臨時レポート 「中国とアジア株式市場の最近の動向」 2016年1月13日 中国とアジア株式市場の足元の状況 中国本土の代表的な指数である上海総合指数や、香港の代表的な指数である香港ハンセン指数が年初来でそれ ぞれ-14.6%と-10.1%と下落し、他のアジア株式市場にも幅広く売りが波及したことでMSCI AC アジア指数(除く 日本)は-7.6%となりました。 原油価格の一段安や中東での地政学リスクの浮上、米国株の下落などの外部要因から投資家のリスク回避姿勢 が高まったことに加えて、アジアにおいては、年初に発表された12月の中国の製造業PMI(購買担当者景気指数) が市場予想を下回ったことや、中国が相場の極端な変動を抑制する目的で導入した「サーキットブレーカー制度」 が株売りをさらにあおる結果となってしまったこと、さらには対米ドルで進む人民元安への懸念から中国国内投資 家のパニック売りが広がり、その他アジア市場にも影響をもたらしました。その後、サーキットブレーカー制度は一 時的に休止されて流動性懸念は一旦後退したものの、為替市場では米ドル高・人民元安が進んでおり、為替の安 定が見られないなかで株式市場の変動性が高い状態が続いています。 今後の市場見通し 短期的には中国人民元の動向、サーキットブレーカー制度等各種規制の発表、中国の主要経済指標が示す中国 景気の動向などに一喜一憂する変動性の高い相場環境が続く可能性があると考えています。特に、中国人民元の 動向は、当局の介入次第では中国の外貨準備高の減少を加速しかねないことや他のアジア為替市場に資金流出 などの悪影響を及ぼす可能性があることから注視が必要です。現在は、米ドルに対する人民元の為替動向のみに 過度な焦点が当たっていますが、中国政府は昨年12月から新たな通貨バスケット制度を導入しており、人民元の 為替政策の決定においては米ドルのみならず、日本円やユーロなどの主要通貨の動きを従来よりも参考とするよう に変更を行いました。このことが今後市場で徐々に認知され、米ドルに対する人民元の為替動向のみに過度な焦 点が当たる現状から、他の通貨バスケット主要構成通貨との比較が行われ、また新しい通貨バスケットでは過去1 年で人民元安が大幅に進行していないことが市場に周知されることで、徐々に中国株式市場は落ち着きを取り戻し ていくものと考えています。 また、アジア株式市場で長らく不安材料となっていた米国の利上げは予想通り昨年12月に行われましたが、利上 げの実施はすでに時間を掛けて市場に織り込まれていたことに加え、今後の利上げのペースは緩やかになること が見込まれており先行き不透明感が一部払拭されたと見ています。急速なドル高に対する懸念が和らぎ、中期的 には投資家のリスク回避姿勢も弱まることが期待されます。 アジア株式は、足元の株価の調整を経て、バリュエーション(株価評価)で見た魅力度が増していると考えます。引 き続き、ファンダメンタルズ(基礎的条件)が良好な銘柄を中心に積極的な銘柄選択を行っていく方針です。 上記は2016年1月13日時点の当社グループのEMAPアジア株式運用チームの見通しであり、将来予告なく変更されることがあります。 主要株価指数の推移 2015/12/31 2016/1/12 3,539.18 3,022.86 -14.6% 香港ハンセン 指数 21,914.40 19,711.76 -10.1% ハンセン中国企業指数(H株) 140 MSCI AC アジア指数(除く日本) 120 100 9,661.03 8,439.31 -12.6% 80 623.47 576.34 -7.6% (データ出所)ブルームバーグ MSCI AC アジア指数(除く日本)は配当なし、 現地通貨ベースを使用。 1 香港ハンセン指数 騰落率 160 (年初来) 上海総合指数 ハンセン中国 企業指数(H株) MSCI AC アジア 指数(除く日本) 上海総合指数 180 60 2014/12/31 2015/4/30 (データ出所)ブルームバーグ 2015/8/31 2015/12/31 2014年12月31日を100として指数化 期間:2014年12月31日-2016年1月12日 上記は過去の実績であり、将来の成果を保証するものではありません。 | 本資料に記載されているリスク、費用、留意事項等を必ずご覧ください。 本資料をご覧いただく上での留意事項 投資信託に係るリスクについて 投資信託は一般的に、株式、債券等様々な有価証券へ投資します。有価証券は市場環境、有価証券の発行会社の 業績、金利の変動等により価格が変動するため、投資信託の基準価額も変動し、損失を被ることがあります。また、外 貨建の資産に投資する場合には、為替の変動により損失を被ることがあります。そのため、投資信託は元本が保証さ れているものではありません。投資信託は預貯金と異なります。 又、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから 、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)をご覧 ください。 投資信託に係る重要な事項について ・投資信託によっては、海外の証券取引所の休業日等に、購入、換金の申し込みの受付を行わない場合があります。 ・投資信託によっては、クローズド期間として、原則として換金が行えない期間が設けられていることや、1回の換金( 解約)金額に制限が設けられている場合があります。 ・分配金の額は、投資信託の運用状況等により委託会社が決定するものであり、将来分配金の額が減額されることや 、分配金が支払われないことがあります。 投資信託に係る費用について 投資信託では、一般的に以下のような手数料がかかります。手数料率はファンドによって異なり、下記以外の手数料 がかかること、または、一部の手数料がかからない場合もあるため、詳細は各ファンドの販売会社へお問い合わせい ただくか、各ファンドの投資信託説明書(交付目論見書)等をご覧ください。 投資信託の購入時:購入時手数料(上限3.78%(税抜3.5%))、信託財産留保額 投資信託の換金時:換金(解約)手数料、信託財産留保額(上限0.5%) 投資信託の保有時:運用管理費用(信託報酬)(上限年率2.052%(税抜1.9%))、監査費用(上限年間324万円(税抜 300万円)) *費用の料率につきましては、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が設定・運用するすべての公募投資信託の うち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。 運用管理費用(信託報酬)、監査費用は、信託財産の中から日々控除され、間接的に受益者の負担となります。その 他に有価証券売買時の売買委託手数料、外貨建資産の保管費用、信託財産における租税費用等が実費としてかか ります。また、他の投資信託へ投資する投資信託の場合には、当該投資信託において上記の費用がかかることがあ ります。また、一定の条件のもと目論見書の印刷に要する実費相当額が、信託財産中から支払われる場合がありま す。 <投資信託委託会社> JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第330号 加入協会:一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人第二種金融 商品取引業協会 MSCIの指数は、MSCI Inc. が発表しています。同インデックスに関する情報の確実性および完結性をMSCI Inc. は何ら保証する ものではありません。著作権はMSCI Inc. に帰属しています。 本資料はJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(以下、「当社」という。)が作成したものです。本資料は投資に 係る参考情報を提供することを目的とし、特定の有価証券の勧誘を目的として作成したものではありません。また、当 社が販売会社として直接説明するために作成したものではありません。当社は信頼性が高いとみなす情報等に基づ いて本資料を作成しておりますが、当該情報が正確であることを保証するものではなく、当社は、本資料に記載され た情報を使用することによりお客様が投資運用を行った結果被った損害を補償いたしません。本資料に記載された 意見・見通しは表記時点での当社および当社グループの判断を反映したものであり、将来の市場環境の変動や、当 該意見・見通しの実現を保証するものではございません。また、当該意見・見通しは将来予告なしに変更されることが あります。 2 | 本資料に記載されているリスク、費用、留意事項等を必ずご覧ください。
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