高森みどり中学校・高森高等学校の 一層の飛躍に向けて 山口県立高森みどり中学校 山口県立高森高等学校 校長 大木 至 平成15年に高森高等学校に高森みどり中学校を併設し、本県の公立学校では初めてとなる 併設型中高一貫教育枚として早や10年を迎えました。 この間、教育理念に「多様な交流を創造し、生徒一人ひとりの夢を実現する学校づくり」を掲 げ、様々な取組に挑戦し、生徒・教職員の熱意と保護者の協力はもちろんのこと、関係各位の懇 切な御指導と御厚情を賜り、本校の教育活動は年々充実してまいりました。これまで、高森み どり中学校入学生のほぼ全員が高森高等学校に進学し、高校卒業時の進路実現にも深まりが 見られる中、来春には、高森みどり中学校5期生が高森高等学校を卒業し、11期生を中学校に迎 えることとなります。 本校の中高一貫教育の特徴は、中学校と高等学校の緊密な連携のもとに、校地・校舎・教育活 動を共有し、少人数指導や二人担任制などにより、確かな学力の育成と生徒指導・進路指導の 充実を図った生徒一人ひとりを大切にするきめ細かな指導体制にあります。さらには、「自己 再発見キャンプ」「オーストラリア海外語学研修」「高森・みどり合祭」などの特色ある学校行事 や弓道部・カヌー部・吹奏楽部を中心とする部活動によって、心豊かな人間性を育み、志と広い 視野をもつ、未来社会を力強く生き抜くたくましい生徒を育てています。 今、時代は、欧州危機による世界経済の減速、超円高、企業の経営悪化・海外流出など、大きな 曲がり角に差し掛かっています。このような厳しい時代であるからこそ、グローバルな視点を 持ち、真理と理想を追求する意欲あふれる人づくりが求められており、本校も、中学校におけ る高校教育内容の先取り、高校における特別進学クラスの設置や海外キャリア研修旅行の実 施などを計画し、魅力ある教育活動の一層の充実に取り組んでいるところです。 そして、今後とも、積み上げてきた伝統を大切にし、本県における併設型中高一貫教育の基 点枚として、常に新たな取組に挑戦し、夢を語り志高い友情の給が生まれ、新時代を切り拓く 心豊かな人づくりに邁進する学校であり続けたいと考えています。 この記念誌には、高森みどり中学校の10年の歴史があますことなく綴られております。本誌 が、輝かしい足跡を次世代の生徒と関係者に伝え、本校の将来の発展と充実につながる一助と なりますよう心から願っております。 終わりになりましたが、本誌発行に際し、ご尽力、ご協力いただきました関係各位、ご寄稿賜 りました皆様に深く感謝を申し上げますとともに、今後の本校の教育活動の充実に向けてあ らためて強い覚悟と決意を申し上げ、ご挨拶といたします。 −1− 高森みどり中学校10周年に寄せて 山口県立高森高等学校 むつみ同窓会長 持野 勝 / \ 山口県立高森みどり中学校(県下初の併設型中高一貫教育校)10周年誠におめでとうござ います。 高森みどり中学校と高森高等学校は、併設型の特性を生かした教育に、熱意を持って取り 組んでいます。この実績に地域の方々からも理解と信頼を寄せられています。 私も高森高校の卒業生の一月として、後輩の方々が勉学に、クラブ活動に、社会奉仕活動に、 真剣に取り組み蓮ましく成長してゆく日々に「みどり中学校ガンバレ」の応援メッセージを 送っています。 高森みどり中学校に合格した生徒は毎年4月に入学式を迎えます。長いようで短い3年間 勉学します。その間友人と先生方、地域の方々に支えられて多感な3年間を送り高森高校に 進学します。 喜び悲しみ時には反発や不満の中から自覚の心が芽ばえ、友情の積み重ねが連帯を育むこ とでしょう。 自分の方向を私の力量で決められる時は、私の「はからい」の中にあります。それとは別の 次元で「担任の先生は誰なのか」「クラス分けの顔ぶれ」など、私の「はからい」の及ばない出会 いがあります。 人生の区切り節目には、私の知恵、工夫、工面の及ばない出会いが度々あります。そんな歩 みの人生で「私の心のありよう」が人との出会いの中身を決定する大切な要素があります。そ れが「謝念」でしょう。互いの人格を尊重する中身の「謝念」を抱き続けて、出会った大切な仲 間、友人とこれからも充実した日々を送って下さい。 開校10周年に寄せる思い 山口県立高森みどり中学校 山口県立高森高等学校 PTA会長 倉田 菅一 このたび山口県立高森みどり中学校が開校10周年を迎えられましたことを、心からお慶び 申し上げます。 この10年臥生徒一人ひとりの夢の実現に向けて、先生方には多大なるご尽力を賜り、保護 者の一人として、改めて感謝申し上げます。また、高校も含めて学校全体が落ち着いた雰囲気 の中にあり、あらゆる面で着実にレベルアップしている学校の様子を目の当たりにし、私自 身も高森高校の卒業生として感慨深いものがあります。 近年、私はPTA役月として学校関係者評価委員会の会議に出席させて頂いておりますが、 みどり中学校の評価が生徒、保護者のどちらも高いことに驚かされます。また、地域の評議委 月の方々からも中、高ともに大変高い評価を頂いております。 卒業生および在校生には、高森みどり中学校、高森高等学校生として誇りを持ち、更なる高 い志を持ってがんばってもらいたいと思います。 −2− 高森みどり中学校の創設に携わって 山口県立高森みどり中学校 山口県立高森高等学校 初代校長 渡邁 息友 山口県立高森みどり中学校が創立10周年を迎えられましたこと誠におめでとうございます。平成15年4月の開 校以来、今日までの素晴らしい実践と成果を思えば、校長先生をはじめ諸先生方の並々ならぬ御努力があったもの と推察いたします。その御努力に対して心より敬意を表し感謝申し上げます。 私が高森高等学掛こ着任したのは、平成10年4月1日でした。当時、「特色ある学校づくり」は高等学校教育の最 重点課題の一つでしたが、先生方の改革意識も非常に高く感じました。同年12月21日の職員会議において、次年度 からは、地元中学校との連携を深めて「特色ある学校づくり」に取り組むことにしました。県教委の了承を得るため に相談をしたところ、「国が進めている中高一貫教育推進実践研究事業の研究指定を受けてはどうか」との助言が ありました。申請締切日は1月15日まででした。年末・年始の休業もあることから申請までに時間的余裕はなく、急 遽、臨時企画運営委員会を開き申請の了解をとりました。全教職月には3学期の職員会議において事後承諾を得る ことにして何とか間に合わせました。顧みれば、際どいタイミングで中高一貫教育推進校の指定を受けたことにな ります。また、教職月にとっては産みの苦しみの始まりでもありました。 さて、特色ある学校を創設しても生徒が集まらなければ水の泡です。開校1年前からは地域の全ての小学校へ出 向き、PTA捨金や保護者会の機会を利用して、高森みどり中学校の教育理念と特色ある教育計画について理解が得 られるよう必死になって説明しました。保護者の関心も非常に高かったことを思い出します。 8月のパストラルホールでの学校説明会では参加者は思ったほどではなく先行きの不安を覚えました。しかし、 11月の本掛こおける入学者選抜説明会では予想を超える多数の参加者を迎え、1期生の志廣音数は定員の3倍に 達し関係者は安堵しました。 思えば一喜一憂の日々ではありましたが、教職生活の最後に高森みどり中学校の創設に携わったことは、私にと ってはかけがえのない充実した5年間でした。中学校創設に御支援御協力を賜りました各位に対し改めて感謝申 し上げますと共に高森みどり中学校のますますのご発展を心から祈念いたします。 輝け!みどり中・森高と共に 山口県立高森みどり中学校 山口県立高森高等学校 第2代校長 木村 紫 山口県立高森みどり中学校の創立10周年を記念し、心よりお慶びを申し上げます。これまでみどり中を支えられ た関係各位のご尽力に対し深く敬意を表します。 平成15年4月、ここ筏山へ向かう登校坂に、真新しい制服をまとった第1期生のあどけない集団が、見憤れた高 校生に混じって遠慮がちに見え隠れしていたのを昨日のことように思い出します。持ちに待った併設型中高一貫 教育校のスタートでした。初めて目にする中学生に、これから高校生の中に入って仲良く一掛こやっていけるのだ ろうかと、内心不安がよぎったのも正直なところでした。 開校式では、県知事から高森みどり中学校の校旗が直接手渡され、その責任の重さがずしりとのしかかったのを 今でも鮮明に記憶しています。 十種ケ峰山域で行ったr自己再発見キャンプ」でのこと、10キロを超えるザックを背負いながら、小雨に煙る山頂 を目指す生徒たちのあまりに幼い後ろ姿は、まるでザックが歩いているかのようでした。泣きべそをかきながら も、山頂にたどり着いた時の笑顔は今もって忘れられません。一掛こ歩く先生方の笑顔もまた格別でした。r第1回 高森・みどり合祭」では、中学生の合唱に高校生が手拍子で盛り上げ、騎馬戦やタイヤ奪いでは、息も詰まる激しい 熱戦の最中、何と高校生が身を挺して中学生を守っていたのです。来賓・保護者から大きな拍手喝采でした。 初めての県立中学校ということで、マスコミの取材を受けることが多く、生徒たちも緊張の連続であったと思わ れます。県外からの視察があった時のこと、みどり中の生徒に突然の質問がありました。「学枚は楽しいですか」と。 「はい」との模範解答に安堵したものの、さらに突っ込んだ質問には心なし焦りました。「どこが楽しいですか」と。 即座に生徒たちは「授業が楽しい」、「高校生が優しい」と言ってくれたのです。これには参りました。本当に樟しか ったですね。 6年問のスパンの中で、3年間はあっという間でしたが、第1回の卒業式という節目に立ち会うことができ大変 光栄に思っています。教育改革の研究指定校として、多くの教職月に助けられ心から感謝する次第です。地域から は、「みどり中の生徒はすごい。高森高枚が変わったね」という声を開いています。 県下唯一の併設型中高一貫教育枚として、中高教職員の益々のご活躍とご発展を心よりご祈念申し上げます。 ・3− みどり中に夢を託して 山口県立高森みどり中学校 山口県立高森高等学校 第3代校長 石川 晴己 私が高森みどり中学校に着任したのは、第1期生が丁度、高校に入学した平成18年4月です。 県下初の併設型中高一貫教育枚として打ち上げられたみどり中を、如何にして正しい軌道に乗せるか、これが私に 課せられた大命題でした。みどり中から高森高校への全員進学、飛躍的な進学実績の向上、施設設備の充実など、直面 する仕事は山積していました。中高の進学対応カリキュラム、土曜講座「高森塾」や、独自の教材「高森ベーシック」の 作成など、新機軸が次々と打ち出されたものです。 中学入学生と高校入学生の各々がこの新教育システムを生かして、学力・人格を最大限に伸ばすことに心を砕きま した。融合策として高校部分の進路別学級編成を検討し、何とか皆様の理解を得ることができました。 一方、山口国体を控え、創設間近の高校カヌー部や、高校硬式野球部の指導体制の改善も、みどり中の魅力づくりに 影響を及ぼすこととなり、県体協や野球後援会と連携を取り合って重点的に改善したつもりです。 着任の前年から校舎新築工事が始まっており、仮設校舎での不便な教育活動を余儀なくされる中、PTAとの連携に よるホーム教皇等の空調設備の設置や、部活動の交通手段としてのマイクロバスの購入など、充実した教育環境に向 けて、PTAや同窓会との調整に奔走したものです。お蔭で、中・高の弓道部やカヌー部等が全国レベルの大会で活躍し たことはご存知の通りです。 生徒に直接関わることも大切です。中学3年の生徒には、オーストラリア海外語学研修前に郷土の歴史や先達の話、 高校説明会では学習や進路の話など、高森高校とのスムーズな接続のために意紙の向上を図りました。また、夏休み の進学課外や高森塾では数学の授業も担当しました。また、校長講話では、「読書力」、「感謝と思いやりの心」や、教育哲 学者・森倍三先生の名言「礼を尽くし、場を清め、時を守る」などを、季節の俳句に織り交ぜて生徒に語り掛けたもので す。式辞や講話では中学生にも分かり易く語り掛けたつもりですが、真意が通じたかどうか今でも不安です。 学校PRの一環として地元の小中学校・地域の行事などへの顔出し、中学校長会との連携など、中・高の二足の草鞋 は思わぬ大変な仕事でしたが、貴重な経験となりました。 教月生活最後の3年間を懐かしい母校で志無く勤められたのも、ひとえに関係の皆様方の御蔵です。義に、沫く感 謝申し上げるとともに、高森みどり中と高森高校の益々の発展をお祈りいたします。 祝 高森みどり中学校開校10周年 「守・破・離」 ■き』 崇患憲蓋宝器洋介 山口県下、唯一の併設型中高一貫教育枚の県立中学校として、高森みどり中学校が開校して10周年を迎えた今、こ れまでの諸先輩・卒業生・保護者・地域の昔様方等、多くの関係者の方々のご尽力があってこそ、本校の教育活動が多 くの成果を上げ、着実に前進・発展していることに対し、心からなる敬意と感謝の念を抱いております。 「多様な交流を創造し、生徒一人ひとりの夢を実現する学校づくり」を基本のコンセプトとして、「自律」・「敬愛」・「素 心」の校訓のもと、生徒一人ひとりや先生方が、それぞれの特性・長所を活かし、諸課題を克服しながら、活力と創造性 に満ちた活動と実践が行われていることと思います。 私が在職中にも行われ現在は、さらに、評価・改善がなされ、ますます充実したものとなっていると思いますが、自 己再発見キャンプ(1年)、フレンドシップセミナー(2年)、大学訪問や海外語学研修(3年)、高森・みどり合条(全学 年)等々、多彩な学校行事や豊かな心を育む体験活動が効果的に行われ、日々の学習活動や部活動等とともに、有意義 な想い出と学力向上の檀となっていました。 さて、武道の教えに「守・破・離」という考え方があります。私は、長い間、剣道を学んできましたが、未だに課度と考え ていることです。私なりに日常生活の様々な場面で活用できると思っていることをメーセージとして発信したいと 思います。 「守」とは、師の教えや流派の教え・基礎基本を忠実に守りつつ修行し、それをしっかり身に付けることです。 「破」とは、師の教えや基礎基本の習得の後、自己の特性等に応じて、工夫改善・研究開発・応用発展を図ることです。 「離」とは、自分を作り上げ、自己の日的・目標の実現を図り、一個の独立した人格として成長することです。 常に「守」→「破」→「離」が円滑にいくとは限りません。何度となく壁に当たり悩むことも多いと思います。その時は、 原点である「守」に帰って欲しいと思います。 謙虚に自分を見つめ、「自律・敬愛・素心」の校訓を今一度心にきざみ、高森みどり中学校生・高森高放生としてのほ こりをもち、悔いのない充実した一日一日をおくっていただくことを期待するとともに、高森みどり中学校・高森高 枚のますますの発展をお祈りして開校10周年の御祝いとさせていただきます。 −4−
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