1 計画策定の趣旨 策定に至る経過 地方公営企業の経営状況は全国的にみると極めて厳しい状況にあります。適正か つ 効 率 的 な 事 業 運 営 を 求 め る 観 点 か ら 、総 務 省 は 、 「地方公営企業の経営の総点検に つ い て 」( 平 成 16 年 4 月 13 日 付 け 総 務 省 自 治 財 政 局 公 営 企 業 課 長 通 知 ) に お い て 、「 中 期 経 営 計 画 の 策 定 」 を 各 事 業 者 に 求 め て い ま す 。 また、 「『 地 方 公 営 企 業 の 経 営 の 総 点 検 に つ い て 』の 一 部 改 正 に つ い て 」 ( 平 成 17 年 8 月 25 日 付 け 総 務 省 自 治 財 政 局 公 営 企 業 課 長 通 知 ) で は 、「 中 期 経 営 計 画 」 と 「集中改革プラン」※1の整合が図られ、①事務事業の再編・整理、②民間委託等 の推進、③定員管理の適正化、④給与の適正化、⑤経費節減等の財政効果等をお客 様(市民)に示すことにより、一層の経営改革と経営の健全化及び事業の活性化に 努めることを事業者に求めています。 地 方 公 営 企 業 で あ る ガ ス 事 業 に お い て も 、こ れ ら の 要 請 に 応 じ 、 「中期経営計画」 を作成しました。 ※1 集中改革プラン 行 政 改 革 大 綱 に 基 づ き 具 体 的 な 取 り 組 み を 集 中 的 に 実 施 す る た め 、 お お む ね 平 成 21 年 度 までの具体的な取り組みを住民にわかりやすく明示した計画です。 1 2 ⑴ 事業経営の状況 社会的背景 我が国の経済は、個人消費が緩やかに増加し、雇用状況も厳しさは残るものの改 善に広がりがみられ、着実に景気回復に向かっています。 一方、地方経済においても、地域格差はあるものの、概ね緩やかな回復傾向を示 していますが、地方財政にあっては、歳入の根幹である税収の増加に結びついてお らず、今後も厳しい状況が予想されます。 このような状況の中、地方公営企業においても、収益の増加が見込めず、一般会 計からの繰入金に依存しているなど、経営状況が厳しい事業者が見受けられます。 将 来 人 口 に つ い て は 、大 津 市 の 人 口 は 増 加 傾 向 が 続 い て い る も の の 、全 国 的 に は 、 少子高齢化が更に加速されることが予想されていることから、人口減少時代の到来 も想定しておかなければならず、事業を拡大するにあたり、お客様の自然増加は期 待できなくなっています。 生 活 様 式 に 目 を 向 け る と 、 情 報 通 信 技 術 の 進 歩 は 、「 早 く 」 か つ 「 大 量 」 の 情 報 を送受信することを可能にしました。このことは、企業にとって、お客様に商品を 選 択 い た だ く た め に 、「 正 確 な 」 か つ 「 有 益 な 」 情 報 を 「 迅 速 」 に 提 供 す る こ と が 必要な時代になったと言えます。 また、環境問題については、生産・消費スタイルを改め環境負荷に考慮した、省 資源・省エネルギー・リサイクル等の「資源循環型社会」への転換が求められてい ま す 。 特 に 、 京 都 議 定 書 が 平 成 1 7 ( 2005) 年 2 月 に 発 効 し た こ と は 、 地 球 温 暖 化という環境問題に世界的な取り組みが求められる時代になったことを示す出来 事です。 2 ⑵ 公営ガス事業者の現状 ① 全国的な公営ガス事業者の経営状況 公営ガス事業者は、近年、天然ガス転換の費用負担を回避するために行われる 事業の民間譲渡や市町村合併の推進等により、その数は減少する傾向にあります。 平 成 17 年 度 末 の 事 業 者 数 は 、公 営 3 4 、私 営 175 の 合 計 20 9 事 業 者 で す 。 ガス事業者数の推移 250 62 200 60 58 46 34 150 100 172 173 171 174 175 H13 H14 H15 年度 H16 H17 公営 私営 50 0 ま た 、 こ の 経 営 状 況 を み る と 、 平 成 16 年 度 経 常 利 益 は 、 公 営 46 事 業 の う ち 14 事 業 者 ( 30.4% ) が 赤 字 決 算 と な っ て い ま す 。 こ の よ う な 厳 し い 経 営 状 況 に あ っ て 、大 津 市 は 最 大 の 6 億 円 の 経 常 収 益 を 計 上 しています。 平成16年度公営ガス事業者の経常利益 三 藤 島 1,000 長 下 習 仁 町 西 大 十 ・ 山 網 福 魚 富 市 ▲ 1,000 武 松 北 桑 気 生 江 見 名 仙 本 福 市 市 市 沼 留 荘 市 井 米 市 市 市 見 ・ 街 吉 魚 高 原 谷 町 市 象 宇 長 万 金 仁 志 賀 九 栃 与 ・ 白 男 川 余 新 白 部 南 部 浦 田 野 保 里 尾 板 刈 里 鹿 口 目 井 子 山 沼 岡 燕 水 路 附 新 道 田 川 潟 町 町 町 町 市 町 町 市 町 羽 町 町 町 市 町 市 市 市 市 町 町 市 町 市 市 市 市 町 町 市 大津市 市 589百万円 沢 市 ▲ 3,000 百万円 資料 ガス事業便覧(平成17年版)/(社)日本ガス協会 3 小 越 台 金 高 分 知 仙 ▲ 2,000 糸 四 千 0 久 妙 岡 九 東 柏 上 金 崎 越 市 市 市 長 大 野 津 県 市 ⑶ 公営ガス事業を取り巻く制度等の動向 ① ガス事業法の改正 ガス事業者に関する制度等も大きな転換期を迎えています。 ガ ス 事 業 者 に あ っ て は 、 ガ ス 市 場 に お け る 規 制 緩 和 と し て 、 平 成 16 年 度 に 実 施 さ れ た ガ ス 事 業 法 の 改 正 に よ り 、ガ ス 販 売 の 自 由 化 範 囲 が 拡 大( 100 万 ㎥ 以 上 ⇒ 50 ㎥ 以 上 ) さ れ る と と も に 、 託 送 供 給 が 義 務 付 け ら れ ま し た 。 引 き 続 き 、 自 由 化 範 囲 の 更 な る 拡 大( 50 万 ㎥ 以 上 ⇒ 10 万 ㎥ 以 上 )に 向 け 、平 成 19 年 4 月 実 施を予定として、現在、国において検討が進められているところです。 ② 行財政改革の動向 また、政府においては、極めて厳しい行財政状況の中で、国・地方に対して行 財政改革の積極的な推進を求めています。 『地方公営企業の経営の総点検について』 ( 1 ペ ー ジ 参 照 )に お け る 中 期 経 営 計 画の策定や『地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の策定に ついて』 ( 平 成 17 年 3 月 29 日 付 け 総 行 整 第 11 号 、総 務 事 務 次 官 通 知 )に お け る行政改革推進上の主要事項として、 「 地 方 公 営 企 業 の 経 営 健 全 化 」が 記 載 さ れ た ことも、今日の公営企業の経営状況を顕著に示すものです。 ⑷ 業務状況 ① 販売量 公営ガス事業者の経営が全体として厳しい中で、大津市のガス事業は健全経営 を維持しています。 特に、天然ガスの環境にやさしい特性を生かした営業活動による業務用や産業 用の大口需要家の獲得により全体の販売量は順調に増加しています。 一方で、家庭用の販売量はほぼ横ばいになっており、近年のガス市場における 規制緩和の推進は、今後、ガス事業者に更に厳しい競争を強いることを予想させ ます。 4 供給戸数と販売量(4 5MJ)の推移 100,000 140,000,000 95,000 120,000,000 100,000,000 90,000 80,000,000 m3 60,000,000 戸 85,000 80,000 40,000,000 20,000,000 75,000 70,000 0 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 年度 家庭用 ② 業務用・産業用 供給戸数 料金水準 大 津 市 の ガ ス 料 金 に つ い て は 、 平 成 15 年 2 月 に 平 均 5.32% の 値 下 げ と な る 料金改定を行いました。 大津市のガス料金の水準は、次のとおりです。 月 間 使 用 量 3 8 ㎥ ( 10,000kcal 換 算 ) の 一 般 料 金 の 水 準 比 較 単 位:円 大津市 1㎥あたり ※ 142.81 大阪ガス 仙台市 144.27 157.94 金沢市 198.87 福井市 198.03 平 成 18 年 2 月 1 日 現 在 ( 平 成 18 年 4 月 ∼ 6 月 適 用 料 金 )、 税 別 隣接する大阪ガス㈱とガス料金(一般料金)を比較するとほぼ同水準の料金を 維 持 し て い ま す 。 特 に 、 一 月 あ た り の 使 用 量 48 ㎥ ま で は 、 大 津 市 が 低 い 料 金 設 定 に な っ て い ま す 。 な お 、 大 津 市 の 平 成 17 年 度 の 家 庭 用 の 一 月 あ た り の 平 均 使 用 量 は 37 . 5 ㎥ で し た 。 【計算式】 { 基 本 料 金 + ( 基 準 単 位 料 金 + 調 整 単 位 料 金 ) ×( 3 8 ㎥ × 4 1 . 8 60 5 MJ ÷ 当 該 ガ ス 事 業 者 の 熱 量 ) } ÷ 3 8 ㎥ 5 ⑸ 決算状況 ① 損益勘定 損益勘定においては、近年、順調に純利益を計上しています。 【損益勘定】 ( 単 位:百 万 円 ) 平成15年度 ガス売上 平成16年度 平成17年度 収 入 8,378 8,991 10,095 受注工事収益 406 324 292 受託輸送収益 94 0 0 雑収益 29 20 18 8,907 9,335 10,405 原料費 3,662 4,417 5,196 人件費 1,142 1,125 1,031 経 費 1,443 1,155 1,168 減価償却費 1,485 1,471 1,534 受注工事費用 410 337 306 支払利息 266 241 220 8,408 8,746 9,455 499 589 950 計 支 出 計 収支差引額 ② 資本勘定・企業債 資 本 勘 定 に お い て は 、施 設 の 整 備・更 新 に 充 て る 建 設 改 良 費 は ほ ぼ 同 水 準 で 推 移しています。 ま た 、企 業 の 借 金 に あ た る 企 業 債 の 残 高 と そ の 支 払 利 息 は 減 少 し て い く 傾 向 に あります。 6 【資本勘定】 ( 単 位:百 万 円 ) 平成15年度 企業債 平成16年度 平成17年度 300 300 300 69 90 80 負担金 4 4 0 固定資産売却代金 1 1 0 投 0 0 499 計 374 395 879 建設改良費 1,182 1,211 1,348 602 562 571 76 3 5 500 500 500 2,360 2,276 2,424 ▲1,986 ▲1,881 ▲1,545 57 56 62 減債積立金 500 270 300 建設改良積立金 450 260 290 損益勘定留保資金 979 1,295 893 1,986 1,881 1,545 0 0 0 工事負担金 収 入 資 支 企業債償還金 出 開発費 投 資 計 収支差引額 ① 消費税等資本的収支調整額 補てん財源計 ② 補てん財源不足①-② 【企業債残高及び支払利息】 ( 単 位:百 万 円 ) 平成15年度 企業債残高 支払利息 平成16年度 平成17年度 6,573 6,310 6,039 266 242 220 7 3 ⑴ 事業経営の課題 保安の充実 「安全で安定した供給」はガス事業者にとって最大の使命です。 大津市域にあっては、政府の地震調査研究推進本部の「琵琶湖西岸断層帯の長 期 評 価 」 に よ る と 今 後 30 年 間 に 最 大 9 % の 確 率 で 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 を 上 回 る 地 震 が発生するとされています。このような地理的条件の中で、地震等の自然災害はも とより、あらゆる災害や事故等に対応できる保安体制の充実が必要です。 一方で、お客様が安心してガスをお使いいただくために、日頃からガス設備の安 全点検やお客様への啓発活動にも取り組む必要があります。 ⑵ 販売量の増加 市民サービスとして、より多くの市民の皆様にお客様としてガスをお使いいただ ける環境を提供することが必要です。そのためには、供給区域の拡大と供給区域内 における未供給地区の解消が求められます。 また、経済面からはガス市場における更なる規制緩和や他エネルギー事業者等と の販売競争の激化、社会面からは少子高齢化時代の到来に伴うお客様の減少など、 ガス事業者を取り巻く環境は大きく変化することが予想され、販売量の増加は大変 厳しくなっていくことが考えられます。これからは環境の変化に対応し、需要開発 による販売量の増加を推進できる「営業」が求められます。 ⑶ 経営の効率化 公営企業は独立採算制をとっており、健全経営を維持するため、これまでも経営 効率化に努めてきましたが、これからも、経営基盤を強化するため、更なる効率化 が必要になります。 また、経営の効率化については、お客様サービスの向上を持続するとともに、環 境や法令遵守等の企業の社会的責任を果たしつつ実現していく必要があります。 8 4 ⑴ 事業経営の基本方針 計画の位置づけ 主な計画との関連性 ① 大津市行政改革プラン 本 計 画 は 、「 大 津 市 行 政 改 革 プ ラ ン 」 に お け る 集 中 改 革 プ ラ ン の 公 営 企 業 部 分 を包括したものとして位置づけます。 ② 大 津 市 総 合 計 画 ( 平 成 19 年 度 ~ 平 成 28 年 度 ) 本 計 画 は 、 平 成 19 年 度 か ら 始 ま る 「 大 津 市 総 合 計 画 」 と の 整 合 を 図 り ま す 。 ⑵ 計画期間 開始年度 平成18年度 ⑶ 終了年度 平成21年度 事業経営の基本方針 大津市企業局の事業経営の基本方針は次のとおりです。 事業経営の基本方針 お客様第一主義を基本にし「安全で安定した供給」 「 経 営 の 効 率 化 」「 お 客 様 サ ー ビ ス の 向 上 」 を 目 指 し て 事業経営の基本方針に沿い、ガス事業では4つの主要施策を推進します。 9 5 体系図 大津市(ガス事業)中期経営計画 【地方公営企業法】 【ガス事業法】 ① ガス使用者の利益保護 ① 経済性の発揮 ② ガス事業の健全な発達 ② 公共の福祉の増進 ③ 公共の安全の確保 ④ 公害の防止 経営の基本方針 お客様第一主義を基本にし「安全で安定した供給」 「 経 営 の 効 率 化 」「 お 客 様 サ ー ビ ス の 向 上 」 を 目 指 し て 導 管 整 備 の 推 進 主要施策 保 安 体 制 の 充 実 営 業 開 発( 販 売 促 進 ) 経 営 の 効 率 化 10 6 施 策 各施 策 につい ては 、それぞ れ に「実施 方 針」を掲 げ 、その方 針 に基づ き事 業を実施 します。 特 に 、「 集 中 改 革 プ ラ ン 」 に お い て は 、「 目 標 の 数 値 化 」 と 「 そ の 公 表 」 が 求 め ら れ ることから、各施策に計画期間で達成する項目を設け、その達成状況を公表します。 〇 公表時期 毎年10月 〇 事業評価 平成22年3月 〇 公表方法 企業局ホームページで公表します。 ⑴ 導管整備の推進 実施方針 〇 市 民 の ラ イ フ ラ イ ン と し て 、ガ ス 供 給 区 域 内 の 未 供 給 地 区 の ガ ス 導 管 整 備 及 び ガス供給区域拡大を進め、都市ガスの普及を図ります。 〇 経年管の布設替えや耐震性ガス導管網の整備を推進します。 〇 ガス導管整備等の供給計画を公表します。 重点事業 ① ガス導管整備事業 ガ ス 供 給 区 域 内 の 未 供 給 地 区 の ガ ス 導 管 整 備 及 び ガ ス 供 給 区 域 拡 大 を 進 め 、都 市ガスの普及を図っていきます。 ガ ス 供 給 区 域 拡 大 に つ い て は 、採 算 性 等 を 判 断 し て 国( 経 済 産 業 省 )か ら 許 可 を 得 な け れ ば な り ま せ ん( ガ ス 事 業 法 第 8 条 )。ま た 、許 可 後 3 年 以 内 に 事 業( 供 給 )を 開 始 す る こ と が 義 務 化 さ れ て い る( ガ ス 事 業 法 第 7 条 )こ と か ら 、お 客 様 の意向も踏まえながら、整備を進めます。 11 また、ガス導管整備等の供給計画を公表します。 【計画】 ② 伊香立地区(北部開発地区) 平成21年度事業完了 大石地区(東町、龍門町) 平成22年度事業完了 経年管改良事業 「経年管」と言われる土壌により腐食等の恐れがある白ガス鋼管(亜鉛メッキ 鋼管)及びアスファルトジュート巻鋼管を、耐食・耐震性の優れたガス管に布設 替えします。 ま た 、 布 設 替 え の 実 施 が 困 難 な 路 線 に つ い て は 、「 重 点 管 理 路 線 」( 管 理 を 強 化 し維持する路線)とすることも検討し、事業を推進します。 平 成 18 年 度 ~ 21 年 度 平 成 21 年 度 末 事 業 実施延長(本数) 残延長(本数) 終了年度 18,700m 5,000m H22 年 度 1,550 本 2,500 本 H31 年 度 1,100m 30,500m H38 年 度 白ガス鋼管(支管) 23,700m (H17 年 度 末 ) 白ガス鋼管(供給管) 4,050 本 (H17 年 度 末 ) アスファルトジュート巻鋼管 31,600m (H17 年 度 末 ) 12 ③ 耐震性ガス導管網整備事業 地震等の外力により継手部分からガス漏えいの恐れのあるガス型継手鋳鉄管及 びSE継手被覆鋼管の布設替えをします。 平 成 18 年 度 ~ 21 年 度 平 成 21 年 度 末 事 業 実施延長 残延長 終了年度 14,700m 20,000m H27 年 度 3,000m 37,000m H31 年 度 ガス型継手鋳鉄管 34,700m (H17 年 度 末 ) SE継手被覆鋼管 40,000m (H17 年 度 末 ) 達成目標 指 標 単位 H18.3.31 H22.3.31 ㎞ 1,107 1,155 指標の説明 供給区域内の都市ガス導管 導 管 延 長 延長 (低圧用) 低圧導管における健全管(耐震 % 90.1 93.6 耐震化導管割合 ※3 化された管)の導管割合 ※3 ( 1 − ( 白 ガ ス 鋼 管 残 延 長 + ガ ス 型 継 手 ダ グ タ イ ル 鋳 鉄 管 残 延 長 + SE 継 手 鋼 管 残 延 長 ) ÷低 圧 導 管 全 延 長 ) ×100 13 ⑵ 保安体制の充実 実施方針 〇 安 全 で 安 定 し た ガ ス 供 給 は ガ ス 事 業 者 の 最 大 の 使 命 で あ り 、「 保 安 の 確 保 」 こ そ が お 客 様 へ の 最 高 の サ ー ビ ス で あ る こ と か ら 、ガ ス の 供 給 と 消 費 の 両 面 か ら 、さ ら なる保安の充実に努めます。 保安の現状 【供給】 経 年 ガ ス 導 管 に つ い て 、よ り 耐 食 、耐 震 性 に 優 れ た 導 管 へ の 布 設 替 え を 実 施 す る と ともに、整圧器等ガス工作物の点検整備、ガス導管漏洩検査等を行っています。 また、供給区域を29ブロックに区分し、大規模な地震等が発生した場合、二次災 害 を 防 止 す る た め の 供 給 停 止 地 区 を 最 小 限 に と ど め 、早 期 復 旧 が 図 れ る よ う 整 備 し て います。 さらに、平成17年3月、災害発生停止判断等の初期活動に役立つ「ガバナ(ガス 整圧器)遠隔監視、遠隔制御システム」を構築することにより、保安システムの充実 を図りました。 【消費】 お 客 様 の 保 安 対 策 に つ い て は 、ガ ス 設 備 安 全 点 検 の 実 施 や 家 庭 用 マ イ コ ン メ ー タ の 設 置 完 了 に 続 き 業 務 用 マ イ コ ン メ ー タ の 設 置 を 推 進 す る と と も に 、ガ ス 機 器 の 適 正 な 使用方法の啓発等を行い、消費段階でのガス事故の未然防止に努めています。特に、 独 自 の 施 策 と し て 、ひ と り 暮 ら し 高 齢 者 宅 の 水 道・ガ ス の 安 全 点 検 の 訪 問 を 行 う な ど 、 高齢者に対する保安対策も行っています。 14 重点事業 ① ガス施設改善事業(中圧バルブ整備) 中圧プラグバルブ(人孔タイプ)を耐震性、操作性に優れた全溶接型直埋式ボ ールバルブに取り替えます。 平 成 18 年 度 ~ 21 年 度 平 成 21 年 度 末 事 業 実施数 残数 終了年度 25基 7基 H23 年 度 中圧バルブ整備 32 基 (H17 年 度 末 ) ② 需要家保安対策事業(経年埋設内管改善推進) お 客 様 の 個 人 資 産 で あ る 経 年 埋 設 内 管( 白 ガ ス 鋼 管 )の 劣 化 に 起 因 す る ガ ス 事 故 を未然に防止するため、対象となるお客様に対し、改善の必要性の理解を得なが ら、取替えを進めます。 【参考】 経 年 埋 設 内 管 残 数 ( 平 成 17 年 度 末 ) 28,500件 お客様の敷地内にあるガス 管(ガスメーターを除く)は、 お客様の個人資産であり、取り 替えに要する費用はお客様のご 負担になります。 資料 15 ガス管の資産区分/(社)日本ガス協会 ③ 需要家保安対策事業(安全点検) お客様のガス設備、ガス消費機器及びこれらに付属する給排気設備が正常に機 能 し て い る こ と を 確 認 す る た め 、 す べ て の お 客 様 宅 を 定 期 的 ( 1 回 以 上 /4 0 か 月)に訪問し、点検を実施し、不良箇所がある場合には正常に機能するよう改善 を促すとともに、安全使用の周知を実施します。 【参考】 安全点検 市域を3分割して実施(1回/3年) 達成目標 指 標 単位 H18.3.31 H22.3.31 指標の説明 中 圧 プ ラ グ バ ル ブ( 人 孔 タ イ プ ) 中圧プ ラ グバルブ 基 32 7 を溶接型直埋ボールバルブに取 (人孔タイプ)残数 り替えます。 16 ⑶ 営業開発(販売促進) 実施方針 〇 公 営 ガ ス 事 業 者 と し て 、す べ て の お 客 様 に 低 廉 な 料 金 で ガ ス を 供 給 で き る よ う に 努めます。 重点事業 ① リビング(家庭用分野) 公営ガス事業者として、お客様に低廉な料金でガスを供給します。 特に、家庭用について、供給戸数は増加していますが、他エネルギー事業者等 との競争等の理由により、その伸びは減少する傾向にあります。 そのため、都市ガスを選択いただき、ガスを効率的にお使いいただけるお客様 については、さらにお得になる料金の導入を検討してまいります。 また、省エネルギーに貢献できるガス機器等を利用されるお客様を支援する施 策を推進します。 項 目 新しい選択約款導入 検 高効率給湯器普及促進補助金 実施済 ガス普及促進員による個別訪問 ② 実施時期 内 容 討 高効率給湯器設置に対する補助 平 成 18 年 度 か ら エネルギー(業務用・産業用分野) 都市ガスの主原料である天然ガスは環境に優しいエネルギーです。また、都市 ガスは導管を通じて安定供給が図れます。このような特性を活かし、都市ガスの 販売促進に努めます。 17 項 目 実施時期 内 容 新しい選択約款導入 検 討 業務用設備の導入提案 実施済 イニシャルと ランニングの トータルコスト提 案 天然ガス転換推進補助金 実施済 工場等の燃料転換に対する補助 化 石 燃 料 の燃 焼 生 成 物 等 発 生 量 比 較 (石 炭 を 100 とした場 合 ) 石 炭 100 石 炭 100 石 油 80 石 炭 100 石 油 71 石 油 68 天 然 ガス 天 然 カ ゙ス 57 CO2二酸化炭素 資料 天 然 ガス0 SOX硫黄酸化物 20~37 NOX窒素酸化物 C O 2 は 「 火 力 発 電 所 大 気 影 響 評 価 技 術 実 証 調 査 報 告 書 」( 1 9 9 0 年 3 月 ) /( 財 ) エ ネ ル ギ ー 総 合 工 学 研 究 所 NO X 、 S O X は 「 天 然 ガ ス − 2010 年 の 展 望 − 」( 1 9 8 7 年 3 月 ) / O E C D ・ I E A ③ お客様サービスの向上 公営事業者としての特性を活かし、地域に密着したお客様サービスを展開して いきます。 また、平成18年4月に明日都浜大津2階にオープンした企業局ガスショール ーム「キットココ」を営業・情報発信の拠点として、お客様ニーズの収集と情報 発信を行い、都市ガスの普及に努めます。 18 【都市ガスをお使いのお客様のために】 項 目 実施時期 休日開閉栓業務の実施 平 成 18 年 度 か ら ひとり暮らし高齢者宅の安全点検 毎年 9 月頃 内 容 平 成 17 年 度 一 部 試 行 水道事業と共通 【都市ガスのファンになっていただくために】 項 目 実施時期 ガスショールーム「キットココ」運営 内 容 平 成 18 年 度 か ら 各種イベントの開催 実施済 「キットココ」スタジオ開設 ガス展、フェスタ等 平 成 18 年 度 か ら 【情報発信・情報公開】 項 実施時期 目 企業局ホームページのリニューアル 平 成 18 年 度 か ら 入札結果のホームページ掲載 平 成 18 年 度 か ら 契約書式のHPライブラリー掲載 平 成 18 年 度 か ら 「キットココ」スタジオ開設 平 成 18 年 度 か ら 内容 平 成 1 8 年 4 月 、「 見 て 」「 ふ れ て 」 「体感できる」を基本コンセプトに明 日都浜大津2階にオープンした企業局 ガスショールーム「キットココ」は、 お客様にガスのある新しい暮らしを提 案します。 企業局ガスショールーム「キットココ」 19 ④ 環境施策への貢献 都市ガスの主原料である天然ガスは、燃焼時に、温室効果ガスの一つと言われ る二酸化炭素の排出量が少なく、さらに大気汚染の原因とされる硫黄酸化物や窒 素酸化物の発生量も少ない環境に優しいエネルギーです。 都市ガスの普及を通して地球温暖化を抑制する環境づくりに貢献していきます。 項 目 実施時期 天然ガス自動車導入補助金 実施済 天然ガススタンド運営補助金 実施済 企業局公用車の天然ガス自動車導入 実施済 内容 改造費の補助 56 台 ・ 水 道 含 む 。 アジェンダ21(大津市地球環境保全地域行動計画) 【大津市の環境目標】 「市民一人あたりのCO2(二酸化炭素)排出量を平成22年度において平成2年度排 出 量 よ り 6 % 削 減 す る 。」 達成目標 指 標 都市ガス販売量 単位 17 年 度 実 績 21 年 度 実 績 備 百万㎥ 131 192 45MJ換算 20 考 ⑷ 経営の効率化 実施方針 〇 健全経営を維持するために、経営の効率化を図ります。 〇 職員の定員管理については、水道事業とガス事業をあわせた企業局職員数とし て 、4 .5 %( 平 成 2 2 年 4 月 1 日 職 員 数 対 平 成 1 7 年 4 月 1 日 職 員 数 )の 削 減 を 目指します。 〇 一般部局に準じて、給与制度・運用・水準の適正化を推進します。 ① 定員管理の適正化 こ れ ま で か ら 職 員 数 の 削 減 に 努 め て き ま し た が 、平 成 2 2 年 4 月 を 目 標 に さ ら なる定員管理の適正化を目指します。 企業局として、事務事業の民間委託の推進や嘱託・臨時職員の雇用等により、 定員管理の適正化を図ります。 職員の「定員管理」については、次のように取り組みます。 【定員管理目標】 職員数 水道 ガス 合計 11.4.1 現 在 172 人 113 人 285 人 A 17.4.1 現 在 154 人 113 人 267 人 B A/ B ▲ 18 人 6.3% 131,495 千 ㎥ 255 人 C B/ C ▲ 12 人 4.5% 192,028 千 ㎥ 22.4.1 現 在 目標数値 純減数及び純減率 参考データ ガス販売量 平成11年4月1日現在の水道職員内訳(大津市162人・志賀町10人) 平成17年4月1日現在の水道職員内訳(大津市147人・志賀町 7人) ガス販売量は45MJ換算。上段:平成17年度実績量、下段:平成21年度見込量 21 ② 人材育成 職員研修では、職場研修を人材育成の中心とし、職場研修、自己啓発を有機 的に関連づけ、意欲的に業務ができる人材の育成を行い、活力ある組織づくり を目指しています。 特に、企業局においては、独自に職員研修センターを設け、また、外部機関 等も活用することにより、ガス技術の向上を図る研修に取り組みます。 その他、営業分野における能力開発を図るため、民間事業者との人事交流を 行います。 ③ 給与の適正化 一般部局に準じて、給与制度・運用・水準の適正化を推進します。 【これまでの取り組み実績】 ④ 〇 特殊勤務手当の廃止・見直し(平成17年度) 〇 企業調整手当の廃止(平成17年度) 民間的経営手法の導入 経 営 の 効 率 化 を 図 る た め 、こ れ ま で か ら 民 間 的 経 営 手 法 を 導 入 し て い ま す が 、 これからも民間委託等の民間的経営手法の導入を積極的に推進していきます。 【これまでの導入実績】 〇 株式会社大津ガスサービスセンター設立(ガス器具販売部門の分離) 〇 株式会社パイプラインサービスおおつ設立(修繕体制の一元化) 〇 ガス二次修繕の委託 〇 10万戸保安体制の一部委託 【今後の導入予定】 項 目 実施時期 検針業務(全面委託) 平 成 19 年 度 か ら 滞納整理業務 検 22 討 備 考 大津市全域で実施 導入方法を検討 7 中期財政収支計画 ⑴ 収益的収支及び資本的収支 【損益勘定】 (単位:百万円) 平 成 18 年 度 収益的収支 ガス売上 平 成 20 年 度 平 成 21 年 度 1 1 ,2 2 5 11,338 1 1 ,4 5 1 11,565 424 428 433 437 15 18 18 18 1 1 ,6 6 4 11,784 1 1 ,9 0 2 12,020 人件費 1,122 1,122 1,122 1,122 経 7,761 7,842 7,920 7,999 1,488 1,476 1,476 1,476 受注工事費 424 428 432 437 支払利息 202 181 163 146 1 0 ,9 9 7 11,049 1 1 ,1 1 3 11,180 667 735 789 840 ▲10 ▲10 ▲10 ▲10 657 725 779 830 0 0 0 0 受注工事収益 雑収益 収入計 ① 費 減価償却費 支出計 経常損益③ 平 成 19 年 度 他 ② (①-②) 特別損益④ 当年度純利益又は純損失 ③+④ 繰越利益剰余金又は累積欠損金 23 【資本勘定】 (単位:百万円) 平 成 18 年 度 資本的収支 企業債 工事負担金 計 他 ① 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 平 成 21 年 度 0 0 0 0 679 563 563 563 679 563 563 563 0 0 0 0 679 563 563 563 1,531 1,407 1,375 1,330 1,056 1,040 1,016 977 2,587 2,447 2,391 2,307 ▲ 1 ,9 0 8 ▲1,884 ▲ 1 ,8 2 8 ▲1,744 908 1,169 1,035 903 1,000 715 793 841 0 0 0 0 ①のうち翌年度への 繰り越される支出の 財源充当額 純計③ ② (①-②) 建設改良費 企業債償還金 計 他 ④ 資本的収入額が資本的支出額に 不足する額⑤ (③-④) 損益勘定留保資金⑥ 補てん財源 その他⑦ 補てん財源不足額 ※ ⑤+(⑥+⑦) 補てん財源のうち「損益勘定留保資金」は損益勘定において現金の支出を伴なわない費用で あ る 減 価 償 却 費 等 を 充 て る も の で 、「 そ の 他 」 は 過 年 度 の 引 当 金 等 を 充 て る も の で す 。 ⑵ 総 ⑶ ( 単 位:百 万 円 ) 企業債残高 額 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 平 成 21 年 度 5,483 4,943 4,425 3,949 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 平 成 21 年 度 96,100 97,100 98,000 99,000 将来需要予測 供給戸数(件) 24 ⑷ 設備投資計画 (単位:百万円) 平 成 18 年 度 平 成 19 年 度 平 成 20 年 度 平 成 21 年 度 新設管の布設事業 654 657 653 660 既設管の布設替等施設改良整備事業 877 750 722 670 ⑸ 経費節減等の取り組みによる効果額 ① 経費削減への取り組み ( 単 位:百 万 円 ) 効果額(計画額) 16 年 度 人件費の削減 【説明】 1 ,4 8 3 18 年 度 19 年 度 20 年 度 21 年 度 合 計 効果額については、毎年度、公表します。 「定員管理目標」の実現や「給与制度・運用・水準の適正化」の推進により、人件費 削 減 に 努 め ま す 。( 2 1 ・ 2 2 ペ ー ジ 関 連 ) 平成16年度は支給額の実績です。 企業調整手当廃止 【説明】 4 ▲4 ▲4 ▲4 ▲4 ▲16 平成17年度で企業調整手当を廃止したことにより、同年度支給実績額程度の削減が 毎 年 度 見 込 め ま す 。( 2 2 ペ ー ジ 関 連 ) 平成16年度は支給額の実績です。 検 針 業 務・全 面 委 託 【説明】 ▲5 0 ▲5 ▲5 全面委託と一部委託の経費比較をした差額を効果額としています。 なお、効果額については、水道事業とガス事業に1/2で按分しています。 (22ページ関連) 25 ▲15
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