芳香族の系統分離

有機溶媒や水との溶解度の差や
酸・塩基の水溶液との溶解性の
違いを利用して分離する操作。
芳香族の系統分離
OH
COOH
CH3
NH2
酸の強さ
塩酸、硫酸>スルホン酸>カルボン酸>
炭酸>フェノール類
NO2
弱酸の遊離
フェノール
安息香酸
アニリン
トルエン
「弱酸の塩」+「強酸」→「強酸の塩」
+
「弱酸」
ニトロベンゼン
塩基性グループ
希塩酸を加えて振り混ぜる。
※水色は水槽
橙色はエーテル層を表す。
分液漏斗
OH
OH
NH3Cl
フェノール
アニリン塩酸塩
CH3
COOH
安息香酸
NO2
トルエン
CH3
NH3+ Cl
ニトロベンゼン
・エーテルと希塩酸は混ざら
ない。比重の小さいエーテ
ルが上層となる。
・塩基性のアニリンは塩酸と
反応してアニリン塩酸塩
となる。
NO2
COOH
−
炭酸水素ナトリウム水溶液
を加えて振り混ぜる。
NaOH水溶液とエーテル
弱塩基の遊離 を加えて振り混ぜる。
・エーテルと炭酸水素
ナトリウム水溶液とは
混ざらない。比重の小
さいエーテルが上層と
なる。
NH2
有機化合物
はない。
グループ
A
アニリン
弱酸の遊離
ニトロベンゼン
グループ
ONa
CH3
ナトリウム
フェノキシド
安息香酸
弱酸の遊離
COOH
NO2
トルエン
CO2を通じ(または塩酸)
エーテルと振り混ぜる。
OH
CH3
ニトロベンゼン
分留する。
CH3
安息香酸
フェノール
エーテルを
蒸発させる。
試験によく出る
①二酸化炭素の発生や有機溶媒の蒸発により
漏斗内の圧力が高まるので、漏斗を振っては
コックを開き、ガス抜きを行う必要がある。
②エーテル、クロロホルムは麻酔性があるので
換気には十分注意する。
OH
フェノール
C
NO2
ベンゼン
スルホン酸
ジエチルエーテル
ヘキサン、ベンゼン
水層が上層
有機溶媒が下層
四塩化炭素、クロロホルム
OH
CH3
COOH
COOH
OH
サリチル酸
有機溶媒の密度が
水の密度1g/㎝3より
小さい時、上層となる。
分留
2種類以上の液体の
混合物を、沸点の差を
利用して分ける操作。
Cグループ
フェノール類(微酸)
OCOCH3
アセチルサリチル酸
高沸点
沸点211℃
有機溶媒が上層
水層が下層
Bグループ
炭酸よりも強い酸
ニトロベンゼン
・エーテルと水酸化ナトリウム
とは混ざらない。比重の小さい
エーテルが上層となる。
・酸性であるフェノールだけが
水酸化ナトリウムと反応して
ナトリウムフェノキシドとなる。
※ジエチルエーテルが最も一般的に使われる。
☆理由は①水に溶けにくく有機溶媒を良く溶かす。
②水と密度差が大きいので分離しやすい。
③揮発性が大きいので溶媒がより低温で除去できる。
☆下記物質を分離した場合はそれぞれのグループに移動する。
Aグループ
トルエン
低沸点
沸点110℃
Oークレゾール
NO2
O − Na+
有機化合物
はない。
SO3H
・炭酸よりも強い酸の安
息香酸だけが炭酸水素
ナトリウムと反応して
安息香酸ナトリウムと
なる。
COO − Na+
グループ
エーテルを
蒸発させる。
※操作上の注意点
NO2
B
有機化合物
はない。
アニリン
CH3
OH
NaOH水溶液を加
えて振り混ぜる。
希塩酸とエーテルを
加えて振り混ぜる。
COOH
NH2
NO2
フェノール トルエン
安息香酸ナトリウム
エーテルを
蒸発させる。
CH3
OH
COONa
中性
OH
1−ナフトール
ベンゼン
ナフタレン
沸点80℃
沸点218℃
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