マーケットニュース 少額投資が可能な低PBR、好業績銘柄

マーケットウィークリー・857号
2016.1.1
マーケットニュース 少額投資が可能な低PBR、好業績銘柄
作成者:奥村義弘
郵政グループ上場
で個人投資家の株
式市場への関心高
まる
2015年は、11月に郵政グループが株式を上場、大型上場で個人投資家の関心を
集めた。上場後の株価も堅調に推移したことで、新たな客層が株式市場への関心
を示すようになったと言われる。また2014年1月にNISA(少額投資非課税制度)
が導入された。投資に有利な制度を作ることで1,700兆円と言われる個人金融資産
のうち、眠れる現金・預金を「運用」するという、新しい価値観を形成するきっ
かけを作ることを目的としている。年間投資上限金額は1人年100万円分まで、株
式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税。積立型の投
資信託などで着実に運用されている方も多いものと推察される。
2016年はNISA
枠が拡大見込み
2016年はNISAの年間投資上限額が100万円から120万円へ引き上げられる。
また4月より、1人当たり80万円の枠で子供NISAの制度もスタートする。親や
祖父母から子への資金移動を促し、株式市場の一段の活性化を促進するものとし
て注目される。
少額投資が可能な
銘柄群から選択
例年、新年号のマーケットニュースでは低位株銘柄で好パフォーマンスが期待
される銘柄群を紹介してきた。今回は売買単位の変更などで、マーケットでの流
動性に配慮した企業も増えてきている実態から、最低投資金額(株価×売買単位)
が20万円未満と低く、少額投資が可能な銘柄群の中から選択を試みた。選択に使
用した条件は、PBRが1倍未満と割安感があり、今期予想の経常利益が2桁増益、
有配予想という条件を満たす銘柄。今後のポテンシャルなどからみて、水準訂正
に期待感が高まりやすい銘柄をピックアップしてみた。投資の際のヒントにして
いただきたいと考える。
◇主な低PBR、好業績銘柄
対
象:銀行、証券、保険を除く東証1部上場
選択基準:①最低投資金額(株価×売買単位)20万円未満、②今期予想増益率10%以上、③今期有配、④
PBR1倍未満の条件を満たす銘柄からCAMが選んだ8銘柄
(単位:円、倍、%)
銘柄名
コード
売買単位
株価
タケエイ
1,073
2151
東洋紡
(100)
170
3101
日コン
(1,000)
350
5269
パンチ
(100)
962
6165
大豊工
(100)
1,493
6470
三菱Uリース
(100)
632
8593
セイノーHD
(100)
1,271
9076
ヤマダ電
(100)
541
PBR
実績
予想
PER
予想
利回り
予想
増益率
0.97
16.6
1.56
53
0.96
13.3
2.08
29
0.60
16.5
1.74
12
0.72
8.1
2.61
18
0.73
13.8
2.44
31
0.93
11.4
1.68
10
0.70
15.3
1.67
14
選択のポイント等
建設向け産業廃棄物の最大手。国土強靭化、2020年東京五
輪、本格東北復興向けにインフラ更新が中長期で需要旺盛
上期業績は計画未達だが、原材料安取り込みに加え、中長
期で神経再生誘導チューブ「ナーブリッジ」の米国展開がポテンシャル
杭打ち問題の動向には留意が必要だが、東京外環道向けに
RCセグメントの成長性などを織り込む段階へ
主力商品はパンチなど金型部品で自動車や電子部品向け比重
が高い。中国がリスク要因だが、国内設備投資増が追い風
トヨタ系軸受けメーカー。足元は中国向け出荷減あるが、バキュームポ
に。
ンプやガスケットなどエンジン部品がトヨタ新興国戦略車向けに拡大
三菱系リース大手。航空機エンジンリースやコンテナ会社の子会社化が寄
与。環境エネルギーや医療・介護分野にも注力
路線トラックで業界トップ。運賃引き上げ交渉が進展。国際物流
を強化。配当性向30%めどなど株主還元に前向き
家電量販店首位。自社競合店の閉鎖、人員配置の効率化な
0.84
13.1
2.66
90
9831
(100)
ど店舗戦略の見直しが寄与。八重洲新店など駅前強化
(注)予想PER、予想利回り、予想増益率は今期の日経予想で計算、PBRは前期実績で計算、予想利回りは予想配当利回りの略
(出所)CAM作成