今週の日米株式ストラテジー

2015.4.17
今週の日米株式ストラテジー
∼東証1部の時価総額が過去最高を更新するのは時間の問題だろう∼
図表① 日経平均とNYダウ
先週月曜日(4/13)の東京市場では日経平均が 2 ∼4/16 の NY ダウは 6 ドル安と小幅に反落した∼
先週の日経平均は20000円を前に足踏み
20700
円安と小幅に続落した。前週末(4/10)の米国市場 20000
(左軸)
(ドル)
(円)
日経平均と200日移動平均
では NY ダウが 98 ドル高と続伸し、約 2 週間ぶり
↓
19700
18200
4/16まで
に 18000 ドル台を回復したが、同日の日経平均が一
時 20000 円台を回復した達成感から、週明けの東京 16400
18700
市場では利益確定売りが優勢となった。一方、月曜
17700
日の米国市場では翌日から本格化する主要企業の 14600
1-3 月期の決算発表を前に積極的な買いが手控えら
16700
↑
れ、NY ダウが 80 ドル安と 4 日ぶりに反落したが、 12800
NYダウと200日移動平均
(右軸)
翌火曜日(4/14)の東京市場では相場の先高観から
15700
11000
買いが優勢となり、日経平均は 3 円高と 3 日ぶりに
14/4/17 6/16
8/12
10/8
12/4 15/2/3 4/1
小反発した。その後、火曜日の米国市場では原油先 出所 大和証券投資戦略部で取りまとめ
物相場が上昇したことや JP モルガン・チェースの
1-3 月期決算が市場予想を上回ったことなどが好感 図表② IMFによる経済成長率の見通し
され、NY ダウが 59 ドル高と反発したが、翌水曜日 ∼IMFは米国の 2015 年の成長率見通しを今年
(4/15)の東京市場では利益確定売りが優勢となり、1月時点の見通しから 0.5 ポイント引き下げた∼
日経平均は 38 円安と小幅に反落した。しかし、水
実績
見通し
曜日の米国市場でインテルの 1-3 月期決算が増益と
2013年 2014年 2015年 (改定幅) 2016年 (改定幅)
世界全体
3.4
3.4
3.5
(0.0)
3.8
(+0.1)
なったことや原油先物相場の上昇が続いたことな
2.2
2.4
3.1
(-0.5)
3.1
(-0.2)
どが好感され、NY ダウが 75 ドル高と続伸すると、 ア メ リ カ
0.9
1.5
(+0.3)
1.6
(+0.2)
翌木曜日(4/16)の東京市場では投資家心理が改善 ユ ー ロ ▲0.5
日
本
1.6
▲0.1
1.0
(+0.4)
1.2
(+0.4)
し、日経平均は 16 円高と小幅に反発した。
米国市場では冴えない決算発表が続く可能性
IMF は先週公表した世界経済見通しで、米国の
2015 年の成長率見通しを 3.1%と今年 1 月時点の見
通しから 0.5 ポイント引き下げた。その要因として、
安定的な雇用回復やガソリン安にもかかわらず個
人消費が想定ほど伸びないこと、原油安でエネルギ
ー関連の投資が減少すること、ドル高が輸出を圧迫
することなどが挙げられた。一方、FRB が先週発表
した地区連銀経済報告によると、米景気全般につい
ては「ほとんどの地域で拡大が続いた」との総括判
断を示し、前回 3 月の判断をほぼ踏襲した。ただし、
「製造業の需要に対する見方はまちまちだった」と
指摘し、その背景として厳冬、ドル高、原油安の 3
つを挙げた。実際に、先週発表された米 3 月の小売
売上高は 4 カ月ぶりに増加したが、1-3 月期の売上
高合計は 2012 年 4-6 月期以来初めて前期比で減少
した。また、先週発表された 3 月の鉱工業生産指数
は予想以上に低下し、頭打ち感が高まった。
今週の米国市場では経済指標の発表は少なく、企
ロ シ ア
1.3
0.6
▲3.8
(-0.8)
▲1.1
(-0.1)
中
国
7.8
7.4
6.8
(0.0)
6.3
(0.0)
イ ン ド
6.9
7.2
7.5
(1.2)
7.5
(+1.0)
ブ ラジ ル
2.7
0.1 ▲1.0
(-1.3)
1.0
(-0.5)
単位は%、改定幅(単位はポイント)は2015年1月予想との比較
出所
IMF
図表③ 米国の設備稼働率と鉱工業生産指数
∼3月の鉱工業生産指数は予想以上に低下し、頭
打ち感が強まった∼
85
(%)
米国の設備稼働率(左軸)
米国の鉱工業生産指数(右軸)
15/3まで
80
109
102
75
95
リーマン・ショック→
70
88
(2007年=100)
65
2005 06
出所
81
07
08
09
10
11
12
13
14
15
FRB
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
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図表④
米 S&P500 社の増益率と決算発表サプライズ
業の 1-3 月期の決算発表が続くが、個人消費の減速、
∼個人消費の減速、ドル高、原油安の影響を受け
ドル高、原油安の影響を受けやすい企業を中心に冴
やすい企業の決算は冴えない可能性∼
えない決算発表が続く可能性に注意が必要だろう。
米S&P500社のEPS前年同期比(左軸)
12
79
(%)
欧州株や日本株の先高観は強いと考えられる
バンクオブアメリカ・メリルリンチが先週発表し
た 4 月の機関投資家調査によると、株式と債券の価
格がどちらも「過大評価されている」と答えた投資
家の割合から「過小評価されている」と答えた投資
家の割合を差し引いた値が 54%と 12 年ぶりの高水
準となった。ただし、地域別に見ると、差し引き 68%
の投資家が世界で米国株が「最も過大評価されてい
る」と答えた一方、欧州株や日本株については「過
小評価されている」との回答が多かったという。
機関投資家が米国株を世界で「最も過大評価され
ている」と判断した理由は、前段で述べたように米
国の景気や企業業績が 1-3 月期に失速した可能性が
高いことだろう。4-6 月期以降の景気や企業業績が
回復する可能性が高まれば NY ダウは再び過去最高
値を更新する展開となろうが、それは早くても企業
の 1-3 月期の決算発表が一巡し、1-3 月期の GDP 統
計が発表される来週水曜日(4/29)以降と見ている。
IMF が先週公表した世界経済見通しでは、米国と
は対照的に日本とユーロ圏の 2015 年の成長率見通
しが今年 1 月時点の見通しから引き上げられた。金
融緩和や原油安に加えてドル高(円安・ユーロ安)
の効果が日欧の成長率を押し上げるとの見方であ
る。バンクオブアメリカ・メリルリンチが先週発表
した機関投資家調査で米国株に対する見方と欧州
株や日本株に対する見方が明暗分かれたことから
も、欧州株や日本株の先高観は強いと考えられる。
東京市場では東証 1 部の時価総額が 1989 年末の
過去最高水準に接近している。日本企業が日本版ス
チュワードシップ・コードやコーポレートガバナン
ス・コードの導入を背景に企業価値の最大化に動き
始めたとすれば、企業価値を示す時価総額が過去最
高を更新するのは時間の問題だろう。一方、1990
年代以降、名目 GDP の水準から示唆される中立水
準(以下「中立水準」)で何度も跳ね返された TOPIX
は、再び「中立水準」に接近している。デフレ脱却
によって名目 GDP のトレンドが上向きに転じると
の見方が強まれば、今回は TOPIX が「中立水準」
で跳ね返されることはないと考えられる。
(野間口)
4/16までに決算発表を
終えた54社ベース
ポジティブ・サプライズ比率(右軸)
(%)
↓
76
8
73
4
70
0
67
ポジティブ・サプライズ比率とは
EPSがアナリスト予想を上回った社数の比率
▲4
2012
出所
13
←ー予想ー→
14
64
15
トムソン・ロイター、ブルームバーグ
図表⑤ 日経平均と東証1部の時価総額
∼東証1部の時価総額は過去最高水準に接近∼
670
47000
日経平均(左軸)
(円)
←1989/12末
39000
東証1部の時価総額(右軸)
直近値以外は月末値
2015/4/16→
(兆円)
570
31000
470
23000
370
15000
270
7000
1986
出所
170
90
94
98
2002
06
10
14
日本経済新 聞社、東京証券取引所
図表⑥ 日本の名目GDPとTOPIX
∼TOPIXは名目GDPの水準から示唆され
る中立水準に接近∼
10000
(名目GDPの単位は1000億円) 名目GDP(季節調整値)は2014年10-12月期まで
TOPIXは直近値(15/4/16)以外は四半期末値
A=名目GDPの8か月分
B= 〃 4カ月分
C= 〃
2カ月分
TOPIX
1000
100
A→
B→
C→
10
1955
出所
61
67
73
79
85
91
97
2003
09
15
内閣府、東京証券取引所
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-2/3-
お取引にあたっての手数料等およびリスクについて
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「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で
国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最大 1.24200%(但し、最低 2,700 円)の委託手数料
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一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
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大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループ
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第一カッター興業(1716) 北弘電社(1734) テノックス(1905) アコーディア・ゴルフ(2131) フルスピード(2159) エイジア(2352) ア
ルコニックス(3036) ソリトンシステムズ(3040) サムティ(3244) サンセイランディック(3277) 星野リゾート・リート投資法人(3287)
日本ヘルスケア投資(3308) クリヤマホールディングス(3355) ケー・エフ・シー(3420) サンコーテクノ(3435) トーセイ・リート投資
法人(3451) テックファーム(3625) エムアップ(3661) モブキャスト(3664) アバント(3836) 関東電化工業(4047) 第一稀元素化学
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エー・エス・ビー機械(6284) 日精樹脂工業(6293) オカダアイヨン(6294) 加藤製作所(6390) 兼松エンジニアリング(6402)
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【主幹事を担当した会社について】
大和証券は、平成 26 年 4 月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。
日本M&Aセンター(2127) リンクアンドモチベーション(2170) 北の達人コーポレーション(2930) アークランドサービス(3085) ブ
ロンコビリー(3091) 鳥貴族(3193) ホットランド(3196) 大和ハウスリート投資法人(3263) アクティビア・プロパティーズ投資法人
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MOリサーチ(3695) 大王製紙(3880) クラウドワークス(3900) カヤック(3904) データセクション(3905) テラスカイ(3915) 竹本
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