【目的】シード系のスパイスは、シード自体を粉砕する際に独特の 良い香り

クミンシードを粉砕する際に発生する香り立ちの計測
(S&B 食 品 (株 ),2 (株 )バイオクロマト,3 エ ー エ ム ア ー ル ( 株 )
4 (株 )島 津 製 作 所 )
○佐 川 岳 人 1,西 口 隆 夫 2,竹 井 千 香 子 2,坂 倉 幹 始 3,塩 田 晃 久
3
,松 本 恵 子
4
,渡 辺 淳
4
【目 的 】シード系 のスパイスは、シード自 体 を粉 砕 する際 に独 特 の
良 い香 りを放 ち、すでにパウダー化 されたスパイスの香 気 と異 なるこ
とは経 験 的 に認 識 されている。しかしながら、この香 り立 ちの現 象 は
数 秒 間 という短 時 間 で認 識 される現 象 であるため、GC/MS など既
存 の分 析 機 器 を用 いてその現 象 をリアルアイムで捉 えることは非 常
に困 難 であった。そこで本 研 究 では、1秒 以 下 の単 位 で計 測 が可
能 な D A RT ( D i r e c t a n a l y s i s i n r e a l t i m e ) – M S シ ス テ ム を 利 用 し
て、クミンシードの香 り立 ちというフレーバーリリース現 象 を秒 以 下 の
時 間 分 解 能 でリアルタイム分 析 を行 うことを目 的 とした。
【方 法 】質 量 分 析 装 置 には LCMS-8030(島 津 製 作 所 )を、イオン
源 に は D A RT- S V P ( イ オ ン セ ン ス 社 ) を 用 い た 。 揮 発 性 成 分 分 析 用
デ バ イ ス Vo l a t i m e s h i p ( バ イ オ ク ロ マ ト 社 ) を イ オ ン 源 と 質 量 分 析
装 置 の間 に接 続 した。揮 発 性 成 分 分 析 用 デバイスに送 り込 まれる
キャリアガス(窒 素 )の経 路 のテフロンチューブの中 に測 定 対 象 のク
ミンシードを入 れて固 定 し、テフロンチューブの上 からクミンシードを
粉 砕 することで揮 発 性 成 分 を放 散 させ、前 述 のキャリアガスにより
揮 発 性 成 分 を D A RT イ オ ン 化 部 に 送 り 込 ん で イ オ ン 化 さ せ 、 質 量
分 析 計 に導 入 することで分 析 を行 った。質 量 分 析 装 置 での検 出 は、
ポジティブ、ネガティブのフルスキャンのほか、クミン由 来 の揮 発 性
成 分 を信 頼 性 高 く同 定 するために複 数 チャンネルでの MRM を、1
サイクル 1 秒 以 下 のデータポイント間 隔 で行 った。
【結 果 】クミンシードを粉 砕 後 10 秒 以 内 という短 時 間 に生 じる揮 発
性 成 分 の放 散 挙 動 の状 態 変 化 を、秒 単 位 の時 間 分 解 能 でリアル
タイムに確 認 することができた。また、揮 発 性 成 分 間 で放 散 挙 動 に
違 いがあることも観 測 することができた。さらに、MRM 条 件 の更 なる
最 適 化 により、ミリ秒 単 位 での計 測 も可 能 になることも示 唆 された。
公益社団法人
日本食品科学工学会
第 62 回大会要旨