さぴあ

さぴあ
ヨ コ の ヒ ン ト
(2016年1月)
タ
テ
の
ヒ
ン
ト
前月号の解答と解説
クイズです。「小春日和」とは、いつごろの、どんな日和、つまり天気のことでしょうか。「小
春」ということばから、「春先のころの、穏やかで暖かな天気」を想像するかもしれません。
しかし、「穏やかで暖かな天気」はそのとおりですが、その時期は「初冬のころ」。厳しい冬
を前に現れる温和な天気を喜んだことばです。
このように、日本語には、その意味が間違って理解されていることばや慣用句が少なくあ
りません。文化庁では、毎年、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、そ
の結果を「国語に関する世論調査」としてまとめています。2015 年 9 月に発表された 2014
年度版によると、「小春日和」について、「春先のころ」か「初冬のころ」か、あるいは「そ
の両方か」などと択一式で尋ねたところ、正しく「初冬のころ」を選んだ人は 51.7%。かろ
うじて過半数に達していますが、16 ∼ 19 歳の若者に絞ると 27.1% と 3 割に満たず、3 人に
2 人(66.1%)が「春先のころ」を選びました。また、「枯れ木も山のにぎわい」について、
正しく「つまらないものでも、無いよりはまし」と理解している人は、16 ∼ 19 歳では
37.3%。45.8% は「人が集まればにぎやかになる」という意味だと誤解しています。
調査では、同じことばでも、世代によって使い方が異なることばがあることも報告してい
ます。たとえば「やばい」。多くの大人は「危ない、良くない」という意味で使いますが、16
∼ 19 歳の若者の 91.5% が「とてもすばらしい」という意味で使うことがあると答えています。
また、若者が「面倒だ、うっとうしい」という意味で使う「うざい」については、60 代、70
代で使っている人はそれぞれ 4.7%、1.1% しかいません。
ことばは時がたつにつれて、使い方が変わってくるもの。でも、「小春日和」などの正しい
意味は理解しておきたいところですね。