5 「公害を未然に防止する」 - 小金井市

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「公害を未然に防止する」
住宅都市である小金井市では、目立った公害は発生していません。
しかし、一部、道路騒音や地下水水質などで環境基準を超過しており、また、住宅と事業所の近接
地域で騒音や悪臭の苦情が発生するなど、生活型公害は少なくありません。さらに、有害化学物質の
問題に象徴されるように、将来、新たな公害問題が明らかになる可能性も否定できません。
行政や事業者等が、それぞれに、監視・測定や規制・指導、発生抑制など公害の未然防止に向けて必
要な措置をとり、公害が発生した場合には、迅速で的確な措置を講じます。また、さまざまな主体が、
公害問題に関する科学的知見や情報を共有し、コミュニケーションを図りながら、公害の未然防止や
解決に取り組み、健康で安全に暮らせる生活環境を守っていきます。
現状と課題
◆ 道路交通騒音が環境基準を超過
市内では道路交通騒音の測定地点が5箇所あります。平成11年度以降の毎年度、昼間・夜間のいず
れも環境基準を超えている個所があり、自動車による騒音の解消が課題となっています。
◆ 都市生活型の悪臭、ばい煙、騒音の苦情が多い
公害に関する苦情は、近年では件数が増加しており、苦情内容は悪臭やばい煙、騒音が大部分を占
めています。その多くは、住宅地で発生する生活型の公害苦情です。
◆ 地下水水質で環境基準超過
現在、市では市内10箇所で浅層地下水の水質を測定しています。地下水の水質は、平成10年以降、
3箇所でテトラクロロエチレンについて環境基準を超過しています。
◆ 新たな化学物質等に関する情報提供が課題
近年では、ダイオキシンをはじめとして、化学物質による人体への影響や環境汚染の問題が報告さ
れており、化学物質の問題に対する市民の関心も非常に高くなっています(小金井市環境部 平成14
年「小金井市の環境についてのアンケート」)。しかし、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)など
多くの化学物質については、人の健康や生態系にどのような影響をもたらすのかはっきりわかってい
ません。このため、新たに得られた知見などに関する情報を、市・市民・事業者で速やかに共有する
ことが必要となります。
取り組みの方向
5.1
公害対策
大気や土壌の汚染、水質の汚濁、騒音など、環境基準が定められた公害について監視・測定を継続
的に行うとともに、都の助成制度等を活用した防止対策や、発生源に対する適切な規制や指導を進め
ます。また、生活型の公害に対処するために、苦情相談機能や健康の影響などに対する相談も充実さ
せます。
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第3章 目標達成に向けた取り組みの展開
5.1.1
大気汚染対策を進める
大気汚染対策として、監視・測定を継続的に実施します。小金井での主な汚染源である自動車排ガス
に対しては、市としては公用車やCoCoバスへの天然ガス車の導入などの取り組みを行っていますが、
今後、自動車の使用抑制、低公害車の導入、公共交通網の整備、自転車でも走りやすい道路環境の整
備、国や都と連携した交通需要マネジメントの導入などを一層進めます。
5.1.2
水質汚濁対策を進める
水質汚濁対策として、公共水域の水質や事業所等の排水について、監視・測定・指導を行います。小
金井市内の河川の水質汚濁の主な原因として、流量の減少や雨天時の下水道の越流水があげられるた
め(⇒3.2、3.3参照)、流量回復の取り組みや下水道の合流改善に取り組みます。
小金井の市民や事業者が、暮らしの中でできるだけ水を汚さないよう努力し、下水道にかかる負荷
を軽減することも必要です。
5.1.3
土壌・地下水汚染対策を進める
土壌・地下水汚染について、市の監視・測定の体制を整備し、事業所等に対する指導を実施します。
汚染の未然防止のために、事業者による化学物質の適正管理や、除草剤、農薬・化学肥料等の適正な
第
3
章
使用を求めていきます。
5.1.4
その他の生活環境保全対策を進める
幹線道路沿いの測定地点では、道路交通騒音が昼夜を問わず環境基準を超えていることから、自動
車の騒音対策が必要であり、国や都と連携して、沿道対策、道路構造対策、交通需要マネジメントな
どに取り組みます。
住宅地を中心に、悪臭、騒音などの生活型公害に関する苦情が多発しており、法律や条例に基づく規
制・指導とともに、苦情相談・調整を充実させます。
低周波音・電磁波・電波障害・日照阻害・光害などの問題についても、情報の収集・提供に努め、
苦情相談を充実させます。
大規模開発については、環境への著しい影響や、地域住民の生活環境への影響のおそれがある場合
は、環境影響評価制度の適切な運用により、情報開示などを促し、環境影響や紛争の発生を防止しま
す。
5.2 有害化学物質対策
環境中に排出された化学物質は、人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすおそれがあり、その環境
リスクを評価して、低減させるための措置をとる必要があります。
ダイオキシン類やPCBは、規制の対象となっていますが、その他にも膨大な数の化学物質がありま
す。その環境影響を未然に、そしてより効果的に低減していくために、排出等に関する情報を把握・
共有し、リスクコミュニケーションを図りながら、化学物質の適正管理に努めます。
5.2.1
化学物質を適正管理する
ダイオキシン類やPCBなど、直接的に規制されている有害化学物質について、法令に基づき、影響
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展目
開標
達
成
に
向
け
た
取
り
組
み
の
の防止に努めます。
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)や都の
「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(環境確保条例)に基づき、事業者は、使用する化
学物質について適正な管理と情報提供を行います。市は、事業者の取り組みを促進するために、技術
的な助言その他の措置を講じるとともに、市民や事業者に対する情報提供を行うよう努めます。
家庭で使用される化学物質を含む製品についても、情報の提供と周知をはかり、適正な使用と廃棄
が行われるように指導します。
5.2.2
リスクコミュニケーションを促進する
化学物質による環境リスクに関する正確な情報を、すべての主体が共有しながら相互の意思疎通を
図り、リスク低減を目指すことが大切です。そのため、市民や事業者等に、化学物質のリスクなどに
関する情報や対策等について、わかりやすく伝え、問い合わせや相談への対応を充実させます。また、
市民や事業者などさまざまな主体間の化学物質に関するリスクコミュニケーションを促進します。
清掃事業の管理運営等においては、情報公開や、双方向コミュニケーションを基本とした事業推進
に努めます。
5.3 ヒートアイランド対策
近年、東京における深刻な環境問題としてとりあげられるようになったヒートアイランド現象は、
小金井市内でも、緑地や裸地が減少し舗装面や建築物が増大した地区で実感されるようになっていま
す。今後、緑地や水面を確保してまち全体を冷やすなど、ヒートアイランド現象の防止や緩和に努め
る必要があります。
5.3.1
市域におけるヒートアイランド現象の実態を把握する
観測地点を定め、モニタリング実施体制を整備して、実態把握と継続的な監視・測定を行います。
5.3.2
緑地や水面を確保する
緑地や水面を維持・増加させるため、緑の保全や緑化、舗装の見直しに取り組みます。また、ヒー
トアイランド対策には、風が通る連続的な空間(いわゆる風の道)の確保が有効であると考えられてお
り、緑と水の連続性を確保する(⇒4.1.1参照)ことと合わせて、風の道づくりを検討します。
5.3.3
建物敷地・道路・建築物のコンクリートやアスファルト舗装を見直す
建物敷地や道路等の舗装を見直し、保水性舗装、透水性舗装を進めるほか、舗装道路の路肩部分を
土のまま残すなど、蒸発散機能を回復します。また、東京都などと連携し、効果的な手法や進め方を
検討します。
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第3章 目標達成に向けた取り組みの展開
CoCoバス
第
3
章
展目
開標
達
成
に
向
け
た
取
り
組
み
の
小金井公園
公害
空気の汚れや自動車の問題について発言する子どもがたくさんいました。小金井は「空がき
れい」「煙が少ない」などと言う子どももいましたが、「空気が汚い」「排気ガスがある」「東
八道路に車がいっぱい通る」「アスファルトが暑い」などの意見も出されました。
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