様式1 5段階評価 指定管理者の管理運営に対する評価シート 所管課 評価対象期間 子ども家庭局子ども家庭部保育課 平成18年4月1日∼平成22年3月31日 1 指定概要 名 施設概要 施設類型 称 北九州市立八幡東さくら保育所 Ⅱ 目的・機能 ― ⑦ 所 在 地 北九州市八幡東区祇園一丁目5番1号 児童福祉法第39条に規定される保育所として、日日保護者の 設置目的 委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを 目的とする児童福祉施設である。 非利用料金制 ・ 一部利用料金制 ・ 完全利用料金制 利用料金制 インセンティブ制 有・無 名 ペナルティ制 称 社会福祉法人北九州市福祉事業団 指定管理者 所 在 地 北九州市八幡東区中央二丁目1番1号 保育所の管理及び保育の実施 指定管理業務の内容 指定期間 平成18年4月1日∼平成23年3月31日 有・無 2 評価結果 評価項目及び評価のポイント 1 施設の設置目的の達成(有効性の向上)に関する取組み 配点 評価 レベル 50 得点 40 (1)施設の設置目的の達成 ① 国の法令に基づいて設置されている施設の場合、当該法令 に規定されている趣旨を達成するための取り組みがなされ、 その効果があったか。 ② 利用者に対する「保育課程」 「指導計画」に基づき、適切に 保育が実施されたか。 ③ 施設の設置目的に応じた効果的な広報活動がなされ、その 30 効果があったか。 4 24 ④ 複数の施設を一括して管理する場合、施設間の有機的な連 携が図られ、その効果が得られているか。 ⑤ 利用者が高齢者、障害者(児) 、児童等である場合、個々の 利用者や、その家族の特性に応じた支援、取組みがなされ、 その効果があったか。 [評価の理由、要因・原因分析] 保育方針がわかりやすく明示され、通常保育のほか子育て支援の取組み(未就学児の サポートや育児相談・育児講座の開催などによる母親支援)など、計画に則った保育所 運営が行われている。 子どもの安全と人権を守り、感性豊かで健やかに成長できる環境を重視しており、家 庭との綿密な連携の下に家庭的な温かい雰囲気の中で保育環境を整えている。また、保 護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に適切な支援をおこなっている。 保育内容については、養護的側面と教育的側面が一体となった総合的保育を実施して いる。食育にも力をいれており、 「食べる意欲はすべての活動意欲に繋がる」ことを理念 としている。給食マニュアル・食育年間計画を立て、調理員は直接子どもたちとコミュ ニケーションを図り、職員との情報交換もおこなうことにより改善に取り組んだ。食物 アレルギー対策として除去食の対応もおこない、保護者向け試食会や食育講座を開催し、 子どもたちと菜園活動を通して「食」への関心を高めた。また、JICAとの国際交流 も盛んである。 特別保育事業に関して、乳児保育事業では、乳児の情緒発達や、身体発育の特性を十 分に理解し、温かい雰囲気でゆったりとした環境での保育を心がけ、心身の発達を促す 保育をおこなった。利用者は年間200人から400人で増加傾向にある。 延長保育事業では、働く親を積極的に支援し、利用延べ人数は指定管理前と比較して 34.5%増加している。 障害児保育事業では専門機関との連携を密にしながら保護者への支援をおこなうとと もに、個別指導計画をケース会議で検討し取り組んでいる。 一時保育事業では、パート就労、冠婚葬祭、病気、リフレッシュなどの理由により安 定した生活の支援をおこなった。利用が不定期なため子どもたちが不安感を持たないよ う同じ保育士がかかわり、家庭的な雰囲気を大切にした。例年千人以上の利用者がいる が、平成21年度は新型インフルエンザが流行したにもかかわらず、二千人を超える利 用があった。 休日保育事業は平成20年度から取り組んでおり、利用延べ人数は23.7%増加し た。地域子育て支援センター事業としては、子育て親子の交流の場の提供と交流の促進 を目指し、 「さくらキッズルーム」 、 「0歳児ルーム」をおこなっている。年間利用者延べ 人数は1万人を超え、大変好評である。 平成21年度より保護者の育児不安に対応できるよう「さくらカフェ」として同じ悩 みを抱える者同士、あるいは育児の先輩との語らいの場も設けている。 「さくらキッズだより」は年6回、計2,700部発行され、各市民センターや区役 所等に設置し、地域の未入所児対象の子育て支援の登録が増加している。また、ホー ムページによる情報提供も活発に行われている。 月平均入所児童数は平成18年度から増加しており、平成21年度は203.4人。 北九州市内で最も高齢化率の高い八幡東区において、5年連続110%以上の高い入所 率を維持している。これは、さくらキッズルームや一時保育事業利用者が当保育所の取 り組みに共感し、入所を希望することが多いことも一因である。 このように、保育の取組みに独自性が多く見られること、広報活動が活発におこなわ れていること、また入所者、特別保育事業の利用者も増加しており、当保育所の取り組 みは他の施設の模範となる内容であることから、高く評価できる。 (2)利用者の満足度 ① 利用者アンケート等の結果、施設利用者の満足が得られて いると言えるか。 ② 利用者の意見を把握し、それらを反映させる取組みがなさ れたか。 ③ 利用者からの苦情に対する対応が十分に行われたか。 20 4 16 ④ 利用者への情報提供が十分になされたか。 ⑤ 利用者が高齢者、障害者(児) 、児童である場合、利用者や 保護者等の満足度を高めるための特別な取組みがなされ、そ の効果があったか。 [評価の理由、要因・原因分析] 児童およびその保護者が満足できる保育を行うことを目標としており、平成21年度 アンケートは対象者30名、うち回答者19名。 「子どもが保育所で生活している様子」 について、非常に満足、概ね満足が100%、 「保育所の職員が子どもと接している様子」 についても100%、総合で98.0%という結果であり、保護者の満足度は非常に高 い。 (昨年度98.0%、4年連続96%超) 保育行事のたびにアンケートをとり、アンケートの結果及びその回答はすべての保護 者へ知らせ、 「安心」の向上を図った。また、クラス懇談会、保護者役員会等を行うとと もに、保育所内に意見箱を2ヶ所設置し、保護者の苦情、要望、意見を広く募って保育 に生かしている。また、苦情・相談担当保育士を定め、要望の集約と迅速な対応の体制 を整えている。 さらに、 「クラスだより」 「保健だより」 「給食だより」 「献立表」 「延長保育だより」等 を発行し、保護者に向けて情報提供している。 2 効率性の向上等に関する取組み 10 8 (1)経費の低減等 ① 施設の管理運営(指定管理業務)に関し、経費を効率的に 低減するための十分な取り組みがなされ、その効果があった か。 ② 清掃、警備、設備の保守点検などの業務について指定管理 者から再委託が行われた場合、それらが適切な水準で行われ、 経費が最小限となるよう工夫がなされたか。 10 4 8 ③ 経費の効果的・効率的な執行がなされたか。 [評価の理由、要因・原因分析] 冷暖房の温度調整(適温設定)を職員に周知徹底し、各部屋の消灯、使用後の水道栓 の締め忘れの確認など光熱水費の節減に努めている。年々児童数が増加しているにもか かわらず、光熱水費の増加をできるだけ抑えている。 電話料については平成21年度からIP電話を導入することにより他の保育所や事業 団事務局等との電話料金節減を図り、前年度と比較して約2万円の減少となった。 消防設備保守点検委託、給食配膳用リフト保守点検委託、ワックス等清掃委託、おむ つリース等の契約は、福祉事業団の他の施設と一括契約することにより経費節減を図っ ている。 また、経費節減を重ねた結果、乳児用避難車を購入している。 (2)収入の増加 ① 収入を増加するための具体的な取り組みがなされ、その効 果があったか。 ― ― ― [評価の理由、要因・原因分析] 3 公の施設に相応しい適正な管理運営に関する取組み 40 (1)施設の管理運営(指定管理業務)の実施状況 20 28 4 16 ① 法令で職員の配置基準がある場合、その基準を守っている、 或いは、当該法令を上回る職員を合理的に配置していたか。 ② 職員の資質・能力向上を図る取り組みがなされたか(管理 コストの水準、研修内容など) 。 ③ 地域や関係団体等との連携や協働が図られたか。 [評価の理由、要因・原因分析] 配置基準に基づいた必要な保育士が配置されている。 職員一人ひとりの保育経験などを踏まえた職員研修、自主研修を実施するとともに、 育児サークル活動も行い、それによって得た保育技術・知識を保育の場で活かしている。 研修の年間延べ参加日数は平成18年度から約3倍に増加し、職員の資質向上に重点的 に取り組んでいることがわかる。 地域や市民センター、学校との連携を重視し、市民センターから講師を招き、折り紙 やレクダンスを習っている。また、老人ホームや学童クラブ、小・中学校、九州国際セ ンターとの交流や、保育専門学校・看護学校からの実習生受け入れ、区役所生活支援課 や総合療育センター等との連携により地域との情報交換や関わりに積極的に取り組んで いる。自主事業として八幡西区のエンゼル病院において週1回「エンゼルルーム」を開 設し、保育指導や育児相談を実施している。平成21年度、北九州市女性団体連絡会議 主催の「2009男女共同参画フォーラムin北九州」で保育所においてセミナーを実 施している。 このように、地域との交流に関する取組みは極めて独自性があり、他の施設の模範と なる内容であるため高く評価できる。 (2)平等利用、安全対策、危機管理体制など ① 施設の利用者の個人情報を保護するための対策が適切に実 施されているか。 ② 施設の利用者の身体の自由や行動、人権に配慮して、不適 切な制限や抑制を加えることなく、福祉サービスが提供され ていたか。 ③ 衛生管理及び感染症防止への対応などが適切であったか。 ④ 施設の管理運営(指定管理業務)に係る収支の内容に不適 切な点はないか。 ⑤ 利用者が高齢者、障害者(児) 、児童等である場合、事故防 止に特別の配慮、工夫がなされていたか。 ⑥ 防犯対策、防災対策、利用者に事故が発生した場合などの 危機管理体制が適切であったか。 ⑦ 事故発生時や非常災害時の対応などが適切であったか。 [評価の理由、要因・原因分析] 20 3 12 個人情報の保護に関しては、 「事業団個人情報保護規程」を策定し、職員への指導を徹 底して行っており、平成21年度は個人情報保護の専門研修もおこなった。 また、保育所安全マニュアルに基づき、児童の安全確保を第一に、職員が一体となっ て迅速な事故等の防止に向け取り組んでいる。安全対策に関しては事故、地震、食中毒 等様々な事例ごとに対応が定められている。 また、八幡東消防署、八幡東警察署の協力を得て消防避難訓練、不審者対策訓練を定 期的に実施し、防犯への意識を高めている。 子どもたちの傷病に関しては手当や保護者への連絡等迅速に対応しており、また、平 成21年度の新型インフルエンザについてはマスクや消毒液の確保、職員や保護者への 説明など感染の拡大防止に努めた。 【総合評価】 合計得点 76 評価ランク C [評価の理由] 北九州市福祉事業団は、八幡東さくら保育所開所以来、10年間運営してきている。子 どもの安全と人権をなによりも尊重しつつ、一人ひとりの個性と主体性が育めるよう「健 康で元気に活動できる体」 「自分で考えて行動する力」 「感性豊かで思いやりのある優しい 心」を目標に掲げ、保育士の資質向上に前向きに取り組み、地域との交流を深めてきた。 また、平成20年度から休日保育事業にも取り組み、子育て支援のため新規事業も新た にスタートさせている。子育てに悩みや不安を抱える保護者のために、その支援に積極的 に取り組み、子どもの発達過程に応じたきめ細かな保育の充実に努めた。アンケート結果 から利用者の満足度が非常に高く、地域に貢献していることがわかる。地域子育て支援セ ンター事業を実施している拠点保育所として、親子の引きこもりや児童虐待防止等保護者 への子育て支援態勢を整え、多様なニーズに対応し、地域に開かれた保育所として活動を つづけている。 [北九州市指定管理者制度推進会議(評価部会)の意見] 特別保育・延長保育・一時保育・休日保育のいずれも、大幅に利用者が増加している。 また、児童数が増加しているにもかかわらず、IP電話の導入等により経費の削減に努め ている。また、障害児保育についても、自主研修で様々な手法を学び、実践する等、他の 施設の模範となる取り組みが多くみられる。今後とも、ひきつづき、他の施設の模範とな る適切な管理運営に努めていただきたい。 【評価レベル】 評価 乗 率 レベル 5 100% 良 い 4 80% 3 60% 2 40% 目標(計画)を下回る管理運営がなされている 1 20% 目標(計画)を大幅に下回る管理運営がなされている 0 0% 目標(計画)を大幅に上回り、優れた管理運営がなされている 目標(計画)を上回る管理運営がなされている 普 通 適切でない 目標(計画)どおり適正に管理運営がなされている 不適切な管理運営がなされている 【総合評価】 A:総合評価の結果、特に優れていると認められる (合計得点が90点以上) B:総合評価の結果、優れていると認められる (合計得点が80点以上90点未満) C:総合評価の結果、適正であると認められる (合計得点が60点以上80点未満) D:総合評価の結果、努力が必要であると認められる (合計得点が40点以上60点未満) E:総合評価の結果、かなりの努力が必要であると認められる (合計得点が40点未満)
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