新編日語第三冊 第5課 カメラと写真 (言葉と表現) 2015/9/30 1 一、「…ところから」 【意味】 「~が原因で/~が理由で」という意味。 直接の経験を根拠に話し手が推量を述べる場合 に使う。 だから、文末には「らしい・ようだ・にちが いない」などの判断を示す言い方が多い。かた い書き言葉。 2015/9/30 2 【接続】 「連体形+ところから」 ▲彼女は父親が中国人であるところから、中国人の 知り合いも多い。 ▲この魚は、蛇そっくりなところから、ウミヘビ という名前を持つ。 ▲カボチャは、カンボジアからやってきたと言われ ているところからその名がついたそうだ。 2015/9/30 3 【関連表現】 ①名詞+から ▲友人の無責任の一言から、彼女は会社にいられなくなっ て会社をやめた。 ②連体形+ことから ▲彼女はアラビア語ができるということから、オリンピックの 通訳に推薦された。 ★名前の由来を述べるときは「ところ」のほうがよく 使われる。 2015/9/30 4 【練習Ⅰ】 次の前後二つの文を、「ところから」 で繋ぎなさい。 ①平気な顔をしています。まだ事故のことを知らない でしょう。 ②大勢の人が順番を待っています。安くておいしい店 のようです。 ③高級車に乗っています。相当の金持ちに違いありま せん。 ④ この辺は桜の木が多い。桜木町と呼ばれるようになった。 2015/9/30 5 【練習Ⅱ】次の文を完成しなさい。 ①左の手の薬指に指輪をはめているところから、新入社員 の石田さんは といううわさになっている。 ②今年は ことから、夏の水不足が心配され ている。 ③風邪ぐらいと思って油断してはいけない。 から になることもある。 2015/9/30 6 【正解】 ①左の手の薬指に指輪をはめているところから、新入社員 の石田さんは結婚しているといううわさになっている。 ②今年は雨が少ないことから、夏の水不足が心配され ている。 ③風邪ぐらいと思って油断してはいけない。軽い風邪から 重い病気になることもある。 2015/9/30 7 二、「…といった名詞」 【意味】 例を挙げるのに使う。これが全部ではなく、ほ かにまだあるという含みがある。 =など 【用法】 「…といった+名詞」 (该名词为包括所举事例在内的抽象名词) 【用例】 ▲酒やタバコといったものは好みません。 ▲今日は百メートル、明日は百二十メートルといった 具合に毎日運動量を増やしていく。 2015/9/30 8 【比較】 「~という」と「~といった」との違い ①という:同格や内容説明 ▲結婚という最も決断を必要とする問題が目の前にあった。 ▲姉は四百名中一番という成績で卒業した。 ②といった:種類・例示のニュアンスを付け加える。 比較: Aその製品の製造・販売を中止せよ、という命令が入った。 (命令のすべて) Bその製品の製造・販売を中止せよ、といった命令が入った。 (命令は他にもあったが、そのうちの一つが上の命令だ。) 2015/9/30 9 【練習】 次の文を「といった」で言い換えなさい。 ①黒沢明、北野武など、日本の有名な映画監督 の作品を上映するそうです。 ②この学校にはタイ、インドネシア、マレーシ アなど、東南アジアの国々からの留学生が 多い。 ③その駐車場には、ベンツ、豊田、日産などの 日本車がずらりと止まっている。 2015/9/30 10 三、係助詞「でも」 【意味と用例】 ①特にそれだけにこだわらないという気持ちで 事柄を例示的に提出する。 ▲本でも読んで待っていてください。 ▲病気にでもなったら、困る。 ▲寒いから鍋物でもしたらどうでしょうか。 ★「一例として言えば」とかいった気持ちをこ めて表す用法は、婉曲的な表現として用い られることが多い。 2015/9/30 11 ② 極端な例を挙げて、他のものはなおさらだ という意味を示す。 ▲この森は夏でも涼しい。 ▲この算数の問題は大人でも難しい。 ▲この機械は操作が簡単で、子供でも使えま す。 2015/9/30 12 【接続】 ①体言につく ▲待っている間、この雑誌でも見ていてください。 ▲ぼくなんかでもそれぐらいはできますよ。 ②「か」「を」を除く格助詞につく。 ▲私にでも話してくれればよかったのに。 ▲10時からでも始めましょうか。 ▲ぼくはちょっと用事があるから、弟とでもやってください。 ▲おじさんの家へでも遊びに行こう。 ▲宿題のレポートは、図書館ででも調べてみることにした。 2015/9/30 13 【比較】 「でも」と「まで」との違い 次の文中の( )に「でも」か「まで」を入れ てください。 ①徹夜( )して頑張ったのに、テストでいい 成績が取れなかった。 ②道路工事中なので、夜中( )うるさい。 2015/9/30 14 【正解】 ①徹夜(まで)して頑張ったのに、テストでいい 成績が取れなかった。 (徹夜という例を挙げて、どれほど頑張った かを示唆する) ②道路工事中なので、夜中(でも)うるさい。 (静かなはずの夜中でもうるさいから、昼間 のうるささは想像できる) 2015/9/30 15 四、「に」 「名詞+に」 の形で原因・理由を表す場合、次のよう な分類があります。 ①表示某种心理现象的起因、由来。此时,不宜与 「で」 替换。 例「あきる・憧れる・甘える・気づく・驚く・拘る・ 困る・腹立つ・惚れる・迷う」 ▲夕べの地震にたいへん驚いた。 ▲母は私のいたずらに困っている。 ▲勉強にあきたので、散歩をしました。 ▲人の親切に甘えないで、自分でできることは自 分でやりなさい。 2015/9/30 16 ②表示生理现象的起因、由来,可与「で」替换。 ▲私は勉強に疲れた。 (でも、「人生に疲れた」の場合は、「で」 ではだめ、心理現象だから) ▲ガスに中毒した。 ▲お酒に酔っ払いました。 2015/9/30 17 す る ③表示自然现象的起因、由来,也不宜与「で」替换。 ▲海水浴へ行って、日に焼けた。 ▲木の葉が風に揺れている。 ▲雨にぬれて、風邪を引いてしまいました。 ★原因を「に」で表す動詞: 感動する、失望する、悩む、びっくりする、がっかりする、 満足する、感心する、ぬれる…… 2015/9/30 18 五、「動詞+ては」 【意味】 動作、現象が一定の時間を置いて、繰り返し起こる ことを示す。 【用法】 ①「V1てはV2」 ▲学生の頃は、小説を読んでは仲間と議論したものだ。 ▲家計が苦しいので、母はお金の計算をしてはため息 をついている。 2015/9/30 19 ②「V1てはV2、V1てはV2」 「V1てはV2、V2てはV1」 反復を強調するために、「~ては~ては」と並列的 に用いることもできる。 ▲書いては消し、書いては消し、やっと手紙を書き 上げた。 ▲食べては寝、寝ては食べるという生活している。 ▲起きては学校へ行き、帰っては寝るだけ、という単調 な生活が、すっかりつまらなくなった。 ※ …ては(では)→ …ちゃ(じゃ) 2015/9/30 20 【練習】 次の文を「…ては」で言い換えなさい。 ①子供は二、三歩歩くと立ち止まって、母親の来るのを待っ ている。 ②その女性は誰かを待っているらしく、1ページ読むと顔をあ げて窓の外を見ている。 ③あの人は音楽会へ行くとクラシックを聞き、展覧会へ行く と絵を鑑賞している。 ④作ると壊し、作ると壊し、を何度もやり直して、ようやく 満足できるつぼができあがった。 2015/9/30 21 六、動詞の畳語 【意味】 =「ながら」 【用法と用例】 ①その連用形は二音節以上の言葉の場合、「連用形 +連用形」 ▲A:日本語の新聞を読むのは大変でしょう。 B:ええ、字引を引き引きですからね。 ②その連用形は一音節しかない場合、「連用形+そ の音節の母音」 ▲妻:ご飯ぐらいゆっくり召し上がったらどう。 夫:新聞、見い見い食べるの、癖になってしまっ て直らないんだ。 22 2015/9/30 七、「どころか」 【意味】 後には、前のことと正反対である事実が 続き、予想・期待を根底からくつがえす事 実を述べるのに使う。 【用法】 ① 「XどころかY」 ★「事実はXではなく、正反対のYだ。実際に はX程度ではなく、もっと重い/軽いYだ」と いう意味。 2015/9/30 23 A「動詞・形容詞の普通形+どころか」 ▲雨が降るどころか、雷まで落ちた。 ▲「旅行どうでした。よかったでしょう。」 「それがよかったどころか、大変だったんです。」 B「名詞・副詞+どころか」 ▲彼は病気どころか、ぴんぴんしている。 ▲「彼、かなりできるようですね。」 「かなりどころか先生よりうまいくらいですよ。」 C「形容動詞(な)+どころか」 ▲彼女は静かなどころか、すごいおしゃべりだ。 2015/9/30 24 ② 「 XどころかY ない」 「 …どころか…さえ(も) /も/だって…ない」 ★後半では「さえ(も)/も/だって…ない」のような否 定表現を用い、「Xはもちろん、Yも… ない」と、X もYも否定される。 ▲最近の大学生の中には、英語どころか日本語の文章 さえもうまく書けない者がいる。 ▲彼女の家まで行ったが、話をするどころか姿も見せ てくれなかった。 ▲お前のようなやつには、1万円どころか1円だって貸 してやる気はない。 2015/9/30 25 【練習】 「どころか」で前後を繋ぎなさい。 (1)ピアノが弾ける、バイオリンも演奏できる。 (2)旅行に行く、散歩にも行けない。 (3)自動車を運転する、飛行機の操縦までする。 (4)あの人はまだ独身です、子供が三人もいますよ。 (5)このごろ涼しいです、連日30度を越える暑 さが続いています。 2015/9/30 26 八、「ところ」 【意味と用法】 1、時点、場面 ①直前 「動詞基本形+ところだ」 ▲家に戻ってくると、妻は買い物に出かけるとこ ろだった。 ②直後 「動詞タ形+ところだ」 ▲電話したら、あいにくちょっと前に出かけたと ころだった。 2015/9/30 27 ③最中 A「動詞テイル形+ところ」 ▲ふすまを開けると、妻は着物を片付けていると ころだった。 B「動詞テイル形+ところに/へ」 =~ている/~た時に ▲ご飯を食べているところに電話がかかってきた。 ▲パーティーが始まったところへ、林さんが入ってきた。 C「動詞テイル形+ところを(見る、見つかる…) 」 ▲お母さんは子供が遊んでいるところを家の窓から 見ていた。 ▲こっそりタバコを吸っているところを先生に見つ かった。 2015/9/30 28 2、範囲 ①「 …ところでは」 ▲私の知っているところでは、そのようなことは 一切ございません。 ②「 …ところによれば/よると、… そうだ/らしい/ようだ」 ▲聞くところによれば、あの二人は離婚したそうです。 ▲現地記者の話すところによると、戦況は悪化する一方 のようである。 2015/9/30 29 3、状況 「 …ところを見ると ▲平気な顔をしているところを見ると、まだ事故の ことを知っていないのだろう。 ▲大勢の人が行列しているところを見ると、安くて おいしいお店のようだ。 ★文末には「らしい/ようだ/に違いない」などが多用 される。 ★ 「……しているところ」の形が多い。 2015/9/30 30 八、「~済み」 「そのことが済んでいる」という意味を表す。 ▲そこにある品物は検査済みのものだけで、悪いものは ないはずです。 ▲あの店への代金は全部支払い済みになっている。 ▲売約済みの札をはる。 2015/9/30 31 よく使われる言い方: △チェック済み △予約済み △登録済み △手配済み △支払済み 2015/9/30 △試験済み △検査済み △支出済み △売約済み △解決済み 32
© Copyright 2024 ExpyDoc