今週の日米株式ストラテジー

2015.2.27
今週の日米株式ストラテジー
∼米国株の上値が重くても、日経平均は3月末に向けて2万円に接近か∼
図表① 日経平均と東証1部の騰落レシオ
先週月曜日(2/23)の東京市場では日経平均が 134 ∼2/26 の騰落レシオは「買われすぎ」の水準に∼
2/26 の日経平均は約 15 年ぶりの高値を更新
円高と 4 日続伸し、ほぼ 15 年ぶりの高値を連日で
更新した。前週末(2/20)のユーロ圏財務相会合で
ギリシャへの金融支援を 4 カ月間延長することで合
意したことが好感され、同日の NY ダウが 154 ドル
高と 3 日ぶりに反発し、約 2 カ月ぶりに過去最高値
を更新したことから、週明けの東京市場でも買いが
優勢となった。一方、月曜日の米国市場では原油先
物相場の下落が嫌気され、NY ダウが 23 ドル安と反
落したが、翌火曜日(2/24)の東京市場では日本株
の先高期待が根強く、日経平均は 136 円高と 5 日続
伸し、ほぼ 15 年ぶりの高値を連日で更新した。そ
の後、火曜日の米国市場ではイエレン FRB 議長の
議会証言を受けて買い安心感が広がり、NY ダウが
92 ドル高と反発して 2 日ぶりに過去最高値を更新
したが、翌水曜日(2/25)の東京市場では短期的な
過熱感が警戒されて利益確定売りが優勢となり、日
経平均は 18 円安と小幅ながら 6 日ぶりに反落した。
しかし、水曜日の米国市場で NY ダウが 15 ドル高
と小幅ながら続伸し、連日で過去最高値を更新する
と、翌木曜日(2/26)の日経平均は 200 円高と反発
し、ほぼ 15 年ぶりの高値を 2 日ぶりに更新した。
ドル高・原油安が米国株高を阻む可能性も
今週の米国市場では月曜日(3/2)に発表される 1
月の個人消費支出及び 2 月の ISM 製造業景況感指
数、火曜日(3/3)に発表される 2 月の新車販売台
数、水曜日(3/4)に発表される 2 月の ADP 雇用統
計及び ISM 非製造業景況感指数などが注目される。
1 月の個人消費支出(名目ベース)は前月比 0.1%減
と予想されているが、個人消費支出デフレーターが
同 0.5%減と予想されていることから、実質ベース
の個人消費支出は 2 カ月ぶりに増加する可能性が高
い。これは、2 月の新車販売台数が前月比で 3 カ月
ぶりに増加すると予想されていることと合わせて、
ガソリン価格の低下によって米国の個人消費が刺
激されていることを示す指標として、株式市場で好
感される可能性があろう。一方、2 月の ISM 景況感
指数は製造業・非製造業とも前月比で小幅に低下す
ると予想されており、多くを期待できない。
先週の米国市場で NY ダウが連日で過去最高値を
更新した背景は、イエレン FRB 議長が議会証言で
300
19500
(円)
騰落レシオ(%)=値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数X100
260 18000
(左軸)日経平均及び25日移動平均→
2/26まで
220
16500
東証1部の騰落レシオ
(25日移動平均:右軸)
↓
15000
180
(%)
13500
140
12000
100
60
10500
14/2/27 4/25
出所
6/25
8/21
10/21
12/18 15/2/20
大和証券投資戦略部で取りまとめ
図表② 米ナスダック指数とNYダウ
∼2/26 のナスダック指数は反発し、2000 年 3 月
以来、ほぼ 15 年ぶりの高値を付けた∼
19500
5000
(ポイント)
4500
(ドル)
(左軸)
ナスダック指数と
200日移動平均
↓
2/26まで
18500
4000
17500
3500
3000
14/2/27 4/25
出所
16500
↑
NYダウと
200日移動平均
(右軸)
15500
6/23
8/19
10/15
12/11 15/2/10
大和証券投資戦略部で取りまとめ
図表③ 米国の個人消費支出
∼1 月の個人消費支出は名目ベースで減少すると予
想されているが、実質ベースでは増加する可能性∼
12.5
(兆$)
12.0
14/12まで
名目ベースの個人消費支出
実質 〃
11.5
11.0
10.5
15/1の個人消費支出は
3/2(月)発表
10.0
9.5
2008/1 09/1
出所
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
米商務省
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
-1/3-
早期の利上げに慎重姿勢を示したと受け止められ
たことである。ただし、FRB の量的緩和が昨年 10
月末で終了した以上、米国株式相場は金融相場から
業績相場へ移行したとすれば、今後も米国株高が続
くためには企業業績の堅調さが必要不可欠と考え
られる。米主要企業の 2014 年 10-12 月期決算では
ドル高・原油安を背景にグローバル企業やエネルギ
ー関連企業の業績不振が目立ったが、ドル高・原油
安が続けば 4 月に発表される 2015 年 1-3 月期決算
についても同じ状況を想定する必要があろう。
原油相場については、米石油サービス大手、ベー
カー・ヒューズが 2/20 に発表した北米の原油掘削
リグは 12 週連続で減少し、2010 年 1 月以来ほぼ 5
年 1 カ月ぶりの水準に低下した。しかし、米エネル
ギー情報局(EIA)が先週発表した在庫統計では原
油在庫が 7 週連続で増加し、EIA によるデータが取
得可能な 1982 年 8 月以降の最高水準を 5 週連続で
更新した。原油掘削リグの稼動数はシェールオイル
の生産動向を探る指標として注目されているが、こ
れまでのところ稼動数の減少が原油在庫の減少に
つながっていない。その理由は諸説あるが、いずれ
にしてもリグの稼動減が原油の在庫減につながる
には今後最短でも 2∼3 カ月は要する可能性がある。
その場合、原油相場と逆相関にあるドル相場も高止
まりする可能性が高く、原油安・ドル高が企業業績
の重石となることによって、目先は米国株式相場の
上値が重くなる可能性もあると見ている。
日経平均は3月末に向けて2万円に接近か
図表④ 米国の原油在庫と原油掘削リグの稼動数
∼これまでのところ原油掘削リグの稼動数減少
が原油在庫の減少につながっていない∼
1700
OPEC
総会
↓
米国の原油掘削リグの稼動数(左軸)
〃 原油在庫(右軸)
15/2/20
4.4
(億バレル)
1560
4.2
1420
4.0
1280
3.8
1140
3.6
1000
2012/3
出所
←15/2/20
12/8
13/3
13/8
14/2
14/8
3.4
15/2
ベーカー・ヒューズ、米エネルギー情報局
図表⑤ NY原油先物相場とドル指数先物相場
∼2/26 のドル指数先物価格は 2003 年 9 月以来の
高値に達した∼
115
77
(ドル/バレル)
NY原油先物価格(左軸)
ドル指数先物(右軸) 2/26まで
100
原油高・ドル安
↑
↓
原油安・ドル高
85
81
85
70
89
55
93
40
14/2/27
出所
97
4/25
6/23
8/19
10/15
12/11 15/2/10
ニューヨーク・マーカンタイル取引所、インターコンチネンタル取引所
先週発表された 1 月の消費者物価統計では、生鮮
食品を除く物価上昇率が前年比 2.2%で、増税の影 図表⑥ 日本の消費者物価と現金給与総額
響を除くと 0.2%にとどまった。増税の影響がなく ∼原油安が実質賃金の回復に寄与する可能性∼
日本の消費者物価
4
(前年比:%)
なる 4 月以降も原油安が続くとすれば、今春の労使
〃 (消費税除く)
〃 現金給与総額
←15/1
2
交渉で昨年実績を上回るベースアップが実現する
←14/12
可能性と合わせて、実質賃金がプラスに転じる時期
←15/1
0
は近いと考えられる。実質賃金の回復は個人消費や
▲2
鉱工業生産の回復に寄与する可能性が高く、今後の
15/1の現金給与総額は
3/3(火)発表
東京市場では日本の景気回復を期待する海外投資
▲4
家の株買いが一段と増加すると見ている。需給面で
消費者物価は生鮮食品を除く
▲6
現金給与総額は全産業平均
は公的年金の買いが着実に続く可能性が高いこと
も考慮すれば、日経平均は(たとえ円安が大きく進
▲8
2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
まず、米国株式相場の上値が重くても)3 月末に向
けて 20000 円に接近する可能性もあろう。
(野間口) 出所 総務省、日本銀行、厚生労働省
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
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-2/3-
お取引にあたっての手数料等およびリスクについて
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「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で
国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最大 1.24200%(但し、最低 2,700 円)の委託手数料
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前交付書面、目論見書、等をよくお読みください。
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商号等 :大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第108号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【保有株式等について】
大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループ
が、株式等を合計 5%超保有しているとして大量保有報告を行っている会社は以下の通りです。(平成 27 年 2 月 13 日現在)
第一カッター興業(1716) 北弘電社(1734) 大豊建設(1822) テノックス(1905) アコーディア・ゴルフ(2131) フルスピード(2159) エ
イジア(2352) アルコニックス(3036) ソリトンシステムズ(3040) サンセイランディック(3277) 星野リゾート・リート投資法人(3287)
日本ヘルスケア投資(3308) クリヤマホールディングス(3355) ケー・エフ・シー(3420) サンコーテクノ(3435) トーセイ・リート投資
法人(3451) パピレス(3641) モブキャスト(3664) アバント(3836) 第一稀元素化学工業(4082) セプテーニ・ホールディングス
(4293) ラクオリア創薬(4579) 中国塗料(4617) MORESCO(5018) 相模ゴム工業(5194) 有沢製作所(5208) ノザワ(5237) 中山製鋼所
(5408) 東京鐵鋼(5445) 新報国製鉄(5542) テクノプロ・ホールディングス(6028) ライドオン・エクスプレス(6082) 日進工具(6157)
レオン自動機(6272) 日精エー・エス・ビー機械(6284) 日精樹脂工業(6293) オカダアイヨン(6294) 加藤製作所(6390) 兼松エンジニ
アリング(6402) 福島工業(6420) JUKI(6440) 三相電機(6518) ダブル・スコープ(6619) SEMITEC(6626) 寺崎電気産業(6637) 戸上
電機製作所(6643) スミダコーポレーション(6817) 京写(6837) 山一電機(6941) 芝浦電子(6957) アストマックス(7162) ノジマ
(7419) 大興電子通信(8023) マネースクウェア HD(8728) マネーパートナーズ(8732) シノケングループ(8909) 大和証券オフィス投
資法人(8976) 日本賃貸住宅(8986) ファーストエスコ(9514) セレスポ(9625) 帝国ホテル(9708) 丸紅建材リース(9763) パーカー
コーポレーション(9845) バイテック(9957)(銘柄コード順)
【主幹事を担当した会社について】
大和証券は、平成 26 年 2 月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。
ミクシィ(2121) 日本M&Aセンター(2127) リンクアンドモチベーション(2170) 東京エレクトロンデバイス(2760) 北の達人コーポ
レーション(2930) アークランドサービス(3085) ブロンコビリー(3091) 鳥貴族(3193) ホットランド(3196) 大和ハウスリート投資
法人(3263) アクティビア・プロパティーズ投資法人(3279) イオンリート投資法人(3292) ヒューリックリート投資法人(3295) 日本ヘ
ルスケア投資法人(3308) トリドール(3397) トーセイ・リート投資法人(3451) ケネディクス商業リート投資法人(3453) コロプラ
(3668) リアルワールド(3691) オプティム(3694) GMOリサーチ(3695) 大王製紙(3880) クラウドワークス(3900) カヤック
(3904) データセクション(3905) 竹本容器(4248) クイック(4318) ダイト(4577) リボミック(4591) 日本エンタープライズ(4829)
OATアグリオ(4979) 神戸製鋼所(5406) GMO TECH(6026) アドベンチャー(6030) インターワークス(6032) エクストリーム
(6033) MRT(6034) ファーストロジック(6037) エスクロー・エージェント・ジャパン(6093) レアジョブ(6096) 日本ビューホテル
(6097) パンチ工業(6165) イマジカ・ロボット ホールディングス(6879) FPG(7148) 盟和産業(7284) 菊水化学工業(7953) 長野
銀行(8521) 三井不動産(8801) 東祥(8920) 日本ビルファンド投資法人(8951) オリックス不動産投資法人(8954) ユナイテッド・アー
バン投資法人(8960) 平和不動産リート投資法人(8966) 大和証券オフィス投資法人(8976) ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)
U−NEXT(9418) アルファポリス(9467) 広島ガス(9535)(銘柄コード順)
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-3/3-