ディジタル化した乳房用X線装置の精度管理の基礎的検討

ディジタル化した乳房用X線装置の
精度管理の基礎的検討
○根岸 徹、長島 宏幸、安部 真治、加藤 洋
小倉 泉、土田 拓治、坂本 肇
群馬県立県民健康科学大学大学院 診療放射線学研究科
首都大学東京 健康福祉学部、埼玉県済生会川口総合病院
山梨大学医学部附属病院
この発表の内容に関する
利益相反事項はありません
背 景
近年、乳房用X線装置のディジタル化が進んでいる!
背 景
Moターゲット/Moフィルタの線質だ
けではなく,ディジタル用ディテクタ
の特性に合わせたWターゲットやAl
フィルタやAgフィルタ,デュアルエネ
ルギーサブトラクション用にCuフィル
タといった様々な線質を用いている.
背 景
従来の乳房領域における電離箱線量計
は低エネルギー領域での校正が行われ
ているものの,様々な線質に対応して
いるか不明なものも多く,日常の精度
管理に用いられる半導体検出器でも
対応が遅れていると考えられる.
目 的
近年開発された様々な線質に対応した
半導体測定器を用いて関東部会所属施
設のディジタル乳房用X線装置の性能
把握および精度管理を行うことを目的
とし、自作線量計を用いた日常精度管
理も検討した.
精度管理概念図
年に1度非接続形X線測定器で
相互比較
非接続形X線測定器
定期的な精度管理
半導体線量計
各施設に配布
日常的な精度管理
日常的な精度管理は
自作半導体線量計を使用
方 法
半導体線量計を本学会計測分科会が運
営する診断領域線量計標準センター協
力施設(首都大学東京)で校正.
ディジタル乳房用X線装置において各
項目の測定を行い,乳房用X線装置の
特徴把握,および精度管理を行った.
使用機器
 乳房用X線装置
Alpha RT
INSTRUMENTARIUM
 管電圧・管電流計
AB‐2015E
Toreck
 電離箱線量計
9015
Radcal(検出部10X5-6M)
 非接続形X線測定器
X2
 自作半導体線量計
Unifors RaySafe
結果:半導体線量計の校正
0.060
Relative value
0.050
W/Al
0.040
Mo/Mo
0.030
0.020
0.010
0.000
14.0
14.5
15.0
15.5
16.0
Energy
16.5
17.0
17.5
18.0
〔keV〕
半導体線量計を校正したところW/Alの線質の方がエネルギー依存性が小さく
±5%程度での測定が可能(管電圧は24,26,28,30,32,35 kVを使用)
考 察
X2 MAMおよび半導体線量計の測定精度
を確認したところ精度再現性ともに良好
であった。現在,関東部会に所属する施
設でデータを取得し基礎値を作成してい
るところである.
今後希望される施設に対し測定器を送付
し精度管理を広めていく予定である.
まとめ
ディジタル化された乳房撮影領域の新たな
線質や撮影方法に対して,撮影条件と線量
の施設間の相互比較が行えるのと同時に,
関東部会所属各施設における乳房用X線装
置の精度管理が可能となり,画質向上およ
び被ばく線量低減につながるものと考える.
今後の検討
乳房用X線装置の精度管理は
継続が必要。
精度管理に興味のある施設の
参加をお待ち申し上げます!
※本研究の一部は平成26年度日本放射線技術学会
関東部会研究助成を受けたものである。