【施策目標Ⅰ-1】安定給水の確保 ■一般的 な住宅の例 施工後 事業効果・計画目標 効果 安全でおいしい水の提供をします。 目標 ・ 老朽給水管更新目標件数 17,500 件(平成 28 年度) ・ 老朽給水管更新目標達成率 74% → 91%(平成 28 年度) ・ 老朽給水管の解消(平成 30 年度) ・ 鉛製給水管の解消(平成 28 年度) ■老朽給水管更新目標達成率( %) ※ 91% 100% 74% 63% ※平成 30 年度を目標に老朽給水管の更新を行い、達成 率は 100%となります。今後も、市内一円の地下漏水 調査を定期的に実施しながら適切な維持管理を行っ ていきます。 計画期間内の予定事業費 (実績) (現状) (目標) (計画) 60.9 億円 31 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり Ⅰ-2 安心に暮らせるまちづくり(強靭な水道施設の構築) Ⅰ-2-(1) 震災対策 ○ 基幹施設の耐震化の推進 ○ 貯水量の増量や管路のバックアップ、電力の確保などの取組 ○ 重要な拠点への供給ルートの耐震化の促進 地震などの自然災害の発生は、水道のシステムに多大な被害をもたらす可能性 がありますが、このような非常事態においても施設の安全性を確保し、また、被 災した場合でも速やかに復旧できる体制を確保しておく必要があります。 東日本大震災では、地震による被害の他に津波の被害が加わり、大きな被害が 発生しました。また、震災後には、電力不足による計画停電の影響などもあり水 道施設への電力確保も課題となりました。 これらの経験を生かして、基幹施設に対しては、個々の施設を強化して予防を 図るとともに、被災した場合の対応として、施設のバックアップ体制や電力、通 信について、送水機能や監視制御機能などを停止させないように、電源や通信の 二重化を行うなどの、バックアップ機能を持たせることで、安定給水の確保を進 めていきます。 送配水施設である管路については、基幹管路をはじめ、地域防災拠点に位置付 けられている市立の中学校や医療機関などの重要な施設への耐震化を進めてい ます。また、老朽配水管の更新に合わせて、更新する管種を地震に強い管種にす ることで効率的に管路の耐震化を進めていきます。 32 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり 防災計画においては、東日本大震災後に想定地震について再度、調査、検証を 平成 24 年度に実施し、川崎市に最大の被害をもたらす地震として「川崎市直下 の地震」を想定しており、市内のほとんどの地域で震度 6 弱以上の揺れになると 想定されています。 また、津波被害については、神奈川県が公表した津波浸水予測のうちで、本市 において最大の浸水域と浸水深になる「慶長型地震」を津波被害の想定地震とし ており、これらの想定地震に対する対策を進めていきます。 川崎市直下の地震被害の概要(平成 21 年度報告書との対比) 水道事業 被害内容 平成 24 年度 平成 21 年度 震災直後の断水世帯数 351,337 世帯 414,852 世帯 ※ 水道事業については、平成 21 年度の被害予測に対して被害世 帯が減少しています。これは、毎年管路の耐震化事業を進めて いる効果等が反映されたものです。 さらに、地震発生時には交通機関のマヒによる職員参集の遅れなど、応急復旧 活動に影響を与えかねない状況も想定しなければなりません。そのため、過去の 震災などを教訓とした、業務継続計画など危機管理に関わるマニュアル等の整備 を進めていきます。 ■鷺沼配水池 耐震化工事 ■生田配水池 33 更新工事 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり Ⅰ-2-(1)-① 基幹施設の耐震化 浄水場や配水池などの基幹施設は、原水を処理するための浄水処理施設や、 飲料水を貯める貯留施設など水道施設の中でも特に重要な施設です。そのため、 基幹施設では、安定給水を継続するために、震災時の影響などを考慮した、施 設の耐震化のほかに、貯水量の増量や管路のバックアップ機能、電力の確保な どの取組を効率的に進めていきます。 平成 25 年度末整備状況 ・再構築による長沢浄水場第 1 期工事完了:浄水施設耐震化率 41% ・再構築による長沢配水池更新:配水池、配水塔耐震化率 14% 計画期間の取組内容 ・長沢浄水場第 2 期工事をはじめとする、浄水施設、配水池、配水塔 などの更新工事や耐震補強工事を継続して進めていきます。 ・更新に併せて配水池の貯水量の増強を行います。 ・主要な配水池での受水を 2 系統化することにより、緊急時のバック アップ体制を整えます。 ・東日本大震災を教訓として、計画停電など電力の供給がストップし た際にも安定供給が出来るように自家発電設備などの整備を進めま す。 ■主要な工事 ・再構築による長沢浄水場第 2 期工事 ・再構築による生田配水池更新工事 ・鷺沼配水池耐震補強工事 ・末吉配水池更新工事 ・黒川配水池耐震補強工事 ・2 号配水本管布設替工事(鶴見川水管橋) ・基幹施設の自家発電設備等の設置工事 34 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり ■鷺沼配 水池 耐震補強工事 (平成 25~27 年度) ■末吉配 水池 更新工事 (平成 26~30 年度) ■黒川配 水池 耐震補強工事 (平成 27~28 年度) ■2 号 配水本管 鶴見川水管橋 布設替工 事(平成 24~26 年度) ※管路を 地下化し耐震化 35 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり ■電源及び通信の二重化 送配水ポンプや監視制御装置などの基幹的な電気計装設備に対しては、送水機能 や水運用に不可欠となる情報の取得と遠隔監視制御等に係る機能が停止しないよう に電源や通信の二重化を進めていきます。 2系統受電 + 自家発電設備 変 電所 変電所 浄水場 G 自家発電設備 専用回線による通信二重化 変 電所 水運用センター 変電所 G 2系統受電 + 自家発電設備 自家発電設備 専用回線 + 衛星回線による バックアップ 配水池 配水塔 ポンプ所 UPS 変電所 G 自家発電設備 2系統受電 若しくは 1系統受電 + 無停電電源装置 2系統受電 若しくは 1系統受電 + 自家発電設備 ■電源及 び通信の二重化イメー ジ図 36 変電所 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり 事業効果・計画目標 効果 災害時にも安定した給水を継続します。 目標 ・ 浄水施設耐震化率 41% → 100%(平成 28 年度) ・ 配水池、配水塔耐震化率 14% → 66%(平成 28 年度) ■浄水施設耐震化率(%) (成果と 計画目標) ※ ■配水池 、配水塔耐震化率(% ) (成果と 計画目標) 100% 100 100 80 80 60 66% 60 41% 40 40 20 96% 14% 20 0% 2% 0 0 H23 H25 H28 (実績) (現状) (目標) H23 H25 H28 H30 (実績) (現状) (目標) (計画) ※ 浄水施設の耐震化率については、再構築計 画に基づき、潮見台浄水場及び生田浄水場 を廃止し、長沢浄水場へ機能集約すること としており、長沢浄水場の更新が完了する 平成 27 年度に耐震化率 100%となります。 計画期間内の予定事業費 55.7 億円 ※再構築に関する事業費は含まない。 37 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり Ⅰ-2-(1)-② 管路の耐震化 管路の耐震化については、地域防災拠点に位置付けられる市立中学校や医療 機関等の重要施設への供給ルートの耐震化を進めています。引き続き、送水管 や配水本管等の基幹管路の耐震化を図るとともに、老朽管更新等の管路工事の 実施に併せて、効率的に管路の耐震化を進めていきます。 平成 25 年度末整備状況 ・重要な拠点への供給ルート耐震化 (医療機関:77 箇所 市立中学校(地域防災拠点) :51 箇所) ・老朽配水管更新を目的とした管路工事 管路の耐震化率 25% ■重要な拠点への供給ルート耐 震化 計画期間の取組内容 ・送水管や配水本管等、基幹管路の耐震化 ・老朽管更新等の管路工事の実施に併せて耐震化 取組内容 ~ H25 H26 耐震化率 25% 管路の耐震化 重要な拠点への 供給ルートの耐震化 H27 H28 老朽配水管更新による管路耐震化 38 H29 耐震化率 29% H30 耐震化率 32% 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり ■吊り上 げても抜けない耐震管 事業効果・計画目標 効果 震災時における給水の確実性が向上します。 目標 ・ 基幹管路の耐震化率 75% → 77%(平成 28 年度) ※全国平均値:20.1%(平成 24 年度末) ・ 管路の耐震化率 25% → 29%(平成 28 年度) ※全国平均値:10.5%(平成 22 年度末) ■基幹管路の耐震化率(%) (成果と 計画目標) 100 75% 75% ■管路の 耐震化率(%)※ (成果と 計画目標) 100 78% 77% 80 80 60 60 40 40 20 20 0 H23 H25 H28 22% 25% 29% 32% 0 H30 H23 H25 H28 H30 (実績) (現状) (目標) (計画) (実績) (現状) (目標) (計画) ※ 老朽管更新等の管路工事実施に併せ 計画期間内の予定事業費 131.1 億円 39 耐震化を進めます。平成 31 年度以降 も継手の耐震化を含め更新サイクル 60 年を継続し、より強固な管路網構 築を目指します。 【施策目標Ⅰ-2】安心に暮らせるまちづくり Ⅰ-2-(2) 危機管理対策 ○ 自助・共助・公助の 3 つの助け合いによる災害時対応力の強化を推進 ○ 供給ルートが耐震化された市立小中学校等へ、開設不要な応急給水拠点 の整備を推進 ○ 自主防災組織等による災害対策用貯水槽を活用した応急給水活動の推進 地震などの自然災害発生時においては、被災を最小限にとどめ水道サービスの 持続に向けた取組を、自助・共助・公助の 3 つの助け合いを軸とする災害時対応 能力の強化を目指します。 特に、広域的な大規模災害が発生した場合においては、迅速な復旧活動と応急 給水活動に向けて、公助だけではなく、自助と共助による地域住民の方々との連 携した取組と職員の危機管理への対応能力が求められます。 ■自助・共助・公助のイメージ 災害への備え 自助 自らの備えや行動に 向けた取組 公助 震災対策などの公的整備 共助 被災時の助け合い などの協力活動 自助においては、災害時に備えて生命維持に最小限必要な 1 人 1 日 3 リットル 3 日分確保に向けた広報活動を進め、ペットボトル『生田の天然水 恵水(めぐ み) 』の販売についても継続して進めていきます。 共助では、災害時などで水道管に被害が発生した場合などの給水ポイントとなる 応急給水拠点について、地域住民の方々相互の助け合いにより迅速な対応ができるよ うな整備を進めていきます。 また、平成 25 年度に実施した上下水道局市民意識調査においては、応急給水拠点 について認知度が低い結果が出ており、地域の自主防災組織などと連携した訓練など を通じて、啓発活動の取組を進めていきます。 40
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