日本における大規模臨床試験の現状とその問題点 (Clinical Megatrials

ラウンドテーブルディスカッション(日本語)
■3月27日(土)午前8時20分∼10時20分・第4会場(ホールB7(2))
日本における大規模臨床試験の現状とその問題点
(Clinical Megatrials in Japan: Present Status and Future Problems)
座長:小川 聡(慶應義塾大学呼吸循環器内科)
大橋靖雄(東京大学健康科学・看護学専攻健康科学講座)
EBMの一部軽佻な流行の中、様々な臨床分野で治療ガイドラインが策定されている。
そして「わが国には信頼性の高いエビデンス」が存在しないことが改めて明らかになっ
た。大規模長期の疫学研究、高い品質保証水準で行われる比較臨床試験とメタアナリシ
スが主なエビデンス源である。この欠如をもたらしたのは、データを生み出す基盤の欠
如である。個別化された効率とQOLを考慮した医療が今後の臨床研究の課題であろうが、
これも評価の基盤整備なくしては達成不可能な課題である。
基盤とは何か?まず臨床研究を支える医科学と倫理観である。この点でわが国が国際
的に劣るところはない。問題は方法論(生物統計学とデータ管理)とシステム(中立なデ
ータセンターと施設の体制)
、CRC(試験コーディネータ)に代表される人材とその教
育・評価制度、米国国家研究法に類した法的基盤、公的研究を支える資金である。これ
らの基盤整備あるいはその必要性の認識が十分にないままに、我が国でも多くの医師主
導の大規模臨床試験が計画され実施されている。本セッションの目的は以下の通りであ
る。米国の例を含めこれまでに行われてきた循環器系大規模臨床試験の実施上の問題を
まず学び、現在我が国で実施されている循環器系大規模臨床試験の実体を知り、そして
今後の試験のあり方・public health上意義のある試験を効率的に実施するための要件につ
いて議論する。
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MEGA Studyデータセンターにおけるデータ管理方法
広崎 真史(イーピーエス株式会社 臨床研究推進部門)
我が国の循環器系大規模臨床試験(JCRACの経験)
山崎 力(東京大学クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット)
大学・連携病院による多施設共同研究グループの組織化と臨床試験の実践
笠貫 宏(東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科)
地域治験ネットワークを利用した大規模臨床試験の効率化
−COPE Trialを推進するために−
松崎 益徳(山口大学循環病態内科学)
我が国の心臓外科領域における大規模臨床試験の問題点と将来展望
−JaSWAT studyの経験から−
坂東 興(国立循環器病センター心臓血管外科)
ラウンドテーブルディスカッション(日本語)