5 選挙運動 [PDFファイル/1.09MB]

5 選挙運動
“選挙運動”のスタート
選挙運動は、原則として立候補の届出が受理された時から投票日の前日までの間でしか
行うことができません。
したがって、立候補届出前のすべての選挙運動は禁止されます。
また、この期間中も選挙運動用自動車などでの連呼行為や街頭演説は、午前8時から午
後8時までの間に行うこととされています。
なお、公示(告示)日から投票日までの期間は、選挙により異なるため、選挙運動期間
は選挙により異なっています。
“してはいけない”選挙運動!!
選挙運動は、各候補者の政見、政党の政策などを知り、大切な一票を投じる判断の基礎
となるものです。
そこで、公職選挙法では、選挙の公正・公平を確保するために、選挙運動でできること、
できないことを細かく定めています。
選挙運動で「できないこと」の主なものを紹介します。
(1)飲食物の提供の禁止
選挙運動に関して飲食物を提供
することは、原則としてできませ
ん。また、飲食物を陣中見舞など
といって選挙事務所に差し入れす
ることもできません。
(2)戸別訪問の禁止
選挙人の家(会社、工場等も含む。)を訪
ねて、投票を依頼したり、投票をしないよう
に依頼することは、戸別訪問として禁止され
ています。
また、選挙運動のため、演説会や演説があ
ることを戸別に告知することなども戸別訪問
として禁止されます。
文書による選挙運動(“配って”
“貼って”)
文書による選挙運動は、お金のかかる選挙の原因となりやすいことから、それぞれ、規
格、数量、使い方(配布方法や掲示場所等)などについて詳細に決められています。
(1) 配ることができる
(頒布できる)
もの
①葉書
衆議院比例代表選挙を除く各選挙で使用できます。
郵便によらずに、手渡しなどで配ることはできません。
日本郵便株式会社の営業所による「選挙用」の表示が必要です。
②ビラ
国政選挙と知事・市町村長の選挙のみ使用できます。
新聞折り込みでの配布や街頭演説の場所、演説会場、選挙事務所での配布のみできます。
配布する前に届出をし、所定の「証紙」を貼る必要があります。
(政党が選挙中に使用できる一部のビラには、届出や証紙がいらないものもあります。)
③国政に関する重要政策等を記載したパンフレット又は書籍
国政選挙(補欠選挙等は除く)のみ使用できます。
街頭演説の場所、演説会場、選挙事務所での配布のみできます。
政党の本部において直接発行されるもので、総務大臣に届出をしたものに限ります。
(2) 貼ることができる
(掲示できる)
もの
①選挙運動用ポスター
※衆議院比例代表選挙や参議院比例代表選挙以外
の選挙では、ほとんどの選挙で、ポスター掲示場
が設けられています。
②選挙事務所を表示する立札看板
③選挙運動用自動車に取り付ける立札看板
④個人演説会場で使用する立札看板
インターネットによる選挙運動
インターネットによる選挙運動には、次のような制限があります。
できること/できないこと
ウェブサイト等を
用いた選挙運動
政党
候補者 一般有権者
ホームページ、ブログ等
SNS(Facebook、Twitter、LINE 等)
○
○
○
○
○
○
動画の配信(YouTube、ニコニコ動画等)
○
○
○
○
○
×
○
○
×
△(※2)
△(※2)
×
×
×
×
選挙運動用電子メールの送信
電子メールを用いた 選挙運動用ビラ・ポスターを添付した
選挙運動(※1)
メールの送信
送信された電子メールの転送
ウェブサイト上に掲載・電子メールに添付された選挙運動用ビラ・
ポスターを紙に印刷して配布(証紙なし)
言論による選挙運動(“話して”)
言論による選挙運動は、比較的自由に行えますが、次のような制限があります。
(1)街頭演説
街頭演説は、午後8時から翌日午前8時までの間は禁止されています。また、学校・病
院・診療所等の周辺では静かにするよう努めなければならないこととされています。
(2)個人演説会
個人演説会は、政見の発表・投票の依頼などのために候補者が開催するものです。
選挙公営施設(学校や公民館など)を利用する場合は、1回について5時間以内でなけ
ればなりませんが、それ以外の施設
(個人の住宅・劇場など)
では時間制限はありません。
※衆議院議員選挙においては、個人演説会のほかに、政党が開催する演説会も認められ
ています。
(3)連呼行為
連呼行為とは、短時間に同一内容の短い文言を連続して繰り返し呼称することです。
原則として禁止されていますが、演説会場でする場合や、午前8時から午後8時まで
の間に、街頭演説の場所及び選挙運動用自動車の上でする場合は許されています。
誰でも自由にできる選挙運動
次の選挙運動は、時間や回数等の制限が特にないため、候補者以外の者でも自由に行う
ことができます。(※未成年者等、法律により選挙運動が禁止されている人は除きます。)
(1)幕間演説
映画・演劇等の幕間、青年団・婦人会等の集会や、
会社・工場等の休憩時間に、そこに集まっている人
(たまたまその場所に居合わせた人)を対象にして、
選挙運動のための演説をすることです。
(2)個々面接
デパート・電車・バスの中あ
るいは道路等でたまたま知人に
あったときなどに、その機会を
利用して選挙運動をすることで
す。
(3)電話による選挙運動
誰でも自由に行えます。