(仮称)カインズモール高槻店 環境影響評価書 建設事業に係る 概要版 平成19年8月 株式会社カインズ はじめに 株式会社カインズでは、高槻市大塚 1 丁目における商業施設の建設にあたり、高槻市環境影響評価条 例に基づき、事業実施による環境への影響について、調査、予測及び評価を行い、その結果をもとに環 境影響評価書を作成しました。 この概要版は、そのあらましをまとめたものです。 ぜひ、ご一読いただき、本事業にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 計画施設の概要 位置 高槻市大塚 1 丁目 158 番地 1、158 番地 6 敷地面積 約 29,000 ㎡ 建築面積 約 16,000 ㎡ 延床面積 約 17,000 ㎡ ホームセンター 地上 2 階 (2 階(屋上)は駐車場として利用) 食料品スーパー 地上 2 階 (2 階(屋上)は駐車場として利用) 階数 主な用途 店舗 建物の高さ 約 15m 構造 鉄骨造 駐車台数 745 台 駐輪台数 230 台 計画施設配置図 入庫動線 出庫動線 (点線は搬入・廃棄物収集車両の動線) ①② 出入口 No 1 自動車走行ルート 来客車両の走行ルートは、事業計画地周 辺の環境の保全に配慮し、幹線道路を中心 ●来店車両の基本走行ルート図 に計画しています。 国道 170 号による北からの入庫は入口① での左折を原則とし、北への出庫は出口② を左折し大塚北線に出た後に大塚北交差点 を右折する計画です。 一方、国道 170 号による南からの入庫は、 事業計画地より約 300m 南にある大塚南交 差点を左折して、西冠大塚線、大阪高槻京 都線を経て国道 170 号を南進し、入口①を 左折する計画です。国道 170 号による南へ の出庫は出口①での左折を原則とします。 ② ① 入庫ルート 出庫ルート ①② 出入口 No. 緑化計画 敷地周辺には、緑地を設け、特に住宅地が近接している計画地東側については、計画施設と住宅地の 間に 5mの緑地帯を確保し、高木(ハナミズキなど)及び低木(サツキなど)を組み合わせて配置する 計画です。 廃棄物処理計画 施設の利用に伴い発生する主な廃棄物は、紙(ダンボール)、生ごみ、発泡スチロールなどであり、許 可業者に委託して処理します。 なお、牛乳パック、リターナブルビン、ペットボトル、缶、ビン及び容器包装プラスチックは積極的 に回収し、契約処理業者にて再資源化、再利用します。 建設工事にあたっては、コンクリートがら、アスファルトがらは、再生砕石や路盤材として利用し、 木くずは、木材チップに加工して製紙工場等で利用します。紙くずは、ダンボール原料として利用しま す。これらの計画により廃棄物の発生量及び処分量を抑制します。 2 工事計画 工事期間は約 7 カ月を予定しています。 ●工事用車両の走行ルート図 準備工事では地盤改良工事等、基礎工事 では杭の施工、躯体工事では鉄筋の配 筋・鉄骨の組み立て・コンクリート打設、 仕上工事では内外装の仕上げ、外構工事 では舗装・植栽等を行います。 ●工事工程 カ月 1 準備工事 基礎工事 躯体工事 仕上工事 外構工事 2 3 4 5 6 7 建設工事用車両の 走行ルート 環境影響評価の項目、調査、予測及び評価の手法 環境影響評価項目 本事業の実施による環境への負荷、周辺の土地利用及び環境などの地域特性を考慮して、下表に示す 項目を環境影響評価項目として選定しました。 環境影響要因 環境影響評価項目 交通 大気質 騒音 振動 低周波音 悪臭 土壌・地下水汚染 気象 日照阻害 電波障害 文化財 景観 廃棄物 地球環境 施設の存在 建築物の 存在 施設の利用 来店車両 施設の供用 等の走行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 建設工事中 建設機械の 建設工事用 稼働 車両の走行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 土地の改変 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 3 ○ 調査の手法 事業計画地周辺の環境の現況について、既存資料や現地調査により把握しました。 予測の手法 事業の実施に伴う環境への影響について、コンピューターを用いた数値シミュレーションなどの方法 により予測を行いました。 評価の手法 予測結果について生活環境の保全等の見地から客観的に評価するため、「環境への影響を最小限にと どめるよう、環境保全について配慮されていること」、 「環境基本法に基づく環境基準の達成と維持に支 障がないこと」などの観点から評価を行いました。 環境影響評価予測及び評価の結果 交通 ●施設の利用による影響 施設の利用時のピーク(休日)において、各交差点の飽和度はいずれも 0.9(信号制御による損失 時間を考慮した交差点の処理限界)を下回っています。ただし、交差点前後の道路の混雑度について は、辻子交差点の西からの流入の右折と、新今堀橋の南からの流入において 1.0 を上回っています。 これらについては、信号現示の改良や交通抑制策など総合的な施策について、関係機関と協議して適 切な措置を講じます。 ●建設工事による影響 工事用車両の走行ルートである国道 170 号の現況交通量に対して、増加率が最も高くなる午前 8 時 においても、約 4%程度の増加であるため、周辺交通への影響は軽微であると判断されます。 大気質 ●施設の利用による影響 自動車排ガス及び駐車場排ガスによる大気質濃度の増加は、二酸化窒素の日平均値の年間 98%値で 最大 0.0005ppm、浮遊粒子状物質の日平均値の年間 2%除外値で最大 0.0005mg/m3 であり、施設の利用 時の濃度は環境基準を達成しています。 ●建設工事による影響 建設作業排ガス及び工事用車両排ガスによる大気質濃度の増加は、二酸化窒素の日平均値期間 98% 値で最大 0.0084ppm、浮遊粒子状物質の日平均値の期間 2%除外値で最大 0.0038mg/m3 であり、建設工 事期間の濃度は環境基準を達成しています。建設工事による短期的な影響についても、予測結果は環 境基準値及び指針値を下回っています。また、工事用車両の走行に起因して発生すると考えられる粉 じん等は、工事用車両の点検・整備のほか、タイヤ洗浄を行い、その発生防止に努めるほか、出入口 付近や一般道路を散水により清掃することで、飛散防止できるものと判断されます。 4 騒音 ●施設の利用による影響 施設の利用による騒音については、等価騒音レベルは周辺住居等で環境基準を達成しています。ま た、現況で環境基準値を超過している地点については施設の利用による騒音の悪化はありません。敷 地境界における空調・換気設備による騒音レベルの最大値は、10dB∼55dB であり、各時間帯において 規制基準値を下回っています。夜間騒音については周辺住居等で規制基準値を下回っています。来店 車両等の道路走行による騒音レベルの増加は、1dB 未満と小さなものとなっています。 ●建設工事による影響 建設工事による騒音レベルは、鋼板パネル(H=3m)の効果が得られない敷地境界の 2 階位置におい て規制基準値を上回りますが、実際の建設機械の稼働場所等を考慮して、建設機械の集中回避や騒音 影響の大きい建設機械が極力工事敷地境界付近に近づかない配慮を行うことで、規制基準値を達成し ます。また、建設工事用車両の走行による騒音レベルの増加は 0.1dB と小さなものとなっています。 振動 ●施設の利用による影響 来店車両等の走行による道路交通振動の増加はほとんどみられず、要請限度値を下回っています。 ●建設工事による影響 建設工事に伴う建設作業振動については規制基準値を下回っています。また、工事用車両の走行に よる道路交通振動の増加はほとんどみられず、要請限度値を下回っています。 低周波音 ●施設の利用による影響 設備からの低周波音の予測結果・既存類似店舗の調査結果は、建具のがたつき閾値を下回っていま す。 一方、圧迫感や振動感による不快感を感じる範囲を比較した結果、予測結果・既存類似店舗調査結 果は 50Hz 以下では「わからない」、50∼80Hz では「気にならない」の範囲に入っており、問題ないレ ベルと判断されます。 また、環境アセスメントの環境保全目標値として策定されたものではありませんが、低周波音に係 る物的苦情及び心身に係る苦情に関する参照値で評価した結果、予測結果・既存類似店舗の調査結果 は、物的苦情の参照値をともに下回っており、心身に係る苦情に関する参照値を類似既存店舗調査結 果のみ 63Hz、80Hz でのみで上回っています。これについては、事後調査により、確認を行うものと します。 悪臭 ●施設の利用による影響 食品加工の作業時における生ごみ等については、分別、水切り等の処理を速やかに行い、悪臭を防 止するとともに、汚水からの悪臭はグリストラップを設置し、定期的に清掃します。 また、生ごみ保管庫は冷蔵設備の付いた密閉構造とし、生ごみをビニール袋に入れて保管すること で、周辺への悪臭の飛散、厨芥の飛散を防止するとともに、冷蔵設備による適切な温度管理を行い、 腐敗を防ぎ防臭します。 さらに、食品加工場から出る臭気の対策としては、屋上に設置する排気ダクトは駐車場側(敷地内 方向)に向け、ダクト内には脱臭フィルターを設置します。 以上の対策により日常生活において感知しない程度の状況を実現することが可能と判断されます。 5 土壌・地下水汚染 ●建設工事による影響 本事業では土壌汚染物質の取扱いはなく、事業計画地内の土壌に揮発性有機化合物、重金属等、PCB、 ダイオキシン類による土壌汚染のリスクの可能性はなく、環境基準を達成しています。 気象 ●施設の存在による影響 従来あった工場の建物高さとほぼ同等程度までの高さの建物計画としており、さらに、植栽の設置 により防風の措置を行う計画としているため、現況の風環境は維持されると判断されます。 日照阻害 ●施設の存在による影響 建物高さを 2 階とすることにより日影の影響を低減しており、高槻市建築基準法施行条例に定める 日影規制の時間を下回っています。 電波障害 ●施設の存在による影響 計画施設により、しゃへい障害が予測される地域については、事前に適切な対策を講じます。建設 工事中に電波受信の障害が生じた場合についても本事業に起因する障害であると明らかになった場 合には、地域の状況を考慮し、速やかに適切な措置を講じるため、電波障害の影響は最小限に留める よう配慮されていると判断されます。 文化財 ●建設工事による影響 事業実施に当たって、事前に高槻市教育委員会等の関係機関と協議し、適切な対策を講じるため、 文化財に対する影響は最小限に留めるよう配慮されていると判断されます。 景観 ●施設の存在による影響 建物外壁デザインや色彩については、既存店舗の事例等を踏まえ、周辺への圧迫感の軽減、周辺景 観との調和という見地から配慮を行うとともに、関係機関との協議、指導に基づき、地域の景観形成 に貢献できるよう努めます。また、敷地境界沿いに緑地帯を配置します。 予測写真 現況写真 6 廃棄物 ●施設の利用による影響 本事業では、既存店舗と同様のリサイクル方法で運営する計画です。事業の実施にあたっては、廃 棄物のリサイクルの推進、流通・販売の各段階での減量化、再生紙の使用推進などにより、廃棄物の 発生量及び排出量の抑制に努めます。 ●建設工事による影響 建設工事中については、コンクリートがら、アスファルトがら、木くず及び混合廃棄物や建設残土 が発生しますが、3R〔リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)〕に 積極的に取り組み、発生量及び排出量の抑制に努めます。 地球環境 ●施設の利用による影響 インバーター制御が可能な空調機等を採用し、冷暖房は適切な温度を設定するとともに、使用時間 の短縮を進めます。また、ゾーン別空調制御、昼光利用、節水器具の採用に取組み、二酸化炭素排出 量の低減に努めます。 7 環境の保全及び創造のための措置 本事業の実施にあたっては、事業の実施による環境への影響を最小限にとどめるよう、次のような環 境保全対策を実施します。 施設の利用に係る対策 ●交通対策 ・ 周辺一般交通への影響を極力小さくするため、入・退場のいずれについても左折のみにより行 われる動線計画とします。 ・ 駐車場は、立地法指針に基づく必要駐車台数(711 台)を上回る台数(745 台)を場内に確保す る計画です。 ・ 出入口には交通誘導員を適時配置し、歩行者・自転車と来店車両の交錯を回避し、安全な誘導 を行います。 ・ チラシ等による誘導を徹底し、生活道路への来店車両の進入を抑制します。 ・ 場内においては、歩行者と自動車の動線を分離して安全の確保を図ります。 ●騒音、低周波音対策 ・ 屋上に設置する空調室外機、排気ファン、冷凍機については、騒音、低周波音の発生の少ない 構造の機器を採用します。 ・ 設備の特異な稼働状態による低周波音の発生を防止するため、設備の適切な点検・整備を励行 します。 ・ 店舗内のスピーカー音が、外部に漏れない店舗構造とします。 ・ 計画施設北側の一部、計画施設西側出入口からスロープ部にかけての住居に面した部分、2 階駐 車場北側、南側に遮音壁を設置し、2 階ファンには囲いを設置します。 ・ 夜間、2 階駐車場及び 1 階駐車場の北側と南側の住居に面した駐車マスの利用規制を行います。 ・ 自動車騒音による道路沿道地域への影響を低減するため、十分な場内滞留スペースを確保する とともに、交通誘導員を適切に配置し、交通流の円滑化を図ります。 ・ 啓発ポスターの掲示、搬入車両への周知・徹底等によりアイドリングストップの推進に努めま す。 ・ 搬入については、輸送の合理化を図り車両総数の抑制に努めます。 ・ 荷さばきの開始時間は朝の 6 時以降とし、夜の 9 時以降は作業を行いません。 ・ 場内車両走行速度は 10km/h に制限するとともに、搬入車両及び廃棄物収集車両は低速・静穏走 行を周知・徹底します。 ●廃棄物抑制対策、温室効果ガス排出量抑制対策 ・ 牛乳パック、リターナブルビン、ペットボトル、缶、ビン及び容器包装プラスチックを積極的 に回収し、契約処理業者にて再資源化、再利用します。 ・ 物流経路の簡素化により、梱包材の削減に努めます。 ・ できる限り簡易包装を推進するとともに、レジ袋の使用量の削減に努めます。 ・ コピー用紙、伝票、包装紙及び紙袋は再生紙の導入を図ります。 ・ 生ごみは、食品リサイクル法に基づき積極的に食品資材のリサイクルに取組みます。 ・ 可燃物に混入していると想定される紙類などの分別を推進します。 ・ 照明器具の点検、清掃等により、採用した照明器具の照明効率を維持する等、照明設備に係る エネルギーの効率的利用を図ります。 ・ 昇降機の作動状況の点検等により、採用した昇降機の制御方式の維持保全をする等、昇降機に 8 係るエネルギーの効率的利用を図ります。 ・ インバーター制御が可能な空調機等を採用します。 ・ 設備機器等による省エネルギー(ゾーン別空調制御、昼光利用、節水器具の採用)に取組みま す。 ・ 冷暖房は冷房時 28℃、暖房時 18℃を目指して適切な温度を設定するとともに、使用時間の短縮 を進めます。 ・ 搬入については、輸送の合理化を図り車両総数の抑制に努めます。 ・ 搬出入業者等に対しては、 「空ぶかし・急発進・急停車をしない」、 「アイドリングストップを徹 底する」、「不要な荷物を載せたまま走らない」、「タイヤ圧を適正に保つ」といった省エネ運転 に留意するよう普及・啓発に努めます。 ・ 計画敷地に面する部分に緑地帯を設置します。 施設の存在に係る対策 ・ 建物の高さを約 15m とすることにより、日影の影響、テレビ電波の影響、風環境の影響の低減 を図ります。また、植栽の設置により防風の措置を行う計画としています。 ・ 外壁面の色彩・材質に配慮することで、建物による圧迫感の軽減を図ります。また、敷地外周部 に植栽を配置し、周辺景観との調和を図ります。 ・ 地上躯体工事の進捗及びクレーンの設置高さを踏まえて、電波障害対策を講じ、施設の利用時 には対策が完了します。 建設工事に係る対策 ・ 建設機械の選定に際しては、極力最新の排出ガス対策基準に適合した建設機械や、最新の低騒 音型・低振動型建設機械、低燃費の建設機械の採用に努めます。 ・ 粉じん等の飛散を防止するため、掘削時、埋立後の土砂には適時散水を行います。また、掘削 残土は保管場所を定めて仮置きし、シート掛けを行います。 ・ 粉じん等の被害が特に考えられる強風時の作業を控えます。 ・ 工事区域外周に鋼板パネルを設置し、周辺住居への影響を低減します。 ・ 騒音影響の大きい建設機械は、敷地境界付近に立ち入らないよう、運用面での配慮を実施しま す。 ・ 建設機械等の点検・整備の励行、良質燃料の使用を施工者に指導します。 ・ 熟練度の高いオペレーターによる慎重な機械操作を行う等、適切な施工を徹底します。 ・ 建設機械の配置、使用期間及び作業区域について十分留意します。 ・ 適切な工程管理により工事の平準化及び資材搬入車両等の集中回避、台数削減等の対策を行い ます。 ・ 走行ルートは主に幹線道路(国道 170 号)を利用し、近隣の住環境への影響を低減します。 ・ コンクリートがら、アスファルトがら、木くず、金属くず、紙くずの再生利用を積極的に行い ます。 9 事業計画地 お問合せ先 株式会社 カインズ 近畿店舗建設部 阿部 住 所 〒370-0043 群馬県高崎市高関町 380 電話番号 027-320-1876 FAX番号 027-320-1879
© Copyright 2024 ExpyDoc