」と呼ばれていました。寛政 3 年 (1791 年 ) に己斐旭山神社の分神を合祀したのを機に「小己斐明神」と呼ばれるようになりました。ご神体は現在、井口の大歳神社に合祀されています。次回（6月号）の文化財めぐりは「中区・白島周辺」です。まりー喫茶Marie ≪紹介者≫広島ターフェルオーケストラ　脇中弓子さん 12 ●脇中さんからひとこと ●毎日食べても飽きのこない味 2 年半くらい前にチェロを通じて店主の沖本さんと知り合い、それを機に仕事の合間に時々よらせてもらっています。一人で行ったり、ここを紹介したいので友達や生徒と一緒に訪ねることもよくあります。女性が一人でふらりと行っても入りやすく、落ち着けます。センスの良い店主さんで、お店の内装もご自分でデザインされたそうで、吹きガラスの窓辺や壁のオーナメントは可愛らしさと優しい雰囲気を放っています。お母さんの作る日替わりランチも最高で、栄養のバランスも良く美味しいです。サイフォンでたてるブレンドコーヒーもおすすめ。苦味を抑えつつコクがあり、ほっとひと息いれたい時にピッタリです。店内にはいつもクラシックなどの素敵な音楽が流れているので、食事やお茶を楽しみつつちょっと BGM にも耳を傾けていただければ、より一層満ち足りた気分に浸れると思います。祖母の代から 50 余年、今は沖本マリ子さん、美夏さん母娘 2 人で切り盛りする喫茶店です。メニューも価格も昔ながらの喫茶スタイルを貫いており、年配のお客様の中には「今ではこういう店は珍しい。懐かしい」と言う人も。特に昼時の日替わりランチ 2 種類と定番の焼きめし、牛丼が人気。栄養面への配慮や、毎日食べても飽きのこない味付けで、毎日通って来る人もいるそうです。甘さ控えめでフワフワ、後口のいいフレンチトースト（400 円）はおやつに最適です。【喫茶Marie】中区十日市町1-1-35 電話／082-233-1698 営業時間／7:30～18:00 定休日／日曜、祝日焼きめし（600 円）はみそ汁、サラダ付。コーヒー（350 円）には小さなチョコレートがサービスで付く。第22回広島ターフェルオーケストラのコンサート広島ターフェルオーケストラは指揮者もソリストもみんな仲間。練習もああだこうだ話し合いながら楽しい雰囲気で進めています。今回のソリストは第 6 回の演奏会から出演しているクラリネットの西村薫さんで、お嬢さんもバイオリンで参加。父娘共演です。今回も熱い演奏をお届けします！曲目: モーツァルト／クラリネット協奏曲、メンデルスゾーン／交響曲第 3 番「スコットランド」ほか時／ 3 月 14 日 ( 土 )18：30 ～所／東区民文化センターホール￥／無料　問／ 082-272-8656（脇中）