乳房用X線装置における practical peak voltage測定に 対応した非接続形X線測定器の検討 根岸 徹、 亀井 雅史、善女寺 梓、山浦 良太 長島 宏幸、安部真治、加藤 洋、小倉 泉 群馬県立県民健康科学大学大学院 診療放射線学研究科 群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部 首都大学東京 健康福祉学部 この発表の内容に関する 利益相反事項はありません 背 景 乳房用X線装置において,管電圧は画質や 被ばく線量に大きく関与する因子である. 現在,線質評価における管電圧は, IEC61267 において, practical peak voltage: PPV (加重平均ピーク電圧) で 表示することと規定されている. PPVとは PPV 同一の写真効果 背 景 しかし、PPV は直接接続形測定器を用いて 算出し表示することと規定されている. これは煩雑な作業であり、 臨床現場では困難であった. PPV算出式 𝑈= 𝑛 i=1 𝑝 𝑈i ∙ 𝑤(𝑈i ) ∙ 𝑈i 𝑛 i=1 𝑝(𝑈i ) ∙ 𝑤(𝑈i ) 𝑈 𝑈i 𝑝 𝑈i :PPV :管電圧 :確率分 布 𝑤(𝑈i ) :重み関数 PPV算出式 𝑤 𝑈i = 0 (𝑈i < 20 kV) 𝑤 𝑈i = 𝑒𝑥𝑝 k ∙ 𝑈i 4 + l ∙ 𝑈i 3 + m ∙ 𝑈i 2 + n ∙ 𝑈i + o (20 kV ≤ 𝑈i < 50 kV) k = −2.142352E − 06 l = +2.566291E − 04 m = −1.968138E − 02 n = +8.506836E − 01 o = −1.514362E + 01 ※乳房用X線装置で使用される式(IEC 61267) 目 的 直接測定は困難なためPPV測定可能な 非接続形X線測定器も開発されてきて いる.そこで今回,PPV測定の実測値 と比較検討したので報告する. 使用機器 ・乳房用X線装置 alpha RT :INSTRUMENTARIUM社 ・管電圧管電流計 AB-2015E :Toreck社 ・オシロスコープ TPS 2024 :Tektronix社 ・非接続形X線測定器 MagicMax Universal :iba社 方 法 乳房用X線装置に直接接続形測定器を接続し, オシロスコープを用いて高電圧波形測定した. Mo/Moを使用し,照射条件を管電圧24~34 kV まで2 kVごとに変化させ測定した. mAs値を4~100 mAsに変化させ測定した. 得られたデータからPPVを算出し比較検討した. 結 果 設定管電圧値 実測値 算出PPV 測定PPV 偏差 (kV) (kV) (kV) (kV) (%) 24 26 28 30 32 34 23.9 26.0 280. 30.0 32.0 34.0 23.5 25.5 27.3 29.3 31.4 32.9 23.3 25.1 26.9 28.8 30.9 32.2 0.85 1.57 1.47 1.71 1.59 2.12 結 果 管電圧値とPPV,そして非接続形X線測定器と比 較した結果,約2%程度低下するが,PPVには大 きな差はなかった.またmAs値を変化させた結 果,短時間ほどPPVが低下した.これは立上り 時間の割合が大きいためであり,PPVの計算時 に低管電圧の影響が大きくなると考えられる. まとめ 直接測定法と相互比較した上で 非接続形X線測定器の特性を理解 した上で使用することが望まれる.
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