品川の共同住宅設計で分かったBIMのメリット ~初めてBIM設計を実践した奮戦談~ 2010年4月15日 ヤマガタ設計 山形雄次郎 ある受講者からのメール BIMに興味を持った理由は、現場で実施設計をしている時に、 インターネットの世界はこんなにも便利なのに、 建築の世界はどうしてこんなめんどくさい作業が多いのだろう と感じていたからです。 不整合の発見、検討、質疑等など。 正直、この殺伐とした建築の世界から逃げ出して、 他の業種に転職も考えておりました。 しかし、お話を伺い、何か新しいものが生まれる予感がし、 もう少し建築の世界で生きてみようという気持ちになる事ができました。 建築の世界に希望の光を与えて頂いたことに感謝いたします。 ありがとうございました。 BIMは、 ・低収益体質 ・サブプライム問題に端を発する 建築ビジネス界の急速な陰り ・環境問題 といった諸問題を解決するための ツールとして効果的 『BIM建設革命』(山梨和彦著) より BIM = 美夢 本日の講演のポイント 国土交通省のBIM導入の発表の衝撃 品川の物件で体感したメリットとデメリット 美夢を悪夢にしない方法 平成22年3月31日 ついに国交省がBIMの導入を発表! 「平成22年度においては、主に基本設計段階で BIMを用いることとした設計を試行します。」 国交省のBIM発表により、 もう「BIMを導入すべきかどうか、 BIMは本当に実務で使えるか?」を 議論している場合ではなく、 BIMを導入することを前提として、 ・BIMをいつ導入すべきか? ・BIMソフトはどれを導入するのか? ・BIMをどのように導入するのか? ・BIMのデメリットをいかに少なくするか? という議論をする時期にきた。 品川の共同住宅で実感したメリットとデメリット 【メリット】 ◆ 基本計画に便利 ・壁や建具の位置変更が容易で、プラン検討がしやすい。 ◆ 3次元設計の魅力 ・3Dプレゼンを設計初期からできるので、施主の合意を得やすい。 ◆ 変更に対する恐怖解消 ・かなり設計後半にはいっても気持ちよく設計変更ができる。 ◆ 作業時間の短縮 ・各図面に連動するので、結果として作業時間が少なくてすむ。 ・結果、外注を減らせたり、精神的余裕から、地域や社会、 地球環境を考えられる。(建築家としての本来の任務) 品川の共同住宅で実感したメリットとデメリット 【デメリット】 ◆ 建具制作が困難 ・特殊形状の建具(ファミリ)の制作が自分ではなかなか難しい。 結果としてソフト側の都合で設計内容を変えることにつながり、 これが設計者として心苦しい。 ◆ 2D変換に難 ・2D-CAD、特にJwwへの変換が苦しい。 ◆ 詳細表現は難 ・矩計図には現段階では使用が難しい。 ◆ 価格 ・高い 建築知識5月号(4月20日発売)に掲載 レジデンスAT新築工事 用途:共同住宅(19戸) 施主:AT情報研 設計:ヤマガタ設計 施工:大友建設 場所:品川区二葉 美夢を悪夢にしない方法 ・BIMをいつ導入すべきか? ・BIMソフトはどれを導入するのか? ・BIMをどのように導入するのか? ・BIMのデメリットをいかに少なくするか? 3D&CG&BIM Webマガジン【建築夢想】 http://yyamagata18.blog83.fc2.com/ 「ビム風」を起こして 建設業界の信頼回復・向上 BIMコンサルタント 山形雄次郎 信用は巨万の財産である。 儲かるという字は、 "信用ある者"とあるではないか。 『光に向かって心地よい果実』(一万年堂出版)より 』 完
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