入院診療計画書および手術治療計画説明書 【阻血性壊疽、糖尿病性壊疽】 患者 様 (男性・女性 才)の治療にあたり病状及び手術の必要性等について以 下のとおりご説明いたします。あらかじめお読みください。後ほど担当医からご説明しますので、詳しく聞き たいことやわからないところをお尋ねください。 1. 現在の病名及び病状 病名:(左・右)下肢壊疽(特に ) 病状:下肢痛、足部、下腿の壊疽(上記による疼痛、熱発、敗血症など)。下肢の動脈硬化などにより、血 流が不足して壊死しました。 2. 手術の目的と必要性 敗血症状態のときには救命のために緊急切断します。そうでないときは下肢切断手術よりも血流再建(カ テーテル治療やバイパス手術など)が優先します。まず循環器内科で血流再建を試みます。他院でのバイ パス手術を依頼することもあります。そのような血流再建が適応でない場合や再建後にも残る壊疽は治りま せんので切断しなくてはなりません。切断高位は脈拍や皮膚温感、皮膚潅流圧(SPP 検査)などから総合的 に判断します。切断しても歩けることを目指します。 趾・足背切断:歩行能力再獲得の確率は高いです。義肢は美容的につけることがあります。 足関節切断:歩行能力再獲得の確率は高いです。靴型の義足が適応です。 下腿切断:歩行能力再獲得の可能性があります。長期のリハビリ訓練が必要です。 大腿切断:歩行能力再獲得の可能性は低いです。できるとしても長期のリハビリ訓練が必要です。 認知症や虚血性心疾患などによりリハビリができない・制限される場合には歩行能力は失われます。 3. 予定手術名と方法: (左・右)(大腿・下腿・足関節・足背・第 趾)切断術 4. 手術予定日 20 年 月 日 時頃 予定時間;およそ 時間(手術室在室時間は約 時間です。) 5. 手術に伴う合併症と危険性:別記 6. 手術後の経過及び予想される合併症 手術前日: 夜9時以降は飲食禁止です。 手術当日: 術前・術後に点滴が有ります。集中治療室(ICU)に入る場合もあります。 手術翌日: リハビリを始めます。血液・尿検査、胸部レントゲン、心電図などの検査をします。 術後 14 日: 術後 10〜14 日で抜糸。術創の治癒経過が順調なときは抜糸を待たずに連携病院1に転院 もしくは当院回復期リハビリ病棟2へ転科することがあります。申し訳ないですが、後療法(リ ハビリ)を含めた完治までの入院継続は整形外科病棟ではお引き受けできません。 予想される合併症とその対策 傷の痛み:内服薬、坐薬(ボナフェック坐薬など)、注射薬(ソセゴンなど)、持続硬膜外麻酔・持続静脈 注射で対処します。強い痛みは通常1週間程度でおさまります。 術創付近の痺れ(知覚鈍麻~脱失):皮神経が術創で切断されるために生じます。一定の確率で生じ、 避けがたいです。ご容赦下さい。 断端神経腫:切断した神経の先が、「神経過敏」となることがあります。時に再手術を要します。 1 主な連携病院は、勤医協札幌病院、勤医協札幌西区病院、勤医協札幌丘珠病院、札幌リハビリテーション病院、野 中整形外科内科病院、東苗穂病院、センチュリー病院などです。連携病院に移った場合は、その後の治療や検査 は転院先の方針によります。 2 回復期リハビリ病棟は術後のリハビリを目的とした病棟です。病棟にリハビリ訓練室があり、理学療法士が配置されて います。食事もベッドでなくホールでいただけるなど、より生活の場に近いリハビリができます。整形外科医の回診は 週に1~2回です。 幻肢痛:切断したはずの足先が痛みます。抗うつ剤などで治療します。徐々に現実の切断端まで縮ん できます。 感染症:抗菌剤(ラセナゾリン)を、術直前(手術室で)~術後3日間投与します。術後3日以上経過して も術創がじくじくしている場合は抗菌剤を変更して追加投与したり、傷口を洗う手術を追加することが あります。もともと血行が不良なためしばしば創が治らず再手術が必要です。 深部静脈血栓症・肺塞栓症:術中・術後に下肢の静脈のなかで血液が凝固し、それが肺に流れ込ん で突然に呼吸困難を起こします。足趾・足首の運動、フットポンプ、弾性ストッキング、予防的抗凝固 療法(ゼンアスピリン・アリクストラ・その他 )で予防します。確率を下げることは出来 ますが、それでも重篤な肺塞栓症を起こすことはまれにあります。 CRPS(複雑性局所疼痛症候群):軽度の侵襲でも慢性的に増悪する神経痛を起こすことがまれにあり ます。軽く触れてもびりびり痛いような異常知覚のときは担当医にお知らせください。 心筋梗塞、脳梗塞:もともとの病気により下肢だけでなく全身の動脈硬化症がありますので、危険性は高い です。時には致命的な合併症を生じ死亡することもありえます。 せん妄:ご高齢の方は手術や麻酔の影響で意識レベルが低下し、寝ぼけたときのように正しい状況認 識ができないことがあります。(見当識障害) 一見、認知症の悪化のように見えますが基本的には回 復します。しかし見当識障害のためにご自身に危険なことを行う場合があり、薬や抑制(手足を拘束 するなど)などで安全を確保せねばならないことがあります。 7. 手術前・中・後の輸血可能性(有・無)と副作用(別紙説明あり) 最近は他家血輸血の安全性も高まっておりますので、必要なときには他家血輸血を行います。 8. 麻酔の方法 予定麻酔:無麻酔・局所麻酔・腰椎麻酔・全身麻酔・その他( ) 実施時に予定を変更することもあります。麻酔は(麻酔科医・整形外科医)が担当します。 9. その他(質問、要望事項、説明に用いた補助資料など 20 年 月 日 時 〒007-0870 札幌市東区伏古 10 条 2 丁目 15-1 Tel.代表(011)782-9111 勤医協中央病院 説明医師署名 同席医療者 無・有:署名 同意書(1. 2. 3. のいずれかに○をつけて下さい) 勤医協中央病院 院長殿 1. 私は上記の説明を受け、納得したので手術を受けることに同意します。 2. 私は上記の説明を受けましたが、手術を受けることに同意しません。 3. 私は、セカンドオピニオン(他の専門医などの意見)を聞く機会を希望します。 年 月 日 時 患者様氏名(自署) 同席者署名 ・ 患者が自署困難な場合(未成年者・判断力に乏しい・意識がない等)には代理人が記載してください。 代理人(自署) 患者様とのご関係 連絡先住所 TEL 診療情報管理委員会承認 2009/08
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