第4章 より深いリーディングのために 1. 2. 深く読むためのスキル(1)-要約する 深く読むためのスキル(2)-感想・意見をもつ 深く読むためのスキル(1)-要約する 1.なぜ要約するのか 要約するためには、全体の流れを把握し、細部 と全体の関係をつかみながら、具体例などの細 部や不要な部分を取り除いて、簡潔でしかも整 合性のある文にまとめることが必要。 「要約」という作業は、文章理解を確実なものとし、 いわばリーディングの仕上げといえる。 深く読むためのスキル(1)-要約する 2.要約するとは 「要約」はその分量によって「大意」「要旨」「主 題」などがある。 大意=原文の縮小相似形 要旨=「大意」で取り出した要素の中から中心とな るものに絞って圧縮したもの。必ずしも原文の順 序にこだわる必要はない 主題=「要旨」をさらに単純化したもの 「大意」→「要旨」→「主題」の順で、ボリュームが 小さくなっていることがわかる。原文の内容を取 捨選択したものが「要約」となる。 深く読むためのスキル(1)-要約する 3.要約のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 文章の種類を把握する 原文を読む 原文の構成をつかむ 中心部分を見つける 指定された文字数にまとめる 深く読むためのスキル(1)-要約する 4.要点をつかむ 原文には、話の「中心」をつかむためのヒントがある。 それを手がかりにして「中心」見つける作業を行う。 – 捨てられるもの 前置き、具体例、引用、説明、繰り返し、修飾、言い換え – 残すもの 意見、主張、まとめ 話の中心にあたるものが、筆者[作者]の言いたい こと。書き手は説得力ある文章にするために具体例 などを用いるので、その部分を見抜けられれば「ど れが言いたいことか」をつかむことができる。 深く読むためのスキル(1)-要約する 5.要約を作成するには 実際の要約文を作成する場合には、次のよう なポイントに気をつける必要がある。 1. 2. 3. 4. 5. 接続語や特別な副詞は分の論理関係を示す 反復されている言葉は協調を意味する 具体的な部分は要約に取り入れない 指示語を元に戻す 文字数を守る 深く読むためのスキル(1)-要約する 6.要約作成のポイント マーキングが役に立つ。具体例、言い換えの部分は 捨て去り、筆者の主張あたる部分を見つけ出して マーキングするので、その部分をつなぎ合わせれば 要約への第一ステップとしては十分。 できるだけ明確な表現を用いる。あまり抽象的に述 べるよりは、明確な形でストレートに表現したほうが 要約としてはよい。 重複・言い換えの部分を見抜く。反復されている言 葉は強調を意味する。 深く読むためのスキル(2)-感想・意見をもつ 1.書くために読む リーディングの様々なスキルについて学習してきた のは単に「読むため」に読んできたのではなく、「書 いたり話したりするため」に読む力を身につけてき た。 書かれている内容について、自分が感じたことや考 えたことを書いてみると、より読むことが面白くなる。 本の著者に共感したり、対決してみたりするのも面 白い。自分の考えや、意見をもつことで、オリジナリ ティのある主張ができる。 深く読むためのスキル(2)-感想・意見をもつ 2.読んで感じたことをまとめる 何かを読んだときは、何か「感じる」はず。それをどう 表現すればよいのか。 – 心に残った文章(主張や場面など)を抜き出し、その理由 を述べる。 – 「もし自分だったら」、「こういう状況では」など仮定して考え てみる。 「もし自分だったら」や、「こういう状況では」など自分 の立場や現在の状況に照らし合わせて考えてみる。 まとめ Ⅰ.要約する ・文章を深く読むためには、要点を把握することが大切 ・要約作成のポイント 1.具体例や細く部分などを捨てて、中心部分を見つける=マーキング が有効 2.できるだけ明確な表現を用いる=指示語を元に戻す 3.重複・言い換えの部分を見抜く=反復されている言葉は強調 Ⅱ.感想・意見をもつ ・読んで感じたことをまとめる 1.心に残った場面→それはなぜか? 2.印象に残った文や言葉→それはなぜか? 3.「もしじぶんだったら」の発想 ・読んだことから考えをまとめる 1.テーマを見つける 2.賛成・反対の立場から意見を考えてみる 終
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