2013.8.13 校長 角島 誠 サマーコンサート 本日、広島駅にニュージーランドからの帰国組を出迎えに行ったあと、午後からは廿日市のさく らぴあで開催されている本校室内楽部・吹奏楽部からなるなぎさオーケストラによるサマーコンサ ートに行ってきました。 ◎サマーコンサート 2011年から行われているなぎさオーケストラ主催のサマーコンサート。 サマーコンサートは、オーケストラとして夏休みに挑戦したこと、取り組んだことの成果発表の 場としておこなわれています。 なぎさオーケストラは自分たちのオーケストラの「らしさ」、 「あり方」、 「音楽性」を見つめ直し ていく中、自分たちの厚みをもつべく幅を広げ、挑戦するというスタンスから、毎年夏に行われる 吹奏楽コンクールへの参加を見送ってでも、海外の音楽家、プロの演奏家、作曲家との交流といっ た、本物との接触を夏休みに行うという選択しました。 このあたりについては 2011 年に顧問の藤原先生が書かれた学園広報誌をご覧ください。 http://www.tsuru-gakuen.ac.jp/tsuru145_1011.pdf そして、今日のサマーコンサートでした。今年は、ギター奏者の上垣内寿光さん、アルゼンチン 生まれ、イタリア国籍とドイツ国籍を持つシャランゴ奏者の Diego Jascalevich さん、ミニマル ミュージックで有名なドイツの音楽家 Ulli Götte さんとの共演でした。 どういった演奏だったかについては、造詣のない私がどう描写しようにも限界がありますが、教 育という視点から言えることは: 本物、圧倒的な技量、幅。そういった人との接触。しかもさまざまな言語。多様な音楽性。 そして、「気」 。漢字にはいい文字があります。 他の言語や文字で表現しようのないまさに様々な意味で「気」。 頭に、心に、体にフル活動。真に生徒が人として成長している場面がそこにはあります。 当然、当日即興でできるわけもなく、このサマーコンサートの前には、彼らアーチストが本校に 何日か滞在されて練習します。猛暑のこの夏、楽譜を共通言語とし、英語とドイツ語と日本語とい ろんな言語が飛び交う中、仕上げていきました。本校が掲げる創造性の錬磨、国際性の涵養が具現 化している場面です。 このサマーコンサートの前の 8 月 4 日には、昨年に引き続き子どもピース音楽祭に出演しまし た。県内の様々な合唱団の発表の後、総勢 88 名での本校単独での演奏はなかなかのものでした。 中1の生徒にとっては初めての大舞台での演奏体験でした。また、客演指揮者の松尾葉子氏のタク トによる演奏も経験しました。 そして、盆が明けてからはアフィニス夏の音楽祭で、世界で活躍する音楽家と日本のプロオーケ ストラメンバーとの交流、代表メンバーは同じステージでのコンサートでの出演とのこと。 「もしもピアノが弾けたなら」どころか、音符がオタマジャクシにしか見えない音楽が苦手な私 には、いくつもの曲を練習し、かつ本物との濃密な関わりの時を過ごすだなんて、生徒たちをただ ただ賞賛するのみです。正直言って、凄いわ。 ◎その他クラブも 必死になるもの、本気になるもの、必死になれるものに出会えたこと、本気になれると思えたも のに出会えたこと。あるいは、それを探している真っ最中。 頭に、心に、体にフル活動。それは、このサマーコンサートのオーケストラだけでなく、様々な クラブにおいても然り。座学と違って、実際に動きとして、形として結果が出る部活動は、真に人 として成長させる場面があります。 インターハイ出場の陸上部、全国総合文化祭出場の将棋、バトントワリング、放送といった全国 レベルで活躍した部もあれば、区大会、市大会、県大会と様々な段階で、それぞれの部がチームの 課題と向き合いながら成長しています。 夏休みの前半は、さまざまの会場で生徒の涙や清々しい笑顔がありました。夏休みの後半は、上 級生が引退し、代替わりをした新チームとして暑い夏を過ごすクラブもあります。 中学校テニス部はこの盆明けから名古屋で全国大会です。 ◎宿題は? 夏休みフル稼働でいくつもの曲を練習して、よくもまぁと感心はしたものの、校長としてオーケ ストラの顧問に聞きました。勉強との両立はできているの? と。それには、特に学習習慣をつけ る必要がある低学年は勉強道具を持参させて、練習が空いた時間には自習時間を作っているとのこ と。なるほど。 いくつかの運動部は、部活動をしに学校に来たついでではないですが、顧問の監督下、勉強時間 が決められて勉強をすることも部活動の時間の中に入れられています。 他国では考えられない夏休み期間中の学校の教育活動です。 日本の学校とは、何とありがたいところでしょう。
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