介護保険制度における住宅改修制度の概要 1 住宅改修制度の概要 2 支給限度額 3 支給要件 4 償還払いによる住宅改修費の支給 5 受領委任払いによる住宅改修費の支給 1 住宅改修制度の概要 要介護・要支援認定を受けている被保険者(以下「被保険者」という。)の住宅内での安全を確保 したり,介護者の負担を軽減するために,実際に居住している住宅の一部を改修する場合,改修工事 着工前に申請することにより改修工事完了後、介護保険給付に適正と認められた場合,その費用の一 部について住宅改修費として保険給付を受けることができます。 住宅改修費は,住宅改修工事が完了した後に被保険者が住宅改修事業者に工事費を一旦全額支払い, その後工事費の9割分の金額の支給を受けます。 (償還払い方式) なお,仙台市では,上記の償還払い方式による住宅改修費の支給に加えて,被保険者の経済的な負 担を軽減し、より利用しやすい制度とするために,被保険者は工事費の1割分のみを事業者に支払い, 介護保険住宅改修費の受領に関する委任を利用者から受けた事業者が,9割分の住宅改修費を代理受 領する制度も行っています。(受領委任払い方式) 住宅改修費の支給限度額や支給要件は法令等により以下のように定められています。 2 支給限度額 介護保険制度における住宅改修費には,支給限度額(上限)が設けられています。支給限度額は要 介護等状態区分(要支援1・2、要介護1∼5)にかかわらず被保険者ひとりにつき20万円です。 実際に被保険者に支給される住宅改修費は工事費の9割(残りの1割は本人負担)ですので,被保 険者ひとりにつき,最高18万円が支給されることになります。 ただし,以下の場合は既に住宅改修費として18万円まで支給されていても,再度支給される場合 があります。 1 被保険者の要介護等状態区分が著しく高くなった場合 (初めて住宅改修費が支給された住宅改修の着工日と比べて,要介護等状態区分が3 段階以上あがった場合) 2 被保険者が転居した場合 3 支給要件 住宅改修費の支給を受けるためには以下の要件をすべて満たす必要があります。 ① 被保険者証に記載されている住所地にあり,実際に居住する住宅の改修であること。 (新築の場合を除く) ② 被保険者の心身の状態や,住宅の状況から必要があると認められる改修であること。 ③ 住宅改修の内容が以下の住宅改修の種類であること。 住宅改修の種類 内容及び改修例 廊下,便所,浴室,玄関,玄関から道路までの通路等に転倒予防若しくは移動 手すりの取付け 又は移乗動作に資することを目的として設置するもの。手すりの形状は,二段 式,縦付け,横付け等適切なもの。 居室,廊下,便所,浴室,玄関等の各室間の床の段差及び玄関から道路までの 通路等の段差を解消するための改修であること。敷居を低くする工事,スロー 段差の解消 プを設置する工事,浴室の床のかさ上げ,通路等の傾斜の解消等。また,スロ ープ等の設置に伴う転落防止柵等の設置も含まれる。 昇降機,リフト,段差解消機等動力により段差を解消する機器を設置する工事 は除く。 滑りの防止及び移 動の円滑化等のた めの床又は通路面 の材料の変更 居室においては畳敷から板製床材,ビニル系床材等への変更,浴室においては 床材の滑りにくいものへの変更,通路面においては滑りにくい舗装材への変更 等。 開き戸を引き戸,折戸,アコーディオンカーテン等に取り替えるといった扉全 引き戸等への扉の 体の取替え,ドアノブの変更,戸車の設置,取替えよりも安価な場合の引き戸 取替え 等の新設,扉の撤去等。ただし,引き戸等への扉の取替えにあわせて自動ドア とした場合は,自動ドアの動力部分の設置は対象にならない。 和式便器から洋式便器への取り替えであること。和式便器から,暖房便座,洗 洋式便器等への便 器の取替え 浄機能等が付加されている洋式便器への取替えは含まれるが,既に洋式便器で ある場合のこれらの機能等の付加は含まれない。非水洗和式便器から水洗洋式 便器又は簡易水洗洋式便器への取替えの場合は水洗化又は簡易水洗化工事の 部分は含まれない。 ① 手すりの取付けのための壁の下地補強 ② 浴室の床の段差解消(浴室の床のかさ上げ)に伴う給排水設備工事 その他上記に付帯 ③ 床材の変更のための下地の補修や根太の補強又は通路面の材料の変更のた して必要となる住 宅改修 めの路盤の整備 ④ 扉の取替えに伴う壁又は柱の改修工事 ⑤ 便器の取替えに伴う給排水設備工事(水洗化又は簡易水洗化に係るものを 除く),便器の取替えに伴う床材の変更 4 償還払いによる住宅改修費の支給 介護保険制度における住宅改修費の支給を受けるためには,住宅改修の着工前,完了後に申請を行 い,住宅改修が完了した後に被保険者が住宅改修事業者に費用を一旦全額支払い,適正と認められる 場合は工事費の9割分(最高18万円)を支給します。 申請には以下の書類が必要です。申請内容の審査には数日かかることがありますので、余裕を持っ て申請してください。 ① 介護保険居宅介護(支援) 申請書は区役所の介護保険窓口で配布する。 住宅改修費支給申請書 ② 見積書及び工事費内訳書 「工事費内訳書」は,工事を行う箇所,内容及び規模が明記さ れており,材料費・施工費・諸経費等を区分して記載したもの。 また,介護保険の住宅改修費の支給対象となる工事以外の改修 工事を併せて行う場合は,介護保険の住宅改修費の支給対象部 着工前 分の算出方法を必ず記載したものを添付する。 ③ 住宅改修が必要な理由書 「理由書」は,被保険者の心身の状況を把握しているケアマネ ジャー等が記載したもの。 ④ 住宅改修前の写真・図面等 「写真」は,トイレ,浴室,廊下等の住宅改修箇所ごとの改修 前の写真で,撮影日が入ったもの。 ⑤ 住宅所有者の承諾書 住宅の所有者が被保険者以外の場合は,所有者が住宅改修に承 諾したことがわかる書類。 ⑥ 介護保険被保険者証 写し可。 ⑦ 領収書 住宅改修費の支給対象とならない工事費用を含めたもので差し 支えないが,介護保険の住宅改修費の支給対象部分がわかるも 完了後 のを添付する。 ⑧ 住宅改修後の写真 トイレ,浴室,廊下等の住宅改修箇所ごとの改修後の写真で, 撮影日が入ったもの。 申請された住宅改修費支給申請書及び添付書類については,区役所で支給に関する審査を行います。 審査の結果支給が決定した場合には,支給申請時に指定した銀行口座に住宅改修費を振り込みます。 なお,振込み日は毎月25日までに申請したものについて翌月の10日頃に振り込まれます。振込 みと同時に区役所から支給決定通知書が送付されます。 5 受領委任払いによる住宅改修費の支給 …… 受領委任払いとは…… 介護保険制度における住宅改修は,償還払いによる保険給付となっており,利用者は工事費をいっ たん全額支払う必要があり,一時的に経済的負担が大きくなります。 そこで仙台市では,被保険者の負担感を軽減し,制度をより利用しやすいものとする方法として, 住宅改修費の受領委任払い制度(被保険者は工事費の1割分のみを事業者に支払い,介護保険住宅改 修費の受領に関する委任を利用者から受けた事業者が,9割分の住宅改修費を代理受領する方法)を 実施しています。 受領委任払い方式で,住宅改修費を受領できる事業者は下記の要件をともに満たす事業者です。要 件を満たす事業者は,住宅改修事業者リストの受領委任欄に「あり」と記載されている事業者です。 ① 住宅改修事業者リストに掲載されていること。 ② 仙台市に対して「住宅改修費の代理受領に係る申出書」を提出していること。 受領委任払い欄に「あり」と掲載されている事業者は,被保険者が希望する場合には住宅改修を受 領委任払いの方法で行います。 …… 受領委任払いによる住宅改修費の支給について …… 介護保険の住宅改修を受領委任払いの方法により行った事業者は,改修後,住宅改修費を全額受領 するのではなく,1割分のみ利用者から受領し領収書を発行します。 残りの9割分については,住宅改修費の受領に関して被保険者から事業者に委任することとし(委 任状が必要),区役所に必要書類を添付の上住宅改修費(9割分)を支給申請します。 (支給申請は事 業者が代行することが可能です。 ) なお,住宅改修費が20万円を超えた場合には,1割分の2万円と20万円を超えた部分の全額を 利用者から受領し,領収書を発行した後に,受領委任された18万円を支給申請します。 申請に必要な書類は,償還払いの場合と同様です(前ページ参照)。着工前及び完了後に必要な書 類を提出します。 支給申請されたものについては,区役所で内容等について審査を行い,支給決定したものについて は,毎月25日までに申請があったものについて,翌月の10日頃に区役所から事業者に支給されま す。
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