Untitled - とやま総合診療イノベーションセンター

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【講演会・座談会】
開催
仕事と子育ての両立に奮闘中の現役女性
医師からのアドバイスが聞けるチャンスです!
託児サービス
あります!
『男性医師も大歓迎です!!』
日時:平成26年12月15日(月)
17:30~18:30(お弁当付)
場所:総合臨床教育センター
≪講師の先生方≫
整形外科
野上
眼科
三原
総合診療部 関島
多目的研修室
真紀子先生
美晴先生
梓 先生
現役で手術室で活躍
されている先生や
外科医の経歴のある
先生方です!
講演後、先生方を囲んでの座談会を開催します!
学生・研修医・医師のみなさん、お気軽にご参加ください!
座談会への参加や託児のお申込み・お問い合わせは
とやま総合診療イノベーションセンターまで
TEL
076-415-8867(内線2452)
主催:とやま総合診療イノベーションセンター、富山県医師会、女性医師支援室
共催:富山大学男女共同参画推進室、卒後臨床研修センター
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平成27年 1月 17日(土)
いこいの村 磯波風 会議室
とやま総合診療イノベーションセンター
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序文
富山大学医学部
富山プライマリケア講座
客員助教
三浦
太郎
とやま総合診療イノベーションセンターでは、日本プライマリ・ケア連合学会
認定家庭医療後期研修プログラム「NANTO-RENKEI総合診療医養成プログラム
(以後NANTOプログラム)」を運営し、総合診療医を育成している。前身の
NANTO家庭医養成プログラムを含め、現在までに2名の家庭医療専門医を輩出し
ている。今年度は6人もの後期研修医(1年目4人、2年目2人)を抱くことが出
来た。
普段の研修は、別々の施設で行っている。今までは後期研修が1施設のみで育成
を行っていたため、多施設での研修の質を保つために一堂に会した勉強会の必要
性があった。そのためNANTOプログラムでは、前年度から毎月開催しているポ
ートフォリオ勉強会に加えて、ePortfolioシステムを開発して遠隔地でも日々の研
修のサポートを行えるような体制や、半日をかけて行うポートフォリオ発表会を
年に二回企画をした(今年度は初回であったために6月は研修医のポートフォリオ
発表は行わず、座学中心であった)。
発表会では他プログラムの研修医も含め7名もが自らの経験を元としたポート
フォリオを発表し、指導医達とディスカッションを行った。また、北海道から川
口篤也先生をお招きし、研修医に対して熱いメッセージをいただけた。
これからも、総合的に診療出来る医師の養成という国民の期待に応えられるよ
うに、研修医達が戦力となって専門医となれるようにサポートしていきたい。
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NANTO-RENKEIプログラム ポートフォリオ発表会 出席者名簿
日時 平成27年1月17日(土)13:00~
17:00
場所 いこいの村 磯波風
(順不同,敬省略)
病院名
とやまNANTO
-RENKEI
南砺家庭・地域医療センター
飛騨市民病院
参加者
室林 治
S1
南砺市民病院
中村 香代子
小林 直子
大浦 誠
S1
かみいち総合病院
佐藤 幸浩
S1
糸魚川総合病院
上平診療所
山谷 怜司
河合 皓太
樋口 清博
S2
村中 絵美理
長野赤十字病院
林 聖也
君津中央病院
村山 愛
富山県立中央病院
泉田 俊秀
富山大学 山城 清二
三浦 太郎
渡辺 史子
吉田 樹一郎
S1
関島 梓
S2
長妻 正浩
学生
山本 実波
粟森 佳世子
植田 寛生
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≪スケジュール≫
♣ オープニング
・ プログラム責任者 山城 教授 挨拶
・ オリエンテーション
・ アイスブレーク
♣ ポートフォリオ発表会 1部
・ 河合 皓太先生 <かみいち総合病院> ・ 関島 梓先生 <富山大学附属病院> ・ 中村 香代子先生 <飛騨市民病院> ♣ 休 憩
♣ ポートフォリオ発表会 2部 ・ 村山 愛先生 <君津中央病院> ・ 林 聖也先生 <長野赤十字病院> ・ 長妻 正浩先生 <富山大学附属病院> ・ 村中 絵美里先生 <上平診療所>
♣ 休 憩
♣ 講演 「真に患者の意思決定を支えられる医師へ」
講師 勤医協中央病院 総合診療センター 副センター長
川口 篤也 先生
♣ 投 票
♣ エンディング
・ 表彰式 ・ ご講評 ・ おわりの言葉
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自己紹介
真に患者の意思決定を
支えられる医師へ
• 2003年
北海道大学医学部卒業
• 2003年
勤医協中央病院 初期研修医
• 2005苫小牧
2007年
釧路の地方中規模病院
• 2008年
勤医協中央病院 総合診療部
• 2012年10月東京医療センター 総合内科
• 2013年勤医協中央病院 総合診療センター
とやまNANTO-RENKEIプログラム
ポートフォリオ発表会
2015年1月17日
勤医協中央病院 総合診療センター
川口 篤也
[email protected]
勤医協中央病院
勤医協中央病院
• 札幌市にある約450床の急性期病院
• 救急車7000台/年 ペース
• 初期研修医定員14名
• 総合診療センター 37床+α
• 指導医3+, 後期研修医4-5名, 初期研修医4-5名
• 北海道勤医協 総合診療グループ
GPMEC
(General Practice and Medical Education Center, Hokkaido Kin-ikyo)
患者の意識決定支援に最も大事
なものは?
GPMEC
• 家庭医、病院総合医のグループ→総合診療科
• プライマリ・ケア学会認定指導医 10人
• 家庭医療専門医 5人
• 後期研修医 14人
• 勤医協中央病院+地方中規模病院
• 教育診療所 3+α
• BPS ?
• PCCM ?
• FOPC ?
• COPC ?
• COPD ??
* そもそも略語の意味わかりますか?
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最も大事なものは・・・
まずはがむしゃらに・・・
•臨床能力(bio-medical model)
• 臨床力を高めてください
• EBMを学び実践してください
*臨床力(診断、治療etc)がなければ、いくら態度が良くても
信頼されません
→適切な意思決定支援が出来ない
医師たるものすべての基本は
臨床能力です
もう一つはコミュニケーション能力
EBMで最も大事な要素は?
• 医学的知識は圧倒的にこちら側が持っている
・step4 情報の患者への適応
• 患者の情報は
持っている
圧倒的に患者側が
・エビデンス
・患者の病状と周囲を取り巻く環境
・患者の好みと行動
・医療者の臨床経験
• 医学的知識だけでは治療方針は決まらない!
*医学的知識だけでは方針は決まらない!
臨床倫理4分割法
医学的知識だけでは方針は決まらない!
• ただし、医学的知識があることが前提なのです
∴
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臨床力は大事
診断・分析のツールとして
PCCM(患者中心の医療の方法)
• 複雑な問題にはbio-medical model のみでは対処
できない
BPS(Bio-psyco-social) model
PCCM(Patient-Centerd Clinical Method)
FOPC、COPC、etc などがある
• 最も大事な要素は?
→共通の理解基盤に立つ
→合意形成
合意形成には
いろいろなことを・・・
•医学的知識≒臨床力
• 統合してその人に最善の意思決定を支援する
のが
• 患者の好みなどの情報、周囲の状況など
→それらを得るコミュニケーション能力
家庭医・総合医の本領
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2015/1/17 ポートフォリオ発表会 アンケート 結果
平均点(5点満点)
★全体を通して
時間
内容
4.71
4.94
【感想】
・ よかった
・ 時間通りに運んで大変良かったです。
・ 身近な若い先生のお話しが聞けて良かったです。
・ とても良い雰囲気でいたし、時間厳守されていました。
・ 色々な切り口での発表が聞けて、良い刺激になりました。
・ 患者さん本人や、それを取り巻く環境、家族との関わり方について考えることが今まではほとんどなかっ
たので、改めて医師としての在り方がどうなのかを考える機会になりました。日々勉強して患者さんに
とって良いことが何かを考えておられる先生方も多くおられるなぁというのが今回参加して一番の驚きに
なりました。参加してよかったです。
・ あたたかい雰囲気でした。
平均点(5点満点)
★ポートフォリオ発表会
時間
内容
4.41
4.82
【感想】
・ 短くてきれるのは少しかわいそうだった。
・ 楽しめました!が、シート記入の間どうしても変な間になりますね。(発表後に書くのも大変なので、発表
中にメモ的なものが必要でしょうか?)
・ もう少しディスカッションしたかったです。
・ 1つ1つ丁寧にふりかえる重要性を感じました。
・ 司会、緊張しました。時間守れてよかったです。
・ ポートフォリオ(発表)のある意義・効果が今回は少しわかったのかなと思います。
・ 自分の”話力”の無さを恨みます。(笑)
・ 患者さんにとって良いことを行うための日々の努力がみれて大変参考になりました。
・ 発表時間が短かったので、言いたいことは言い切れなかったが、これ以上は蛇足になりそうなので、ちょ
うどよかったかも。
平均点(5点満点)
★川口先生のレクチャー
時間
内容
4.82
4.65
【感想】
・ とてもわかりやすかった。
・ 四分割表の実践がもう少し見たかった気もします。(ケースなど)
・ 自分の病院でも実践できるように頑張ります!一番大切なのは臨床能力というのえお肝に銘じて頑張り
ます!
・ もう少し、カンファレンスの実際の内容と思っていました。とてもわかりやすいメッセージをいただきまし
た!
・ 川口です。柄にもなく少し緊張したんですね。自分の中では、反省です。
・ 大切なことを2つ絞って話をして下さり、今後の生活に活かせていければと思います。
・ ”大事な事を繰り返す”というのは良いですね。しかもシンプルでわかりやすい。
・ 臨床力の重要性とコミュニケーションの重要性について今後しっかりと学んでいただきたいと思いまし
た。
★全体を通しての感想
・ 非常に勉強になりました。持ち帰って今後の当院のプログラムの参考にさせていただきます。
・ とてもよい会でした。
・ 室林先生の痛さを伴うことも発表してもらってという言葉が印象的でした。運営もとってもよかったと思い
ます。
・ 貴重な体験でした。ありがとうございました。
・ 次回に更に良いものを作ってください。応援しております。
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The UK
The Netherlands
日時 2015年2月16日(月)17:30~19:30
場所 富山大学杉谷キャンパス臨床講義室Ⅰ
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目次
写真
・・・ 1
講演
General Practice in the Netherlands(オランダの GP(家庭医/総合診療医) ・・・ 2
Dr. Wilbert Sluiter (オランダ家庭医)
英国の保健医療制度における家庭医の役割
人に寄り添い、地域で支えるプライマリ・ケアとは
・・・ 15
澤 憲明 先生 (イギリス家庭医)
参加人数
248
・・・ 25
講演会
多数のご参加お待ちしております
主催 とやま総合診療イノベーションセンター(CIGM) (076-415-8867)
総合診療部
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平成27年2月16日(月) 講演会「世界の在宅医療・家庭医療」
ウィルバート・スルーター先生(オランダ), 澤 憲明先生(イギリス)
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講演会「世界の在宅医療・家庭医療」参加人数
日時 平成27年2月16日(月) 17:30~19:30
講師 オランダ家庭医 Wilbert Sluiter 先生
イギリス家庭医 澤 憲明 先生
場所 臨床講義室1
参加者 64人(学内46人、学外18人)
【学内】 46人
(人)
医学部1年
1
3年
4
4年
4
5年
5
6年
3
大学院
1
薬学部5年
3
看護部
2
薬剤部
1
看護学科教員
2
医学科教員
16
事務
4
【学外】 18人
(人)
富山市
4
富山県看護協会
2
名古屋掖済会病院
1
富山県立中央病院
3
富山県高志リハビリテーション病院
2
かみいち総合病院
1
訪問看護ステーションひよどり富山
1
富山型デイケア にぎやか
1
ものがたり診療所
1
福井大学
1
金沢医科大学
1
総合衛生学院
1
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講演会
「君はグッとくる医者に
なれるか?」
報告書
山中克郎先生
(諏訪中央病院 院長補佐)
日時 2015年3月19日(木)18:00~19:00
場所 富山大学杉谷キャンパス臨床講義室2
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研修医・若手医師・学生のみなさまへ
ドクターG 山中克郎先生講演会
君はグッとくる
医者になれるか?
・最初の1分間の出会いで心をつかむ
・診断力をアップする問診法
・実演を含んだフォーカスを絞った診察
についてお話をいただく予定です
3月19日(木)18:00~19:00
場所:臨床講義室2
参加費無料・登録不要
是非皆様お越し下さい!
主催:
・総合診療部
後援:卒後臨床研修センター
<略歴>
1985年 名古屋大学医学部卒業
1985年-1987年 名古屋掖済会病院 研修医
1987年-1994年 名古屋大学医学部大学院
1989年-1993年 バージニア・メイソン研究所(米国シアトル)研究員
1995年-1998年 名城病院 内科
1998年-2000年 国立名古屋病院 血液内科
1999年-2000年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF) 一般内科
2000年-2006年 名古屋医療センター 総合診療科
(旧 国立名古屋病院 総合内科)
2006年-2010年 藤田保健衛生大学 一般内科/救急総合診療部 准教授
2010年-2014年 藤田保健衛生大学 救急総合内科 教授 2014年12月−現在 諏訪中央病院 内科 院長補佐 <著書・DVD>
「ERの哲人」(CBR)
「救急・総合診療スキルアップ」(CBR)
「ダ・ヴィンチのカルテ」(CBR)
「外来を愉しむ 攻める問診」(文光堂)
「UCSFに学ぶ できる内科医への近道」改訂4版(南山堂)
「逆引き みんなの医学書」(祥伝社)
「Dr.山中の攻める問診」DVD(ケアネット)
<専門> 研修医教育、救急総合診療
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平成27年3月19日(木) 講演会
「君はグッとくる医者になれるか?」
山中克郎先生(諏訪中央病院)
<総合診療部 北先生から講師の山中克郎先生をご紹介>
<患者さんと同位置または下から目線を合わせることの大切さを説かれる山中先生>
<ときにはジョークも交えながら>
<手のひらのどこを診れば良いか赤色マーカーで印付け>
<熱心にメモを取る参加者の学生・若手医師のみなさん>
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<診察の実演>
<熱心に講演に聞き入られる学生、研修医、指導医、
他病院の先生方。 ビデオを撮られる先生方も。>
<飛び交う質問>
<実演後、ユーモアで沸く会場>
<講演終了後も先生の指導の周りに集まる皆さん>
<講演終了後も続く熱い指導>
<山中先生と患者役の先生。
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胸部には説明時のマーカーが。>
君はグッとくる医者になれるか
諏訪中央病院
内科総合診療部
山中克郎
3/19/2015
優秀な内科医は 80%の診断を問診だけでつけるそうです。残りの 10%は身体所見、
10%は血液/尿検査・画像などの検査が診断に寄与するようです
1)
。医学教育の基礎を
築いた William Osler 先生(1849-1919)も次のように述べています。
If you listen carefully to the patient, they will tell you the diagnosis.
患者さんの言葉に耳を傾けなさい。そうすれば自ずと診断は見えてくる。
問診は大切ですが、患者さんの話をそのまま聞いていてはだめです。症状や既往歴を
聞きながら、どこが責任病巣でどのような疾患の可能性が高いのか、鑑別診断をどんど
ん絞り込んでいくことが重要です。診断に必要なことをズバッと聞きこむ問診技術の習
得が必要なのです。
① 心をつかむ
不安を持って訪れる患者さんに対しては「それは大変だったですね。今日来ていただ
いて本当によかったと思います」と心から共感を持って接し手を握りしめます。最初の
3 分間で患者さんの心をグッとつかむことが大切です。心が通わなければ重要な情報は
聞きだせなくなります。患者さんは全てを医者に話すわけではありません。ただ手を握
るだけでは不十分です。患者さんに話しかけながら意識レベルをチェックします。橈骨
動脈に触れながら血圧、心拍数(不整脈の有無)、呼吸回数、体温を推定します。プレ
ショック状態なら何とも言えない嫌な冷汗を感じます。
② 腹痛の問診
【内臓痛か体性痛か】
内臓痛とは『管の痛み』です。消化管、尿管が詰まったため管が収縮し詰まったもの
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を押し出そうとする時の痛みです。痛みに波があり局在がはっきりしません。授業中、
下痢になった経験は誰にでもあるだろうと思います。急に腹痛を感じますが、お腹をさ
すっていると少し楽になります。やれやれ、もう少しで授業が終わるなと思っていると、
またお腹がキリキリ痛くなります。痛みに波がある間欠痛です。でも、今日の下痢は右
の下腹部だな・・なんて思わないですよね。内臓痛は局在がはっきりしません。振動で
響くこともありません。
同じ内臓痛でも疾患により間欠痛の性状は大きく異なります。尿管結石では高いピー
クの痛みが短い周期で生じ、痛みが収まっても痛みが完全になくなることはありません。
ベッドで痛みのために転げ回って(七転八倒)いる患者を見たら,恐らく尿路結石か卵
巣のう腫頸捻転です。腹膜炎があれば体動で痛みが響くので、ベッドで体をクルクル動
かすことはできないのです。
小腸や大腸の閉塞(イレウス)では、小腸の疝痛の方が大腸に比べて痛みのピークが
高く疝痛周期が短いです。イレウスでは痛みが引くと痛みはほぼゼロになります(これ
は下痢の時の自らの体験に一致します)。大腸イレウスの方が感染症を起こすため緊急
性は高いですが、小腸イレウスに比べて症状が出にくいことに注意する必要があります。
胆石発作は正確には間欠痛ではなく持続性の痛みです。胆石や胆泥により胆汁の流出障
害が起こると胆嚢が緊満します。その後、細菌や浸出液が胆嚢周囲に滲出し限局性の腹
膜炎が起こるためでしょう。
体性痛とは『膜の痛み』です。腹膜、胸膜の痛みです。限局性であり振動でお腹に響
きます。だから虫垂炎のため虫垂が穿孔し腹膜炎を起こした患者は、右下腹部を痛がり
絶対にベッドで動こうとしません。できるだけ腹部に振動を与えないよう、すり足でゆ
っくりと歩いて診察室に入ってきます。
③心臓の診察
視診
・ 頸静脈波
a 波は心房収縮、v 波は頸静脈に血液が満たされることで発生する。
Cannon A 波➡完全房室ブロック、v 波の増大➡TR
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・ 腹部頸静脈逆流(abdomino-jugular reflux)
心窩部を 10 秒間圧迫し右頸静脈が怒脹すれば陽性➡左房圧の上昇
触診
・ 心拍動最強点(PMI)
1) 鎖骨中線より外側、2)2 つの肋間にまたがって触知、3)収縮期全体に拍動
していれば、左室肥大
・ スクラッチ法による心臓の大きさ測定
聴診
・ S1 は亢進しているか?(心基部で S1>S2)➡MS、高拍出性心不全、左房粘液腫
・ S2 の分裂:固定性分裂➡RBBB、奇異性分裂➡LBBB、AS
・ 収縮期雑音(多いのは AS、MR)
・ 拡張期雑音(静かな部屋で座位+前傾姿勢+最大呼気時に AR を調べる)
・ 急に起こった AR➡大動脈解離、感染性心内膜炎
・ S3/S4 は聞こえるか?(左 45°臥位で)
283
心不全
【左心不全】
症状:運動時の息切れ、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難(就寝後 1−2 時間して起こ
る)、慢性の痰を伴わない咳
身体所見:①肺下部背側の crackles、②呼気時喘鳴(気管支喘息と似ている)
③S3(感度 13%、特異度 99%)
、④腹部頸静脈逆流(肺動脈楔入圧 PCWP と相関)
284
【右心不全】
症状:食欲低下/嘔気(消化管の浮腫)、右上腹部痛(うっ血肝)、下腿浮腫
身体所見:頸静脈圧上昇、肝腫大、腹水、右心系 S3
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AS
症状:自覚症状が出てからの予後は悪い。心不全(2 年)失神(3 年)狭心痛(5 年)
身体所見:右肩から心尖部にかけて帯状に最強点が広がる、ダイアモンド型の収縮期
雑音(心雑音ピークは中期〜後期)
、S2 の減弱、頸動脈の立ち上がりがゆっくり、雑音
は頸部に放散
MR
身体所見:心尖部で最強点。汎収縮期雑音。腋窩に放散。
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講演会「君はグッとくる医者になれるか?」参加人数
日時 平成27年3月19日(木) 18:00~19:00
講師 諏訪中央病院 山中克郎 先生
場所 臨床講義室2
参加者 50人(学内43人、学外7人)
【学内】 43人
(人)
医学部2年
1
3年
3
4年
10
6年
2
研修医
9
医学科教員
15
事務
3
【学外】 7人
(人)
紺谷内科婦人科クリニック
1
かみいち総合病院
2
南砺市民病院
2
砺波総合病院
1
金沢医科大学医学科2年
1
287
富山大学附属病院 とやま総合診療イノベーションセンター
〒930-0194 富山県富山市杉谷2630
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