第5回実務実習のためのアドバンスワークショップ in 東信 報 告 書 主催:㈳ 小諸北佐久薬剤師会 実務実習運営委員会 平成 22 年 3 月 いよいよあと 3 カ月後に 6 年制課程の薬学生実務実習第一期の実習生受け入れが始ま ります。各地区でも本格的に受け入れ体制の整備を進めている中、第 5 回アドバンスワ ークショップ in 東信が開催されました。これから始まる薬学生実務実習の関心の深さも あり、更埴支部からも 2 名が参加され、株式会社じほうの「調剤と情報」担当者の方と 信濃毎日新聞記者の方の取材の中行われました。 今回は「薬剤師が在宅医療に関わることの意義について話し合う」をテーマにワーク ショップが行われました。現状では多くの薬剤師が在宅医療へのかかわりがまだ薄く、 在宅訪問等が進まない中ではありますが、今後なお一層在宅医療が求められる状況で「薬 剤師は何ができるのか」、 「何をしていかなくてはいけないのか」、そういった内容で SGD を行いました。現状での薬剤医師不足、知識不足等の問題は抜きにして、目の前の在宅 で治療を続ける患者さんに薬剤師は何ができるのか、薬剤師が在宅に関わることで何が 変わるのかといった「意義」を話し合ってもらいました。 参加された方々は在宅医療についてしっかりした考えを持っており、各グループとも 思った以上に活発に多くの意見が出されていました。どのグループも薬剤師が在宅医療 に関わる重要性や多くの役割があることについて共通の認識を持っているようで、プロ ダクトもいくつか同じ内容があったように思います。今回の SGD で在宅医療の重要性・ 必要性を改めて再認識できと思います。あとはいつその一歩を踏み出すかというところ まで来ているように思いました。 薬学生実務実習では実習生と実際に「薬剤師が在宅医療に関わることの意義について 話し合う」の LS があり、実習生と今後の在宅医療や関わりについて話し合うことは、 指導薬剤師にもいい刺激となると思います。また、実務実習では薬局内で話し合うだけ でなく必ず患者宅に訪問し、指導の現場を体験することになっています。そこで、実習 生の受け入れをきっかけに在宅訪問への第一歩を踏み出すのもいいのかもしれません。 また、訪問を今から始め、実際のかかわりの中で指導薬剤師と実習生が一緒になって考 えて話し合うことも大切なことだと思います。指導薬剤師にとっても実務実習生の受け 入れが、いいきっかけづくりや学習の機会だと思います。 本年 5 月にはすでに実務実習生の受け入れが始まります、次回開催のワークショップ の開催には実習生の参加を予定しています。実習生が参加することで、新しい 6 年制課 程で学び、まだ実務に携わらない実習生の違う視点からの意見や考えが聞けると思いま す。また、実習生もいろいろな薬剤師の考えや、いろいろな薬剤師の置かれている環境 や現状を聞けるいい機会だと思います。実習生を受け入れは本年度がスタートです。今 後ずっと続く薬学生実務実習をより良くするためにも実習生からのフィードバックをた くさんもらい、次に生かしていければと思っております。 平成 22 年 2 月 (社)小諸北佐久薬剤師会 実務実習運営委員会 担当理事 石塚 豊 第5回 実務実習のためのアドバンスワークショップ in 東信 ○主 催:(社)小諸北佐久薬剤師会 ○共 催:佐久薬剤師会 上田薬剤師会 ○日 時:平成 22 年 2 月 20 日(土) ○場 所:(社)小諸北佐久薬剤師会館2階(小諸市田町 2-3-14) [℡0267-24-7072] ○参加者:上田支部 7 名、佐久支部 3 名、小北支部 10 名、更埴支部 2 名 タスク 13 名 ~プログラム~ (※P:全体会議(22 名)、S:グループディスカッション(7~8 名) ) 19:00 参加者受付開始 19:30 P 19:30~19:40 P 開会 参加者集合 司会: (樽澤) P 自己紹介、タスクフォース紹介 P ディレクター挨拶 19:40~19:50 P 薬剤師が在宅医療に関わることの意義を考えてみよう 19:50~20:50 S 作業 20:50~21:25 P 発表(3 分)と合同討議(20 分) (山浦) 21:25~21:30 P まとめ (依田) 20:30 P (樽澤) 閉会 解散 (石塚) SGD 「第5回実務実習のためのアドバンスワークショップin東信」参加者名簿 (2010.2.20) 〈ディレクター〉 グループ 氏名 所属 氏名 1 石井 綾 石塚薬局 金沢 恒子 2 岡部 憲子 岡部薬局 3 工藤 裕康 鹿教湯病院 〈タスクフォース〉 4 小林 志津子 正林堂薬局 氏名 5 近藤 裕子 さかもと薬局 石塚 豊 小諸北佐久薬剤師会 6 柴崎 宏子 勉強堂薬局 伊藤 栄 上田薬剤師会 7 清水 誠 萬寿堂薬局 井上 智之 佐久薬剤師会 8 若林 孝生 コウズケヤ薬局豊里 荻原 訓子 小諸北佐久薬剤師会 1 榎本 千恵子 マスヤ薬局 小林 潤 小諸北佐久薬剤師会 2 荻原 操 ほんまち薬局 小林 ゆかり 小諸北佐久薬剤師会 B グ ル 3 田中 勝雄 鹿教湯病院 坂本 千鶴 小諸北佐久薬剤師会 4 塚田 真弓 大塚土屋薬局 樽澤 清子 小諸北佐久薬剤師会 プ 5 中野 深雪 会営小諸薬局 樋沢 康一 小諸北佐久薬剤師会 6 平林 潤 小諸東のぞみ薬局 宮原 智 佐久薬剤師会 7 横林 邦明 横林薬局 山浦 知之 上田薬剤師会 1 大津賀 博之 大津賀薬局 依田 靖央 佐久薬剤師会 ー A グ ル プ ー 関 秀子 大屋のぞみ薬局 3 利根川 勇 スター薬局 4 馬場 鈴子 さかもと薬局 プ 5 干川 望 シンビ堂薬局 6 宮崎 信也 小諸コスモス薬局 7 柳沢 健幸 鹿教湯病院 ー 2 C グ ル 所属 小諸北佐久薬剤師会 所属 薬剤師が在宅医療に関わることの意義について A グループ 岡部 憲子 (岡部薬局) 意義とは・・・ はじめに 在宅を現在やっている方から状況を聞いて、その後意見を出してもらうこ とにした。 (1) 直接患者本人(家族)とコミュニケーションができる。 (2) 見えないところが見えてくる。 (3) 患者宅の実際の保管(管理)方法が確認できる。 (4) 薬物治療の必要性を理解してもらう。 (5) インシュリン注や吸入薬等の手技が、正しく出来ているか確認できる。 (6) 健康食品、通販品、OTC などと飲み合わせ、残薬の確認が解る。 (7) 薬に何らかの不安を持っている、相談をしたいが話せない。 次に 内容から特に残っている薬や分らなくなっているものについて、対応はどうす るか話を進めた。 コンプライアンスを向上させるには・・・ ドクターへのフィードバックを行う。 (1) 飲まない理由を聞き出し、生活に合わせた服用(例えば、1 日 1 回しか服用が出 来ない、昼は服用が出来ないなど)に改善の提案 (2) 1 包化の提案。 (3) 剤型変更の提案 更に 関わっていくのに必要になる事は・・・ 他職種とのコミュニケーションの向上につとめる。情報交換をしていく。 (医師、看護師、ヘルパー、ケアマネ・・・) 役割分担をして、薬剤師職能を発揮する独自の仕事をする。 消毒薬、床ずれの薬の使い方、医療器具や介護用品へのアドバイスができる。 終わりに、 グループでは在宅医療に携わっている人はほとんどいないのが現実。 しかし今、何らかの介護が必要な人が多くなっている。薬剤師が薬局から一歩外に出 て在宅訪問にかかわることにより、独居の人、投薬日数が長期の人、また事情があり 通院や薬を薬局に取りにくることが出来ないという患者や家族の不安を、少しでも解 消できる様支援することになる。出来ることからはじめる。地域医療への参画のため にも・・・ 実習生への体験についての話し合いは、出来なかった。 薬剤師が在宅医療に関わることの意義を考えてみよう B グループ 榎本 千恵子(マスヤ薬局) B グループでは現状での問題点などを挙げてから、薬剤師の意義について話合いました。 在宅の現状での問題点など A. 「自分で出来る」と言っているが、実際は手が不自由で、PTP から出せない。錠剤が 落ちている。 病気の状況・薬が合っているか? 外用薬(目薬・塗り薬・ホクナリンテープなど)の使用状況はどうか? 薬局では話せないが、在宅だと話せる。 薬局に来ている時はしっかりしているが、家では異なる? B.残薬が多い。コンプライアンス不良等の状況を見れる。 併用薬についてなど、Dr.に話していない事がある。 OTC・配置薬等の併用はOK?仕分け出来ていない。 C.生活状況・家族との状態・ヘルパーの状況は? 薬を管理してる人も薬局では話せないけど、家で会うと話せる。 上記の A~C に対応して薬剤師として出来ること A.本人の状況 一包化・分包紙への切れ目・剤型・服用回数の改善提案 介護用品・オムツ・オブラート・OTCの使用方法の改善提案 B.薬について コンプライアンスの改善。 相互作用・副作用の早期発見・予防。 Dr.へのフィードバック。 ヘルパーとのコミュニケーション。 C.周りの状況 ヘルパーや家族への食事指導・注意喚起。(注意が必要な食品など) 管理してる方への服薬指導。(低血糖時・ワーファリンなど) 患者さんの服用できる服用回数に変更の提案。 一包化しても服用できない場合→服薬カレンダー、ヘルパー・家族の居る時間に合わせた服 薬を提案 一番の意義は問題点を早期発見することで、薬剤師として早期改善を提案していくこと ではないかと考えました。 第5回実務実習のためのアドバンスワークショップ in 東信 薬剤師が在宅医療に関わることの意義(P502)を話し合う 報告書 Cグループ 司会 柳沢 健幸 、 記録 大津賀 博之 発表 宮崎 信也 、 報告 利根川 勇 〈はじめに〉 在宅医療には、医師・看護師・介護支援専門員(ケアマネ)・保健師・ヘルパー・家族等、 多くの人が携っている中、薬剤師に何が出来、何をアドバイスできるかを考えました。 在宅をやっている薬局が少ない中、問題になったことや対処法について話し合いました。 ◎残薬・飲みすぎの薬を把握してきちんと服薬できる様にすることができる。 訪問して、いつの薬か解からない残薬や薬の置いてある場所がバラバラであるなどの経験 があり、服用忘れ、服用したか解からなくなるといった原因がある。このような場合は1包 化や、お薬カレンダーなどの提案を進める。 視力が低下した患者さんや手足の不自由な患者さんには、1包化はもちろん、薬の設置場所 の工夫をすることによりコンプライアンスの向上につながると考えた。 ◎生じている問題点を他職種の方々と共有することができる。 いつも、他職種の方と話しや連絡が取れる訳ではなく、日ごろ困っていることや、どの様 な問題があるかなどを連絡ノートに書いてもらうことにより、薬剤師としてアドバイスがで き、1つでも問題点解決ができればと考えました。 (薬剤の保管・管理、シップの貼り方など) 逆に薬剤師が、かかえている問題点も解かってもらえる。 ◎QOL(睡眠・食事・排泄・運動など)の向上 患者さんの生活サイクルや体調を考えて、医師へのフィードバック(用法・服用時間・剤 形等の提案)できる。 例えば、毎食後の服用の薬があり、昼に食事を摂らない。夕食後すぐ寝てしまうが、寝る前 に下剤が処方になっていて、飲み忘れがあるなど、生活のサイクルが解ることにより、用法・ 服用時間の変更を医師に提案できるのではないか。 ◎病状の重い方への緩和ケアへの関わり 在宅をやっていく中、ターミナルの患者さんもいらっしゃる。麻薬の管理・使用法など他 職種の方に指導ができるのではないか。(フェンタニルのパッチ) 〈質問〉 緩和ケアへ薬剤師が関わっていくことに対して、臨時処方など24時間の対応ができるの か? これからの在宅医療には欠かせないことであるが、現状、少人数の薬局や1人薬剤師の薬局 には無理である。しかし、出来ないのではなく、やっていける体制を作ることが大切と考え ます。 〈まとめ・考察〉 在宅医療をしていくなか、残薬などコンプライアンスの対処法、他職種の連携、QOLの維 持・向上、緩和ケアなど薬剤師が出来ることが多くでてきました。患者さんや家族の人が少 しでも生活が楽になり、他職種の方へアドバイスやフィードバックができ、不安・問題点が 解消できれば良いと思う。 「薬のことは薬剤師が一番解っている!」→頼りにされる薬剤師でありたい。 実習生にも薬剤師が在宅医療に関わる大切さを指導していきたい。 信 濃 毎 日 新聞 の 磯部さんです。 ”調剤と情報“の 河原さんです。 取材の方が二人も! 信濃毎日新聞は、2 月 26 日に 調剤と情報は、4 月号に掲載! 担当者名簿 グループ Aグループ Bグループ Cグループ 担 当 氏 名 (勤務先) 司 会 清水 誠 (萬寿堂薬局) 記 録 若林 孝生 (コウズケヤ薬局豊里) 発 表 工藤 裕康 (鹿教湯病院) 報 告 岡部 憲子 (岡部薬局) 司 会 田中 勝雄 (鹿教湯病院) 記 録 平林 潤 (小諸東のぞみ薬局) 発 表 横林 邦明 (横林薬局) 報 告 榎本 千恵子 (マスヤ薬局) 司 会 柳沢 健幸 (鹿教湯病院) 記 録 大津賀 博之 (大津賀薬局) 発 表 宮崎 信也 (小諸コスモス薬局) 報 告 利根川 勇 (スター薬局)
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