(MC)、マシンガイダンス(MG)[PDF:8685KB]

マシンコントロール (MC)
マシンガイダンス (MG)
株式会社 ニコン・トリンブル
鈴木 勇治
情報化施工委員会、情報化施工研修WG、復興支援WG、Q&A WG
情報化施工普及促進委員会 各委員 ((一社)日本建設機械施工協会主催)
情報化施工デジタルガイドブック作成委員会 委員 (JCMA中部支部主催)
情報化施工技術委員会 委員長 (JCMA東北支部主催)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
MCとMGの概要
3DMCと3DMGの測位
三次元設計データ
3DMC/3DMGの運用手順
MC・MGの効果的な利用
MC・MGの導入効果
2
1.MCとMGの概要
●マシンコントロール(MC)
三次元マシンコントロール(3DMC)
二次元マシンコントロール(2DMC)
●マシンガイダンス(MG)
三次元マシンガイダンス(3DMG)
二次元マシンガイダンス(2DMG)
3
1.MCとMGの概要《三次元マシンコントロール:3DMC》
3DMCは、MC専用重機に三次元設計データを搭載し、自動追尾TSまたは、GNSS測位
にて計測した重機の位置に対する設計高さや横断勾配の設計情報を求めて、この情報を
基に排土板等を自動的に制御するものである。
位置情報
位置情報+補正情報
=建機の三次元位置情報
補正情報
位置情報
建機位置の設計情報
制御情報⇒自動制御
移動局
基準局
高さ、勾配を自動制御
設計データに従って
高さ、勾配を自動制御
4
1.MCとMGの概要《三次元マシンガイダンス:3DMG》
3DMGは、MG搭載重機に三次元設計データを搭載し、自動追尾TSまたは、GNSS測位
にて計測した重機の位置に対する設計情報を求めて、この情報をコントローラのモニタ
に表示するもので、オペレータはモニタを確認しながら手動で操作を行う。
ガイダンスモニタを
見ながら建機を操作
5
1.MCとMGの概要《二次元マシンコントロール:2DMC》
2DMCは、回転レーザから照射されるレーザ補足する受光器を取り付けた重機が、
レーザ面を自動的に捕捉するため、重機を走行することでこのレーザ面に平行な面
が自動的に施工されるものである。
車載のレーザ受光器がレーザ面を捉えて
重機の傾きに影響されすに一定の位置をキープするため
レーザ面に従った仕上り面が施工できる
回転レーザ
レーザ受光器
6
1.MCとMGの概要《二次元マシンガイダンス:2DMG》
2DMGは、特定の断面、あるいは高さに対するガイダンスで、三次元の様に平面
位置を基準にするものではなく、特定の位置に対するガイダンスである。
①回転レーザを基準とする場合
回転レーザを基準とする2D-MGは、重機に取り付けたレーザ受光器で回転レーザか
ら照査されるレーザを受け、この時の高さを基準として、あらかじめ設定した掘削
深さや勾配をコントローラのモニタに表示するものである。
7
1.MCとMGの概要《二次元マシンガイダンス:2DMG》
②バケット位置を基準とする場合
バケット位置を基準とする2D-MGは、基準となる位置にバケットを合わせて基
準位置のセットを実行して、この時の高さや位置を基準として、あらかじめ設定
した掘削深さや勾配をコントローラのモニタに表示するものである。
8
1.MCとMGの概要《二次元マシンガイダンス:2DMG》
●三次元と二次元の比較
三次元ガイダンス(3DMG)
平面表示
断面表示
二次元ガイダンス(2DMG)
平面表示
断面表示
表示なし
3DMGは設計データの絶対座標位置を
基本とするので、設計データ上でバッ
クホウの位置が移動する
バケット位置基本とした場合の2DMG
は、基本位置をセットしたバックホウの
姿勢に対する相対座標位置を基本と
するので、バックホウの移動や旋回情
報は考慮できない。
9
1.MCとMGの概要《二次元マシンガイダンス:2DMG》
●三次元と二次元の比較
三次元ガイダンス(3DMG)
平面表示
断面表示
二次元ガイダンス(2DMG)
平面表示
断面表示
表示なし
バックホウが位置を変えない(移動、旋回しない)場合には、設計データに対してガイ
ダンスを行う
10
1.MCとMGの概要《二次元マシンガイダンス:2DMG》
●三次元と二次元の比較
三次元ガイダンス(3DMG)
平面表示
断面表示
二次元ガイダンス(2DMG)
平面表示
断面表示
表示なし
三次元は測位を受けているので位置
を自由に変えることが可能
二次元の場合は、最初に決定した原
点位置とバックホウとの位置関係に基
づくので、移動すると原点位置も同様
に移動する。
11
1.MCとMGの概要《機器構成(3DMC,3DMG)》
<3DMCブルドーザ>
<3DMGバックホウ>
12
2.3DMCと3DMGの測位
13
2.3DMCと3DMGの測位《三次元測位》
自動追尾TS
基地局と移動局とが一対の関係
モータ駆動のTSが、建設
機械に取付けたターゲットを
自動的に測量して、建設機
械の位置座標を取得する
移動局
RTK-GNSS
基地局
基地局一つに対して、複数の移動局が利用可能
人工衛星からの電波を捉
えて、地球上の位置座標へ
変換して、建設機械の位置
座標を取得する
移動局
基地局
14
2.3DMCと3DMGの測位《RTK-GNSS》
RTK-GNSS測位は、座標既知点に設置して衛星測位を実施する基準局と、移動しながら
衛星測位を実施する移動局の2つの局で構成され、双方の局で人工衛星の信号を解析す
ると同時に、基準局から移動局へ「補正情報」と呼ばれるデータを送ることで、移動局
での衛星測位精度を向上させるものである。
衛星測位
衛星測位
補正情報
衛生測位に
基準局からの補正データを
合わせて解析することで
移動局の位置解析精度が向上する
基準局(固定)
移動局(計測位置)
15
2.3DMCと3DMGの測位《VRS(ネットワーク型RTK-GNSS)》
VRSは、ネットワーク型RTK-GNSS測位手法のひとつで、現場に基準局を設置する代わ
りに、計測位置を包括する周辺の位置にある電子基準点の情報を活用して、移動局の付
近に基準局があるものと仮定し、この仮想基準局が求める補正データを、携帯電話回線
等を介して移動局に送るシステムである。
VRSの利用は、データ配信事業者からのサービスを受けることで利用可能となる。
16
2.3DMCと3DMGの測位《TS/GNSS測位の特徴》
TSの視通範囲内のみ
天候に左右される
トンネル、高架橋下
でも利用可
精度:パチンコ玉大
基本的には
天候に左右されない
トンネル、高架橋下
利用不可
精度:鶏の卵大
TS測位
TSと移動局は一対
基準局からの
無線包括範囲内
GNSS測位
移動局は複数利用可
17
2.3DMCと3DMGの測位《RTK-GNSS測位の特徴》
RTK-GNSS測位は基準局1基で複数の移動局が利用でき、通常の天候には左右されない。
測位解析が成立するには、データ初期化時に5衛星、測位時に4衛星以上の信号を受けるこ
とが必要で、解析結果が要求精度を満足した時は「FIX」、要求精度を満足しないまたは解
析が成立しない場合は「FLOAT」と表示され情報化機器の利用は不可能である。
FIX(早期解析が良好な状態)
FLOAT(測位解析が不可な状態)
・上空に障害物があり
衛星電波が受信できない
・不安定な信号を持つ
衛星電波を受信している
・ 衛星数が不足している
・衛星電波の反射波を取得
している(マルチパス)
・ 衛星の配置が悪い
・基準局からの
補正データが受信できない
18
2.3DMCと3DMGの測位《RTK-GNSS測位の特徴》
●RTK-GNSS測位が成立しない条件(FLOAT)
・上空の障害物等により衛星が捕捉できない。
・建造物やがけ面が近接していて、反射した衛星信号を受信してしまう(マルチパス)
・無線通信障害が発生しやすい場所(RTK-GNSS基準局からの無線が受信できない)
・衛星数が多すぎて補正情報量を送りきれない
・上空の視界が狭い場所(受信する衛星数が少ない、衛星配置が良くない、等)
トンネル、高架橋の下
上空視界が狭い場合
送電線等の下は衛星電波が
安定しない場合がある
無線通信障害発生の
可能性がある場合
建造物やがけ面があり衛星電波が
反射する場合(マルチパス)
同様のシステムがすでに稼働
していて無線が重複する場合
衛星数が多すぎると補正情報
を送りきれない(補正情報が多すぎる)
19
3.三次元設計データ
(3DMC,3DMGに搭載する設計データ)
20
3.三次元設計データ《データ作成方法の種類》
線形データ (路線データ)
TINデータ
中心線形が設定されている道路、築堤などで、
設計図書を三次元データ化する手法。
(線形データ、路線データ、アライメントデータ等
と呼ばれる)
構造物の立体形状変化点の三次元座標から
三次元データ化する手法。
MC、MG、基本設計データに適用
MC、MG用データに適用
21
3.三次元設計データ《線形データ作成手順 ①平面線形》
No.-1
( B P)
N o .0
N o .1
N o .2
N o .3
( N o. 3 + 7 . 0 0 )
BC
No
.7
No
.6
No.
IP
No.4
5
平面図(平面要素)
No
.8
.9
No.
10
EC
(No
.9+
9.5
)
R=∞
No
No.
11
No.
10+
9.5
(EP
)
No.
12
EP
平面図から、中心線形の以下の情報を読み
取り、線形の要素ごとに入力
・データ作成始点のX,Y座標
・線形方向(方位角)
・線形形状(直線、曲線)
・曲線要素(半径、パラメータ)
・線形要素の区間長
Z
X
BP
Y
22
曲 線
片勾配
-4. 0%
10.0 00
10.0 00
No.9
No.1 0
10.0 00
90. 000
10.0 00
No.8
110. 000
17 3.3 1
17 3.4 5
17 3.4 1
17 3.5 5
17 3.5 9
17 3.6 7
1 74.1 15
1 74.1 15
1 74.1 15
1 74.3 15
1 74.5 15
1 74.6 15
1 74.7 15
1 74.8 15
1 74.9 15
1 74.9 15
1 74.9 15
1 74.9 15
計画高
1 74.9 15
勾 配
1 74.9 15
1 74.5 15
1 74.1 15
i=2.
00%
L= 2 0
.0 0 0
m
No.1 1
80. 000
10.0 00
No.7
17 3.7 6
17 3.8 1
17 3.9 1
17 4.0 1
17 3.9 9
17 4.1 2
地盤高
i = 1.
00%
L=40
.000
m
100. 000
70. 000
10.0 00
No.6
60. 000
50. 000
30. 000
20. 000
40. 000
-1.0%
10.0 00
+1. 0%
-1.0%
10.0 00
+1.0%
No.5
10.0 00
10.0 00
10. 000
0. 000
10.0 00
10.0 00
追 加距離
単距離
i=0.00%
L=30.000m
No.4
No.3
0.0%
No.2
No.1
No.0
測 点
i=0.00%
L=20.000m
1 74.1 15
3.三次元設計データ《線形データ作成手順 ②縦断線形》
縦断図(縦断要素)
175.000
170.000
R=50.000 m L=62.500m
+4.0%
0.0%
左側勾配
右側勾配
Z
X
Y
EP
縦断図から、中心線形に対する以下の情報
を読み取り入力
・縦断線形変化位置の測点
・縦断線形変化位置の設計標高
・緩和曲線長
BP
23
曲 線
片勾配
-4. 0%
10.0 00
10.0 00
No.9
No.1 0
10.0 00
90. 000
10.0 00
No.8
110. 000
17 3.3 1
17 3.4 5
17 3.4 1
17 3.5 5
17 3.5 9
17 3.6 7
1 74.1 15
1 74.1 15
1 74.1 15
1 74.3 15
1 74.5 15
1 74.6 15
1 74.7 15
1 74.8 15
1 74.9 15
1 74.9 15
1 74.9 15
1 74.9 15
計画高
1 74.9 15
勾 配
1 74.9 15
1 74.5 15
1 74.1 15
i=2.
00%
L= 2 0
.0 0 0
m
No.1 1
80. 000
10.0 00
No.7
17 3.7 6
17 3.8 1
17 3.9 1
17 4.0 1
17 3.9 9
17 4.1 2
地盤高
i = 1.
00%
L=40
.000
m
100. 000
70. 000
10.0 00
No.6
60. 000
50. 000
30. 000
20. 000
40. 000
-1.0%
10.0 00
+1. 0%
-1.0%
10.0 00
+1.0%
No.5
10.0 00
10.0 00
10. 000
0. 000
10.0 00
10.0 00
追 加距離
単距離
i=0.00%
L=30.000m
No.4
No.3
0.0%
No.2
No.1
No.0
測 点
i=0.00%
L=20.000m
1 74.1 15
3.三次元設計データ《線形データ作成手順 ②縦断線形》
縦断図
175.000
170.000
R=50.000 m L=62.500m
+4.0%
0.0%
左側勾配
右側勾配
Y
EP
Z
X
BP
24
3.三次元設計データ《線形データ作成手順 ③横断形状》
横断図(横断要素)
12.000m
6.000m
150
FH
0.0%
150
6.000m
EP
横断図から、幅員、法面形状等以下の情報
を読み取り入力
・幅員と横断勾配
・各法面の水平長さor垂直高さ
・各法面の勾配
・小段の幅と勾配
Z
X
BP
Y
25
3.三次元設計データ《線形データ作成手順 ③横断形状》
横断図(横断要素)
12.000m
6.000m
150
FH
0.0%
150
6.000m
EP
Z
平面、縦断、横断の各情報を入力すると、三
次元形状として認識するので、横断の途中
位置も自動的に求める。
X
BP
Y
26
3.三次元設計データ《線形データ 横断データについて》
横断データを設計図書に従って
正確に作る場合
全ての横断データを作成すると
共に、横断図に無い変化点デー
タが必要になる
類似する形状の横断を包括できるよ
うに、法面を延長した断面を設定す
ることで、変化点データを求める必
要がなく、効率化できる
27
3.三次元設計データ《データ確認》
設計法面を包括したデータが作成できたか、
設計図書と相違がないか、作成した三次元
データに平面CADを重ねて確認する。
28
《TINデータ作成手順》
TINデータ
1_3R
1_4R
1_2R
1_1R
1-0R
1-0R
.6
No.-1
No.0
No.1
No.2
.6
No.5
1_6R
No.3
1_5R
No.-1
No.0
No.1
No.2
No.
5
No.4
No.3
平面線形
No.4
3.三次元設計データ
No
No
1_7R
1_4L
1_2L
1_1L
1_0L
1-0R
.7
No
No
.7
1_3L
1_5L
1_6L
1_8R
1_7L
No
.8
No
.8
1_9R
1_8R
No
.9
No
.9
1_9L
1_10R
No.
10
No.
10
1_10L
1_11R
1_11L
No.
11
No.
1
1
1_12R
12
No.
1-0R
No.-1
1-0R
No.0
No.1
No.3
No.4
1_1R
.6
No.5
1_2R
No.2
1_3R
1_4R
1_5R
12
1_6R
No
1_7R
1_4L
1_3L
1_2L
1_1L
1_0L
1-0R
No.
メッシュデータ
1_12L
メッシュの三次
元座標データを
CSVフォーマット
で整理する
No
.7
1_5L
1_6L
1_8R
1_7L
No
.8
1_9R
1_8R
No
.9
1_9L
1_10R
No.
10
1_10L
1_11R
1_11L
道路をメッシュ分割し、各メッ
シュ点(赤丸)の三次元座標を
表にして 設計データ作成ソフト
ウェアで読み取り TINデータ化
する
No.
11
1_12R
1_12L
29
No.
12
3.三次元設計データ 《データ作成手法の種類》
30
4.3DMC/3DMGの運用手順
31
4.3DMC・MGの運用手順
32
4.3DMC・MGの運用手順 《重機側準備》
① 情報化機器取付
<3DMCブルドーザ>
MC建機は専用建機が必要となるため、セン
サ、ケーブル類は予め装着されている。
現場で装着が必要となる主なものは、測位
アンテナである。
<3DMGバックホウ>
MG建機は従来機に後付することが可能で
あるので、普段利用されるノーマル機を、現
場でMG機を装備することが可能。
33
4.3DMC・MGの運用手順 《重機側準備》
② 情報化機器設定
<3DMCブルドーザ>
測位アンテナと排土板との位置関係を入力
<3DMGバックホウ>
測位アンテナから、バケットまでの位置関係
(各区間距離)を入力
※コントロール精度を向上させるため、この長さは正確に実施する。建機を長期間使用する
場合は、施工途中に改めて確認することが望まれる。
34
4.3DMC・MGの運用手順 《重機側準備》
③ 情報化機器校正
<3DMCブルドーザ>
<3DMGバックホウ>
各センサの値が建機の姿勢に合わせて正確に表示されるように、規定の姿勢を保って、セ
ンサを初期化する。
通常この作業は機器装着時のみに実施し、不具合が発生しない限り施工途中に改めて実
施することはない。
35
4.3DMC・MGの運用手順 《測位側準備》
① 基準局設置 → ② 通信設定
<自動追尾TS>
<RTK-GNSS>
自動追尾TSは、通常の測量作業と同様に、工事基準
点あるいは任意の位置に据え付け、設置完了後に、
MC、MGのターゲットを視準して、自動追尾を開始す
る。
RTK-GNSSは、工事基準点あるい
は座標が求められている既知点上に
設置し、基地座標等の初期設定を行
い、補正データ配信開始を行う。
精度のバラつきを抑えるために、工事
開始から完了まで移動しないことが望
ましい。
36
4.3DMC・MGの運用手順 《測位側準備》
※ 衛星測位活用時の留意点 『測位座標のローカライゼーション』
RTK-GNSSは、精度が良い場合でも衛星測位
座標と、工事基準点座標とは整合しない場合
が多い。このことは、基準点測量には補正や誤
差が含まれていることにある。
そのため、衛星測位結果を現場の工事基準点
座標に補正するための「ローカライゼーション」
が必要である。
37
4.3DMC・MGの運用手順 《精度確認》
TS計測値 と 3DMG測位を比較
X=〇〇 .〇 〇〇
Y=□□ .□ □□
H=△△ .△ △△
X=〇〇 .〇 〇〇
Y=□□ .□ □□
H=△△ .△ △△
全ての準備作業衆力後に、制御精度が満足されているか確認を行う必要がある。
確認方法は、排土板やバケット先端をTSで測量し、この結果と情報化機器コントローラに示さ
れる位置座標とを比較する方法で行う。
なお、施工途中等定期的に確認できるよう、現場の不動点にバケットや排土板を近づけて簡易
的に確認することが望まれる。
※要求される精度に関する規定は特にないが、「ICTバックホウ施工要領」、「ICTブルドーザ施
工要領」(中部地方整備局 建設ICT導入普及研究会)を参照することが望まれる。
38
5.MC・MGの効果的な利用
39
5.MC・MGの効果的な利用
必要な時、場所で使用する & 複数の現場で共有利用する
MC,MG
ICT施工機器は、使用場所と時期を予め計画して利用することで機器使用に関するコストを低減するこ
とができると共に、複数の現場での共有が可能となる。
MC,MG
情報化重機が先行施工
MC,MG機が部分的に先行施工して、従来機がこの先行施工部分を丁張として施工する。
情
報
化
施
報
工
情
化
施
情
工
工
報
化
施
従
工
施
来
施
従来
工
40
5.MC・MGの効果的な利用
GNSS測位機器は精度予測する
MC,MG
GNSS測位精度は現場の地形、無線環境条件や、衛星配置等に大きく左右されるので、使用場所、時
期、時間等を予め調査して、精度が安定しない条件では使用しない。なお、公共工事においては、これ
らを事前に調査して監督職員の承諾を得ることが望まれる。
衛星測位低下指数予測結果
Googleマップ
緯度経度の表示が可能
衛星数
※googleマップより抜粋
※Planning Copyright(c)2001-2010
by Trimble Navigation Limited
41
5.MC・MGの効果的な利用
盛土の撒き出しなら二次元MC
撒き出し、締固めを1台のブルで (RCDコンクリートなど)
•
•
MC
盛土の途中段階での撒き出し、締固めは最終形状を再現する必要がないので、各層ともに一定勾
配での施工が可能である。この場合は回転レーザを用いた二次元MCを利用して、層毎に高さを変
えながら段階施工する。
RCDコンクリートのダム堤体施工では、コンクリート巻出し締固めに使用するブルドーザに、2DMC
と締固め管理の両方を搭載して利用することで施工効率が向上する。
42
5.MC・MGの効果的な利用
仮排水路、沈砂池等の仮設工、構造物掘削、床掘工
は二次元MGで
•
•
MG
仮排水路や沈砂池などの防災仮設工は、細かい精度が要求されないので位置をTSやMGで示した
後、二次元MGで深さ管理を行う。
構造物掘削、床掘工は、位置も上記と同様の施工が可能
基準面
回転レーザ
掘削面
43
5.MC・MGの効果的な利用
水中掘削、削岩、はつり はMGバックホウの効果大
•
•
MG
水中掘削や浚渫は目視確認できない部分の施工となるので、MGバックホウによる効果が大きい。
MGバックホウは、バケット施工の他に、ブレーカやツインヘッダ等のアタッチメントでも応用利用が可
能
44
5.MC・MGの効果的な利用
MGバックホウ、出来形管理用TSで 丁張設置、段階確認
•
MG,TS
MGバックホウ、出来形管理用TSに搭載する三次元設計データの活用で、「どこでも丁張」、「位置出
し」、「施工途中の確認」 等が個別準備を必要とせずに実施できる。
45
5.MC・MGの効果的な利用
MC,TS
TSノンプリズム機能で安全な計測
ノンプリズム機能を利用
することで、稼働中の
建機を止めずに
測量が実施可能
No.13
No.12
No.10+4.126
No.11
重機が稼働する施工面の仕上がり確認方法として、TSのノンプリズム機能を利用することで作業員
が立ち入ることなく、また、重機を停止させることなく安全に計測が行える。(ノンプリズム計測方法は
公式な手法ではないので参考として実施)
No.10
•
基本設計データ
46
6.MC・MGの導入効果
47
6.MC・MGの導入効果
丁張不要
施工途中の
検測削減
48
6.MC・MGの導入効果
法面とバケットの位
置、整形状況等を
監視して、オペレー
タに伝える作業員
が不要になる。
49
6.MC・MGの導入効果
繰り返し作業
の軽減
50
6.MC・MGの導入効果
51
7.稼働状況紹介(動画)
3DMG
浚渫
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『情報化施工デジタルガイドブック』の御紹介
(出版:一般社団法人 日本建設機械施工協会)
内容
1.情報化施工のあらまし
2.情報化施工技術の種類
3.情報化施工の適応工種
4.情報化施工の運用手順
5.建機・測量器リスト
6.情報化施工データ
7.情報化施工の導入効果
8.導入事例
9.用語の説明
付録
・各種要領等(H24)・・・他
一般価格2,000円(税抜)
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以上、ご清聴ありがとうございました
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