利根川・荒川水源 地域対策基金の活動

利根川・荒川水源
地域対策基金の活動
と も み つ
藤井 友竝
公益財団法人 利根川・荒川水源地域対策基金 理事長 利根川・荒川水源地域対策基金(以下「基金」
なって「基金」の設立に至りました。国と 1 都 5 県
という)は昭和 52 年 12 月 22 日の設立以来 37 年
により 2 度にわたり基本基金が造成され、その運
を経過しました。この間滝沢ダム、浦山ダム、奈
用益により連絡調整・会議等に要する事務局経
良俣ダム、渡良瀬貯水池、八ッ場ダム、湯西川ダ
費を賄うほか、
「水の日」
「水の週間」の諸行事に
ム、戸倉ダム及び思川開発施設の 8 事業に適用さ
協賛・参画しています。ダム等建設に直接関係し
れてきました。現在も八ッ場ダムと思川開発施設
た基金事業はダム等事業毎に毎年度事業計画を
の 2 事業について継続実施されています。
協議・決定し、これに従って関係都県より負担金
高度経済成長の時代に大都市への人口・産業
の集積とも相まって水需要が急速に増大し、需給
を収納し、具体的に基金事業を実施する都県に交
付して事業を推進してきました。
逼迫から、積極的な水資源開発の促進が期待され
ここに来て、関係者の真摯な、弛まない話合い
るようになりました。しかしダム等の建設は水源
の努力によって新しいダム等建設のあり方を模
地域の社会・生活環境に重大な影響を与えるこ
索し、
「基金」の原点でもあった八ッ場ダム建設も
とになりますので、住民の生活再建と地域の振興
平成 26 年夏に漸く本体築造の緒につきました。
を図りながら円滑に建設を推進することが重要
これまでの長い紆余曲折の道のりを超えて早期
な課題になりました。このため昭和 48 年に水源
完成を望むばかりです。八ッ場ダムについては既
地域対策特別措置法が制定され、総合的な生活環
に水没関係住民の生活再建に必要な各種の施策
境再建対策として各種の事業が実施されるよう
や滞在型市民農園(クラインガルテンやんば)、道
になりました。しかし水没関係住民の最大関心事
の駅八ッ場ふるさと館などの地域振興策が推進
は直結的な生活再建策と振興策であり、さらに水
されてきましたが、さらにダムの完成に向けて基
特法を補完する生活再建措置等の必要性が認識
金が果たすべき役割にも齟齬がないよう、これま
されるところとなりました。
で同様真摯な努力を続けて参ります。基金事業が
このため水需給の逼迫が格別に深刻な利根川・
荒川水系においては 1 都 5 県知事他が発起人に
道の駅 八ッ場ふるさと館
今も続けられていることをあらためて思い起し
て頂ければと思います。
クラインガルテンやんば
すい滴
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