特集3 「ものづくりとSCM」 - シスメックス

特集3
CORETECHNOLOGY
– MANUFACTURING STRUCTURE
「ものづくりとSCM」
コアテクノロジー強化の戦略
シスメックスの事業は血球計数装置をはじめとする装置開発からスタートしました。その後、試薬開発やソフトウェ
ア開発、さらにライフサイエンス分野の技術開発など、シスメックスは事業の発展にともない、数々の技術を蓄積し、
優れた製品やサービスを提供してきました。メーカーとしての根幹である
「ものづくり」
に対する一貫した姿勢は、独
自の強みを活かした高付加価値製品の開発に結びついてきました。シスメックスは、その優れた研究開発力や生
産技術力をさらに強化・蓄積し、他社の追随を許さない新たな価値を創造するための取り組みを進めています。シ
スメックスは検体検査分野における装置開発技術、試薬開発技術、ソ
フトウェア開発技術、そしてライフサイエンスに関する新しい技術を、コ
アテクノロジーとしてバランス良く保有するユニークな企業です。この独
自の技術優位性をさらに強固なものとし、技術シナジーを創出するた
め、シスメックスは研究開発体制のさらなる強化に取り組んでいます。
試薬分野では、2002年4月の国際試薬株式会社の完全子会社化に
より、国際試薬が持つ生化学検査、免疫血清検査での技術開発力と
シスメックスの持つ血球計数検査、血液凝固検査での強みを融合さ
せ、試薬製品において当社は総合的な技術優位性を確立しています。
<< 試薬生産ライン(小野工場)
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Sysmex Annual Report 2005
またIT分野では、ITを核にしたトータルソリューションプロバイダーと
■コアテクノロジー強化の歩み
ライフサイエンス
技
術
の
幅
の
広
が
り
ソフトウェア開発
新しい価値
創造による
市場の創出
(株)CNA
技術の複合・融合
試薬開発
国際試薬(株)
コア事業における
高付加価値製品
の提供
装置開発
技術の蓄積
>>>
してのグローバルな事業体制を強化するため、ベルギーとニュージーランドのITグループ会社を完全子会社化した
のに続き、2004年4月には臨床検査情報システムの開発・販売会社である株式会社シーエヌエーを子会社化しま
した。さらに、これらのコアテクノロジーを総合的に機能させるため、研究開発部門の集約を進め、各研究開発部
門相互の連携と技術力の融合を推進しシナジー効果を高めます。これに加えて、グループ全体の技術的優位性
を確立するために、各事業の特性別の研究開発プロセスおよびプロダクトフローを再構築し、開発スピードの向上
※
とマネジメント機能の強化を図るとともに、知的財産マネジメント
( リエゾン機能)の強化を図ります。
※リエゾン機能:アイディア抽出から知的財産管理、活用までの支援
■ 研究から製品開発までの一貫したマネジメント体制
■ 研究開発投資
(10億円)
(%)
12
シスメックス
テクノセンター・中央研究所
■ 試薬開発機能を統合
知的財産
企画
研究
■ 研究開発プロセスと
商品化フローの再構築
機器開発
■ 知的財産マネジメント
の強化
6
15
8.2
8
6.5
8.5
9.5
9.9
10.0
10
3.7
4
2.8
2.3
0
20
9.6
10
2
国際試薬(株)
11.0
5
1.1
04
05
06
07
0
(計画) (計画) (計画)
研究開発投資額(全社)
試薬開発
生産
研究開発投資額(ライフサイエンス)
研究開発投資額対売上構成比
Sysmex Annual Report 2005
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– MANUFACTURING STRUCTURE
生産体制強化とグローバルSCMの推進
シスメックスは技術開発力の強化とともに、次世代生産技術の獲得を目指した取り組みを推進しています。各試
薬生産工場の特長を活かした生産体制の再構築に取り組み、主力工場である小野工場と西神工場の役割の明
確化と生産品目の整理・統合を進め、生産の効率化と生産技術の集約化を図りました。また、グループ生産マネ
ジメントの強化を図るとともに、海外試薬生産拠点を強化し需要の拡大に対応します。さらに、中国における生化
学検査試薬のコスト競争力を高めるため、原材料の現地調達を拡大する予定です。
製品開発においては、研究開発段階における源流購買、コンカレントエンジニアリングなどのエンジニアリング
チェーンの変革を進め、開発・生産の一貫体制を強化し早期量産化を実現しています。また2004年6月から中期購
買戦略に従い、インターネットによる電子購買システムSTM(Sysmex Trade Mission)をスタートさせるなど、調達コ
ストの削減を図りました。
一方、物流機能においてはグローバルSCM体制の確立・強化に取り組み、国内物流拠点の見直しや海外各地
域での供給フローの再整備を行い、物流コストの削減を図りました。今後は、在庫情報や受発注情報を可視化し、
グループ全体での共有が可能なITを活用した物流管理体制をさらに強化します。これらグローバルな物流・調達
のマネジメントを強化するために、活動拠点として2005年5月にオープンした「ソリューションセンター」
に各機能を集
約することで、効果的・効率的なSCM体制の構築を目指します。
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