堀之内処理場消化ガス発電設備リーフレット(PDF形式 572 キロバイト)

1 概要
下水中には多量の有機物が含まれており、下水処理場で発生する汚泥を嫌気性発酵させると
消化ガス(メタンガス約60%、二酸化炭素約35%)が得られます。
堀之内処理場では、この消化ガスを燃料に排気量4リットル出力25kW のガスエンジン発
電機 2 台で発電し、処理場で使用する電気の約 4 割を供給しています。さらにガスエンジンで
発生する熱を温水として取りだしその温水を消化槽の加温に用いています。
消化ガス発電設備は下水道資源である汚泥から電気と熱を作り出す地球にやさしい効率的な
エネルギーシステムです。
2 概略フロー
消化槽
二酸化炭素
メタンガス
消化ガス
嫌気性微生物
消化ガス
低分子有機酸(酢酸[CH3COOH]など)
CH3COOH→CO2+CH4
温水
ガスタンク
冷水
冷水
ガスエンジン
熱交換
温水
発電機
シロキサン除去装置
電
気
ポンプ
電
配電盤
力
会
社
送風機
3 消化ガス発電を構成する主な施設、機器
下水を処理する過程で
消化ガスを
発生する汚泥を槽内で
一時的に貯
メタン発酵させること
留するため
で、性状を安定にし、汚
のタンク
泥量を減らすための施
250m 3 の容
設
積
1 日で約 1,000m3 の消化
消
化
槽
ガスが発生する
ガスタンク
シロキサンとは消化ガスに含まれている人工的な合成物質(有機ケ
イ素又はシリコーンオイル)で、ガスエンジンの燃焼室内にて結晶
状態のシリカ(SiO2)として残留し、エンジン摺動面の早期劣化や
スパークプラグへの堆積、排ガス浄化触媒の閉塞を引き起こすなど
発電機の故障原因となる物質。
消化ガスが発電機に入る前に、活性炭を封入したシロキサン除去装
置によりシロキサンを取り除く
シロキサン除去装置
市販のパッケージ型デ
ィーゼルエンジン発電
機のエンジン部に点火
プラグを付けるなどの
改造によりガスエンジ
ン化した装置。発電出力
は25kW で堀之内処理
場では 2 台が年間通して
ガスエンジン発電機
稼働する。
発電機の状態を遠方で
熱回収ライン
監視制御するパソコン。
発電出力やガス使用量、
温水流量などの表示や
故障履歴を保存するこ
とで維持管理を円滑に
行うことを可能にして
いる。
監視制御装置
発電機が放熱する熱を回収
するための配管と循環ポン
プ。
パッケージ内のエンジンや
排気管の熱を強制的に吸収
出来るよう内部が工夫され、
発電機と温水管(出側、入側)
で接続する。