学びをひらく 「ダイコンは大きな根?」

国語科学習指導案
指導者
1 日
時
平成 26 年5月9日(金)第5限
2 場
所
1年B組教室
3 学
級
1年B組( 男子 18 名・女子 22 名、計 40 名 )
4 単元名
1 学びをひらく
田端千鶴代
「ダイコンは大きな根?」
5 生徒観
入学して約1ヶ月がたち、生徒達は学校生活にも慣れ、友達も増えてクラスにもなじんできた。
学習に対する姿勢もまじめで前向きである。元気な男子に引っ張られるような形で、発言や班での
話し合いも意欲的に行われるなど、授業中の雰囲気もよく、学習の深まりも大いに期待できる。お
互いの意見交換が活発に行われ、それによって視野が広がり考えが深まるような学習集団に育てて
いきたいと考えている。
6 教材観
本教材は、中学校に入って初めての説明文であるが、身近な野菜である「ダイコン」を取り上げ
ており、生徒達は具体的なイメージや疑問をもって読むことができる。文章も平易で短く、イラス
トもあって、抵抗なく自然に説明文の学習に入っていけるものである。
説明文の学習においては、段落相互の関係をつかみ、文章の構成を捉えることが重要になってく
る。最初の説明文である本教材では、段落の役割を「導入・問題提起・答え・補足・まとめ」とい
うふうに大きく捉え、次の説明文である「ちょっと立ち止まって」の段落相互の関係をつかむ学習
につなげていきたい 。また 、説明文の一般的な構成を理解させ 、それを考える際の「 問題提起の文 」
や「つなぎ言葉」の働きについても十分知らせておきたいところである。
7 指導観
取り上げている内容が身近なもので、文章も短く平易であることから、教材文を構成する九つの
段落をバラバラに提示し本来の順序に並べる作業を通して 、「導入・問題提起・答え・補足・まと
め」という段落の役割を考え、全体の構成をとらえさせたい。
まず、説明文の構成の仕方や 、「問題提起の文 」・「 接続語」の働きの重要性について知らせ、そ
れを意識して役割や構成を考えさせるようにする。並べ替え作業では、一人ひとりが根拠に基づい
た自分の意見をもったうえで、班での話し合いに臨ませる。班活動では、お互いに自分の意見をき
ちんと伝え、友達の意見をしっかりと聞いた上で、段落の役割をふまえ、根拠を明らかにして並べ
替えを完成させるようにする。文章表現を丁寧に見て、書かれている内容(根拠・要点・特徴・働
き等)を的確につかんでまとめられるように指導していきたい。
8 単元の目標
【 ア、国語への関心・意欲・態度 】
根拠をもとに段落の役割や全体の構成をを考えたり、要約したりするとともに、筆者の文章の
書き方の工夫について考えようとする態度を養う。
【 エ、読む能力 】
段落の役割に着目して、内容を的確に読み取ったり、要約したりする。
【 オ
言語についての知識・理解・技能 】
接続語や問いかけの文に着目して、段落の役割や全体の構成をとらえる。
9 指導計画
(1)説明文について知り、各段落の役割や全体の構成をとらえる 。(本時)
(2)各段落の役割をふまえ、内容を読み取って、要約する。
(3)ダイコンの各器官の特徴や働きをまとめ、筆者の文章の書き方の工夫について自分の考えを
もつ。
-1-
10
指導と評価の計画
単元の評価規準
ア 関心・意欲・態度
エ
読む能力
オ 言語についての
知識・理解・技能
内容のまと ・文章を読んで、新しい ・文脈の中における語句の意味を
まりごとの
知識を得たり、自分の
評価規準
考えを広げたりしよう ・文章の中心的な部分と付加的な
とする。
的確にとらえ 、理解する 。
( ア)
・音声の働きや仕組み
について関心をもち 、
理解を深める 。(ア)
部分、事実と意見などとを読み
・語句の辞書的な意味
分け、目的や必要に応じて要約
と文脈上の意味との
したり要旨をとらえたりする。
関係に注意し、語感
(イ)
を磨く 。(イ)
・場面の展開や登場人物などの描
・事象や行為などを表
写に注意して読み、内容の理解
す多様な語句につい
に役立てる 。(ウ)
て理解を深めるとと
・文章の構成や展開、表現の特徴
もに、語や文章の中
について、自分の考えをもつ。
の語彙について関心
(エ)
をもつ 。(ウ)
・文章に表れているものの見方や
・単語の類別について
考え方をとらえ、自分のものの
理解し、指示語や接
見方や考え方を広くする 。
( オ)
続詞及びこれらと同
・本や文章などから必要な情報を
じような働きをもつ
集めるための方法を身に付け、
語句などに注意する 。
目的に応じて必要な情報を読み
取る 。(カ)
(エ)
・比喩や反復などの表
現の技法について理
解する 。(オ)
単元又は
・文章の内容や構成、筆 ・文章の中で使われている言葉の
題材の
者の工夫点などに関心
評価規準
をもって読もうとす
る。
意味や内容をとらえる。
・段落の役割に着目して文章を読
み、内容をまとめる。
学習活動に ①各段落の役割や全体の ①根拠をもとに、各段落の役割や
おける具体
構成をとらえようとし
の評価規準
ている。
全体の構成をとらえている。
これらと同じような働
きをもつ語句などに注
意する。
①接続語や問いかけの
文に着目して、段落の
役割や全体の構成をと
②各段落の要約文を書こ ②各段落の内容を要約している。
うとしている。
③植物としてのダイコン ③ダイコンの各器官の特徴や働き
についてまとめ、筆者
・指示語や接続詞及び
についてまとめている。
の文章の書き方の工夫
をとらえようとしてい
る。
-2-
らえている。
指導と評価の計画
単元の評価規準との関連
努 力 を 要す る と 判断
評価
方法
時
ねらい・
お お む ね 満 足 で き る と 十分満足できると判断する さ れ た 生徒 へ の 具体
間
学習活動
判断できる状況(B)
視点(A)
的な対応・手立て
等
★ア―①
★ア―①について
★ア―①について
行動
1 ○説明文に
ついて知り、 各段落の役割や全体
各段落の役割や全体の構
文末等の表現や接
各段落の役
の構成をとらえよう
成についての自分の意見
続語を手がかりに
割や全体の
としている。
を、根拠を明確に説明し
考えさせる。
構成をとら
観察
ようとしているか。
える。
★エ-①
★エ-①
★エ-①について
根拠をもとに、各段
根拠を的確に読み取り、
文末表現や接続語 、 ワークシート
落の役割や構成をと
各段落の役割を正確に理
段落の最初と最後
らえている。
解して、全体の構成をと
の文等を手がかり
らえているか。
に考えさせる。
★オ-①について
★オ-①について
★オ-①
段落の役割や全体の
段落の役割や全体の構成
接続語の後に書か
構成を考える際に、
を考える際に、根拠とな
れる内容について 、
接続語や問いかけの
る接続語や表現を的確に
例を挙げて示し、
文に着目している。
とらえているか。
本文から接続語を
点検
ワークシート
点検
探させる。
2 ○各段落の
★ア―②
★ア―②について
★ア―②について
役割をふま
段落の役割を意識し
各段落の役割をふまえ、
段落の役割に注目
え、内容を
て、要約文を書こう
表現を工夫してよりよい
させ 、ポイントとな
読み取って 、 としている。
要約文を書こうとしてい
る文を見つけさせ
要約する。
るか。
る。
★エ-②
3 ○ダイコン
★エ-②
★エ-②について
行動
観察
ワークシート
段落の役割に即した 、 内容を的確に読み取り、
段 落 の 役 割 に 注 目 点検
要約文を書いている 。 各段落の役割をふまえた
させ 、ポイントとな
★ア―①
簡潔でわかりやすい要約
る部分をつなげさ
文を書いているか。
せる。
★ア―①について
★ア―①について
の各器官の
ダイコンの各器官の
ダイコンの各器官の特徴
各器官について書
特徴や働き
特徴や働きをまとめ 、 や働きを的確にまとめ、
かれた部分を見つ
をまとめ、
筆者の文章の書き方
筆者の文章の書き方の工
けさせたり、内容
筆者の文章
の工夫について自分
夫をいろいろな面から考
を読み取る上で役
の書き方の
の考えをもとうとし
えようとしているか。
に立ったことなど
-3-
行動
観察
工夫につい
ている。
を思い出させる。
て自分の考
えをもつ。
★エ-①
★エ-①について
★エ-①について
ダイコンの各器官の
ダイコンの各器官の特徴
各器官について書
特徴や働きをまとめ
や働きを的確につかみ、
かれた部分を見つ
ている。
簡潔にわかりやすくまと
け 、「 特 徴 」に 注
めているか。
目させる。
ワークシート
点検
11
本時の目標
説明文について知り、各段落の役割や全体の構成をとらえる。
12
本時の言語活動
各段落の役割や全体の構成についての自分の考えを根拠をもとに説明し合
い、班の意見をまとめる。
13
本時の展開
学習のねらい
○これから学習
導
する説明文に興
味をもたせる。
学
習
活
動
*自分の生活を振り返り、普段食べている野菜
のどこを食べているか考える。
根:ゴボウ、サツマイモ
生徒への支援・留意点
・植物の器官について
の基礎知識を確認し
ておく。
葉:キャベツ、レタス、ネギ
入
私たちは野菜の
茎:アスパラガス、フキ、ジャガイモ
どの器官を食べ
花:カリフラワー、ブロッコリー
ているのだろう
実:トマト、ナス、キュウリ、カボチャ
か?
○説明文の一般
*【 全体 】説明文の一般的な構成を知る。
・問題提起の文は答え
的な構成・留意
序論:導入、問題(話題)提起
が「イエス 」「ノウ」とい
点をつかませる。
本論:問題解明
う、単純な問いかけ
結論:まとめ、筆者の考え
ではないことを確認
しておく。
*【 全体 】構成を考える際 、
「 問題提起の文 」、
展
○説明文におけ
る段落の役割を
とらえさせる。
A~I の段落は
本来どのよう
な順序なのだ
ろうか?
「接続語」に留意することをおさえる。
・接続語の働きについ
問題提起の文末:「 ~だろうか 。」
ては、例を挙げて説
接続語:特に段落の初めの接続語
明しておく。
*【 個人の活動 】
・文末表現や接続語、
・本文の9つの段落をバラバラにしたもの(ワ
段落の最初や最後の
ークシートの A~I )を読み、段落の役割に着目し
文等を手がかりに考
て本来の順に並べ替え 、ワークシート2に記入する 。
えさせる。
段落の役割:導入、問題提起、答え、
補足、まとめ
着目点:段落の初めと終わり・接続語
・段落の役割もワークシート2に記入する。
-4-
・根拠となる言葉や表
現に印を付けさせる 。
また、各段落
開
はどのような
・手がかりになった接続語もワークシート2に記入す
る。
役割をしてい
るのか?
そう考える根
*【 班の活動 】
確認事項:並べ替えの順序、段落の役割
拠は何か?
・4人の役割分担を
根拠になる言葉や表現
し、できるだけたく
4人の班になり、順序・役割について意見を
さんの意見を出させ
まとめて 、本来の順序をホワイトボードに記入する 。
る。
*【 全体 】
各班の結論を、根拠をもとに説明する。
・他の班と違う考えを
付け足していく。
ま
と
○学習内容を確認
め
し、次の要約の
*各段落の役割を意識しながら、教科書を読
み、本文の流れと内容を確認する。
学習につなげる 。
14
・時間に余裕があれ
ば、要約の作業にか
からせる。
本時の評価規準
おおむね満足できると
十分満足できると判断する視点
判断できる状況(B)
★ア―①
(A)
★ア―①について
努力を要する生徒への
指導の手立て (C)
★ア―①について
各段落の役割や全体の構成を
各段落の役割や全体の構成につい
文末等の表現や接続語を手が
とらえようとしている。
ての自分の意見を、根拠を明確に
かりに考えさせる。
説明しようとしているか。
★エ-①
★エ-①
★エ-①について
根拠をもとに、各段落の役割
根拠を的確に読み取り、各段落の
文末表現や接続語、段落の最
や構成をとらえている。
役割を正確に理解して、全体の構
初と最後の文等を手がかりに
成をとらえているか。
考えさせる。
★オ-①
★オ-①について
★オ-①について
段落の役割や全体の構成を考
段落の役割や全体の構成を考える
接続語の後に書かれる内容に
える際に、接続語や問いかけ
際に、根拠となる接続語や表現を
ついて、例を挙げて示し、
の文に着目している。
的確にとらえているか。
本文から接続語を探させる。
*評価方法:行動観察・ワークシート点検
-5-