一般研究発表 一般研究発表2‐2‐2 乳房撮影領域における多機能 X 線アナライザの検討 首都大学東京 健康福祉学部 放射線学科 群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部 アクロバイオ株式会社 【目的】 ○鎌田 増子 根岸 古畑 衣珠美/安部 真治/寺西 幸恵/清水 理紗子 徹 優/渡辺 圭悟 加倫 【結果・考察】 臨床施設における X 線装置の品質管理において、非接 X 線アナライザの再現性については各項目とも変動係数 続形 X 線測定器が重要となっている。現在、乳房撮影領 0. 0 0 5以下と良好であった。管電圧誤差は±1∼2%以内 域で、管電圧、管電流、撮影時間、線量など多機能の X (Fig. 1) 、管電流誤差は±2%以内(Fig. 2) 、線量の誤 線アナライザが開発されている。今回、乳房撮影領域にお 差は−6∼−7%程度であった。mAs と線量の関係は良 ける多機能 X 線アナライザの各種特性について評価、検 い直線性を示した。線量より求めた HVL は0. 0 5!Al 程度 討を行った。 と、やや大きい傾向にあったが、良い直線性を示した。線 量、半価層について、若干誤差が多い傾向にあるが、電離 【方法】 箱線量計の測定値との相関が高く、回帰式を用いた補正に 乳房用 X 線装置に、管電圧・管電流計を接続し、電離 より高精度の管理が可能である。方向依存性では、管電圧 箱線量計を用いた直接測定システムを構築し、X 線アナラ 値で比較的誤差が多く、ヒール効果の影響を考慮した配置 イザと比較検討を行った。測定は Mo ターゲット/Mo フ が必要である。波形測定では、線量率波形は比較的良好で ィルタの組み合わせとした。 あったが、管電圧波形では、サンプリング周波数が低いた め、細かい波形解析は困難と思われる。 【使用機器】 本 X 線アナライザは、一度の照射で管電圧、管電流、 X 線アナライザ Piranha(RTI) 撮影時間、線量などの総合的な測定が可能であり、特に非 乳房用 X 線装置 MGU‐ 1 0 0B(東芝) 接続形で管電流を精度良く測定可能であった。さらに、小 管電圧・管電流計 AB‐ 2 0 1 5D(トーレック) 形、軽量、簡便なため、X 線装置の品質管理用測定器とし 電離箱線量計9 0 1 5(検出器1 0X5 ‐ 6M : Radcal) て考える。 半価層測定用 Al 板 RM1 1 1 5H(Gammex) Fig. 1 管電圧誤差 Fig. 2 管電流誤差 第6 5回東京部会春期大会 後抄録 19
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