2月号 - 上田八木短資

2009.2.2
上田八木短資株式会社
企画部
Ⅰ.金融・経済情勢のポイント
(金融政策)
日銀は、1 月 22 日の金融政策決定会合において、前回(12 月 19 日)に引き続き、全員
一致で当面の金融政策について現状維持を決定した。
日銀は、輸出の大幅減少、内需の弱まり等を背景に、景気は大幅に悪化しているとの
判断を示し、当面悪化を続ける可能性が高いとした。また消費者物価(除く生鮮食品)の
前年比は、需給バランスの悪化も加わって、春頃にかけてマイナスになっていくとみら
れるとした。
また昨年 10 月の「展望レポート」の中間評価では、2008 年度、2009 年度の成長率は
前回見通し対比、大幅な下振れ、マイナス成長を予想、国内企業物価、消費者物価(除く
生鮮食品)は、ともに下振れを予想している。
同時に日銀は、企業金融に係る金融商品の買入れを行うことについての基本的な考え
方を整理した上で、①CP 等買入れの具体的な内容、②残存期間 1 年以内の社債買入れにつ
いての検討、③不動産投資法人債の適格担保化、④長期国債買入れにおける対象国債の追加
および残存期間等区分別買入れの実施、を発表した。
(国内経済・景況判断)
国内景気については、11 月の景気動向指数(CI)一致指数(速報値)が 94.9 と前月比 2.8
ポイント低下し、過去 2 番目の下げ幅となった。政府は、1 月の月例経済報告で景気の基
調判断を 4 ヶ月連続で引き下げ、「急速に悪化している」とした。
経済指標では、12 月の鉱工業生産指数(速報)は前月比 9.6%低下し、低下幅は過去最大を
更新した。12 月の完全失業率は 4.4%と前月比 0.5 ポイント上昇し、完全失業者数は 270 万
人(前年比 39 万人増)となった。有効求人倍率は 0.72 倍と前月比 0.04 ポイント低下し、11
ヶ月連続の低下となった。
また、物価については、12 月の企業物価指数(速報値)が前年比 1.1%上昇と前月の 2.8%
上昇から鈍化し、前月比では 1.2%の低下となった。12 月の消費者物価指数(除く生鮮食品)
は前年比 0.2%上昇と、伸び率は前月の 1.0%上昇からさらに低下した。
(内外市場動向)
国際金融資本市場においては 1 月に入り、BOE、ECB がそれぞれ 0.5%の利下げを行い、FRB
は FF 金利目標レンジ(0~0.25%)を据え置いた。FRB は声明の中で、景気は一段と悪化して
おり、インフレは望ましい率を下回り続けるリスクがあるとしたほか、効果的と判断すれば
長期国債を購入する用意があることを明らかにした。
米国では、オバマ新政権への政策期待が高まる中、NY ダウ平均は月初 9000 ドル台を回復
したが、生産、住宅、雇用、消費等の悪化を示す指標や米金融機関のさらなる業績悪化が明
らかになるにつれて下落し、前月末比 776 ドル安の 8000 ドルで月末を迎えた。金利は国債増
発懸念から、特に長期金利の上昇が目立ち、10 年国債利回りは 2.8%台(前月末比 0.6 ポイン
ト余り上昇)となった。
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欧州でも実体経済の悪化が進み、政府による追加景気対策、金融機関の公的支援、企業金
融支援、重要産業の直接救済策等が次々に発表された。為替では対ドルで欧州通貨安が進む
とともに、金利は国債増発懸念により、短期金利の低下・長期金利の上昇という形でイール
ドカーブのスティープ化が進んだ。
国内では、CP レートは日銀買入れオペへの期待もあって徐々に低下した一方、債券レポレ
ートは FB・TB 増発に伴う消化難から強含み、債券の発行・流通レートにも影響が及ぶ展開と
なった。株式市場は、日経平均が月初 9200 円台まで上昇したが、NY 株安、円高の進行で一
時 7600 円台まで下落、その後は企業業績悪化の発表が相次いだことで戻りも弱く、月末は
7900 円台で引けている。債券市場では、10 年国債利回りが月初一時 1.3%台前半まで上昇し
たが、その後は 1.2%台で方向感のない動きとなった。
(今後の見通し)
経済指標・企業業績の悪化の幅とスピードはかつてないものであり、実体経済は目に見え
て悪化している。当局の各種施策により、金融市場はひとまず落ち着きを取り戻しているが、
3 月末にかけて、企業業績の悪化が金融機関に負のフィードバックを与える可能性も否定で
きない。市場参加者は当面、流動性確保優先のオペレーションを続けることになろう。
Ⅱ.短期金融市場の動向
無担保コールオーバーナイトレートは、0.1~0.14%程度を中心とする落ち着いた出合いが
続いた。債券レポ GC レートは短期の国債の増発が続いたことで高止まり、東京レポレート翌
日物が 0.25%まで上昇した。日銀は連日、国債買現先オペを行ったが、それでも債券レポ GC
レートは高止まった。
CP 市場では日銀のオペ等を背景に、発行環境が好転した。企業金融支援特別オペが 2 回行
われたが、応札は良好、月末にスタートした CP 等買入れオペとあわせて、発行レートの低下
を促した。
(今後の見通し)
先行きについては、3 月末越えの金利の動静が注目される。短期国債のレートが上昇気味
であり、3 月末越え金利の高止まりが懸念されるが、日銀は、国債買現先オペや企業金融支
援特別オペ、CP 等買入れ等のオペレーションにより、3 月末越え金利の跳ね上がりを阻止す
るものと思われる。
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