遷延性・慢性咳嗽の鑑別診断における呼気NO濃度(FeNO) 測定の有用性

第16回 日本咳嗽研究会
一般演題 第5群
遷延性・慢性咳嗽の鑑別診断における呼気NO濃度
(FeNO)
測定の有用性
浅野 貴光,竹村 昌也,市川 博也,福光 研介,武田 典久,土方 寿聡
新実 彰男
名古屋市立大学大学院医学研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学
【背景】好酸球性気道炎症を特徴とする咳喘息
(CVA)と咳優位型喘息(CP
A)でFe
NOが高値と
なることが報告されている。
【目的】遷延性・慢性咳嗽の鑑別診断におけるFe
NO測定の有用性を検討する。
【方法】I
CS・LTRA未使用の125例を後ろ向きに解析した。咳嗽の原因診断は咳嗽に関するガ
イドライン第2版に準じた。喘息性咳嗽(CP
A/
CVA)と非喘息性咳嗽
(NA)の重複例は前者
として扱い,診断未確定例7例は除外した。
【結果】CP
A
42例,CVA
45例,NA
31例(GERD
15例,感染後咳嗽7例,副鼻腔気管支症候群7
例,アトピー咳嗽2例)であった。Fe
NO
(ppb)は,NA群[18.
2
(6.
949.
0)]と比較してCP
A群
[3
5.
6
(7.
0303.
4)]・CVA群[25.
3
(3.
1156.
0)]に お い て 有 意 に 高 値 で あ っ た
(p=0.
0002,by
(感度
Kr
us
ka
l
Wa
l
l
i
st
e
s
t
)。ROC曲線にて算出したCP
A/
CVAとNAとのカットオフ値は2
1.
7
65%,特異度8
1%,AUC0.
75)であった。全例をFe
NO値で3群に階層化すると,CP
A/
CVA
の占める割合は,<25
(n=36):58%,2550
(n=29):85%, 50
(n=22):100%であった。
【結論】Fe
NO高値はCP
A/
CVAを示唆するが,低値の場合の診断的意義は低い。
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