電離平衡 1 電離平衡 演習 その 1 [04 金沢] 1 酢酸の濃度 C mol/l の水溶液がある。酢酸の電離度を とすると,平衡状態で溶液中に存在する酢酸イオンの濃度は Ⅰ mol/l,電離していない酢酸の濃度は Ⅱ mol/l,水素イオンの濃度は 1より非常に小さく,1- ≒1と近似すると,電離定数は くった。酢酸の電離定数 2.7×10-5 mol/l を用いると,電離度は また,この水溶液を水で希釈していくと,電離度は希釈前[ Ⅳ ① mol/l と表される。ここで,電離度が mol/l と表される。いま,3.0 mol/l の酢酸水溶液をつ と求まり,水素イオンの濃度は ② mol/l となる。 ]なる。 1 文中の空欄 Ⅰ ~ Ⅳ に当てはまる式を C およびαで表せ。 2 文中の空欄 ① ~ ② に当てはまる数値を有効数字2けたで記せ。 3 文中の空欄[ Ⅲ ]に当てはまる語句を次の(a)~(c)の中からそれぞれ選び,その記号を記せ。 (a) より大きく (b) と同じに (c) より小さく 2 弱酸の CH3COOH とその塩である CH3COONa を混合した水溶液は,外からの酸または塩基の添加による pH の変化を やわらげる作用を持ち( ア )と呼ばれる。 この混合溶液の pH を求めるには次のように考える。 CH3COO- + H+の電離平衡が成立しているが,CH3 CH3COOH を単独で水に溶かしたときには CH3COOH COOH の電離度は低く,水溶液中の酢酸はほとんど( a )の状態で存在する。酢酸ナトリウムを単独で水に溶かしたと CH3COO- + Na+というように完全に電離し,酢酸は( b きには CH3COONa )の状態で存在する。この両 CH3COO- + H+という平衡が成立し,( イ )の法則 者を混合したとき,混合溶液中では新たに CH3COOH より,電離定数 Ka は( c )と表される。 このときの[CH3COOH]は前の理由から( ウ )に等しく,[CH3COO-]は( エ )に等しい。 (1) ( ア )~( エ )に適した語句を次の選択肢から選び,その記号を記せ。ただし,同じ語句が2回以上入っても構 わない。 A) 飽和溶液 B) 緩衝液 C) 塩の加水分解 D) ルシャトリエ E) 化学平衡 F) 混合溶液の酢酸ナトリウムの初濃度(全濃度) G) 混合溶液の水素イオン濃度 H) 混合溶液の酢酸の初濃度(全濃度) I) 混合溶液の酢酸の電離度 (2) ( a )~( d )に適当な化学記号,記号,あるいは,式を記入せよ。 (3) 0.1mol/L CH3COOH 40mLと 0.1mol/L CH3COONa 60mLを混合したものの pHはいくつか。小数第2位まで示 せ。ただし,混合による体積の増加,減少はないものとする。酢酸の pKa=4.76,log2=0.30,log3=0.48 とする。 (4) 0.01mol/L CH3COOH 80mLに 0.01mol/L NaOH 20mLを混合したときの pHはいくつか。小数第2位まで示せ。 1 電離平衡 2 電離平衡 演習 その 2 [広島] 次の文を読み、問 1~問 6 に答えよ。 弱酸である酢酸は、水溶液中では以下のように電離している。 CH3COO-+H3O+ CH3COOH + H2O この平衡の平衡定数Kは K=〔 A 〕 で表される。さらに H2O のモル濃度〔H2O〕は、電離によってあまり変化しないとみなし、かつ H3O+を H+と書くと、 Ka=〔 B 〕=K〔H2O〕 と表すことができる。このKa を酢酸の電離定数という。 ある温度において、酢酸濃度c〔mol/l〕の変化にともなう水素イオン濃度や電離度α (0≦α≦1)の変化を調べたところ、下の表が得られた、なお、この温度におけるKa の値は 1.8×10―5 mol/l である。 1 文中の〔 A 〕と〔 酢酸濃度c〔mol/l〕 1 0.05 0.01 水素イオン濃度〔mol/l〕 C D E 電離度 0.0042 0.019 F B 〕にあてはまる式を、それぞれ記せ。 2 酢酸の電離度αを、電離定数Ka と濃度cで表せ。αは 1 に対して十分に小さいとして、1-α≒1 と近似せよ。 3 表中の空欄C、Dにあてはまる数値を、それぞれ求めよ。 4 表中の空欄E、Fにあてはまる数値を、それぞれ求めよ。ただし、αは 1 に対して十分に小さいとして、1-α≒1 が 成り立つものとし、必要ならば、 2 =1.4 を用いよ。 5 1.0 mol/l の酢酸を水で 100 倍に希釈した。このとき pH はいくら変化したか。次の(ア)~(オ)のうちから正しい ものを選び、記号で答えよ。 (ア) 約 2 大きくなる (イ) 約 1 大きくなる (エ) 約 1 小さくなる (オ) 約 2 小さくなる 2 (ウ) 変わらない 電離平衡 3 電離平衡 演習 その 3 [07 明治薬科] 1 弱酸水溶液における弱酸の電離定数 Kaを弱酸の濃度 C と電離度 を用いて表せ。ただし, は1に比べて極めて小 さい値とする。 2 酢酸 0.90mol を含む 10L の酢酸水溶液の電離度が 0.010 であった。この酢酸水溶液の pHを求め,有効数字2桁で答 えよ。ただし,log2=0.30,log3=0.48 とする。 3 問2に示した酢酸を 10 倍に薄めたときの電離定数 Kaと電離度 の変化について最も適当な組合せはどれか。番号で 答えよ。 Ka 1 増大する 増大する 2 増大する 変化しない 3 増大する 減少する 4 変化しない 増大する 5 変化しない 変化しない 6 変化しない 減少する 7 減少する 増大する 8 減少する 変化しない 9 減少する 減少する 4 問 2 に示した酢酸水溶液に水酸化ナトリウム 0.45mol を加えたときの溶液の水素イオン濃度を求め,有効数字2桁で 答えよ。ただし,酢酸水溶液の体積は変化しないものとする。Ka=9.0×10-6 mol/L とせよ。 3 電離平衡 4 電離平衡 演習 その 4 1 [10 酪農] 塩酸や硫酸などの強酸は,水溶液中でほぼ完全に電離して,電離度は 1 と見なすことができるが,酢酸などの弱酸は, あまり電離せず,電離平衡の状態にある。弱酸と弱酸の塩の混合溶液には,少量の酸や塩基を加えても pH の値をほぼ一 定に保つはたらきがある。このようなはたらきを緩衝作用という。例えば,酢酸と酢酸ナトリウムの混合水溶液中では, それぞれが式(1)と式(2)のように電離している。 CH3COOH CH3COO- + H+ ··························································· 式(1) CH3COONa CH3COO- + Na+ ······················································· 式(2) この混合水溶液中には,( ① )が多量に存在しているため,少量の酸を加えると, 〔 ア 〕 の反応が進む。同時に混合溶液中には( ② )も多量に存在しているため,少量の塩基を加えると 〔 イ 〕 の反応が進む。このため,どちらの場合でも pH の変化はほとんどない。 1) 空欄( ① )~( ② 2) 〔 ア 〕〔 イ )に最も適切な化学式を記入せよ。ただし,同じ化学式を繰り返し記入してよい。 〕にあてはまる化学反応式を書け。 3) 0.200mol/L の酢酸水溶液と 0.200mol/L の酢酸ナトリウム水溶液を同体積ずつ取り,混合溶液を調製した。以下の問 い a)と b)に答えよ。ただし,酢酸の電離定数は Ka=2.80×10-5 とし,また,log2.8=0.45,log3=0.48,log7=0.845, log17=1.23 とし,計算結果は小数第 2 位まで示せ。 a) この混合溶液の pH を求めよ。ただし,溶液を混合した後の体積は混合前の体積の合計と等しいものと仮定する。 b) この混合溶液 1.0 リットルに 1.0mol/L の塩酸 2.0mL を加えた。反応後の pH を求めよ。ただし,塩酸を加えたことに よる体積の増加は考慮しないものとする。 2 [10 愛知学院] 酢酸水溶液では次の電離平衡が成立する。この条件下で問に答えなさい。 CH3COOH CH3COO- + H+ ······························································· ① ただし,Ka=2.0×10-5 とする。計算を必要とする問では,根拠となる計算式も記入しなさい。log2=0.30 1 0.10mol/L 酢酸水溶液の電離度はいくらですか。 2 0.20mol/L 酢酸水溶液の pH はいくらですか。 3 0.15mol/L 酢酸水溶液 400mL に 0.30mol/L 酢酸ナトリウム水溶液 200mL を加えた。pH はいくらですか。ただし,混 合による体積変化は無いものとする。 4 ア)~オ)を加えたとき,①の平衡が右方向に移動するのはどれですか。 ア) 水 イ) 酢酸ナトリウム ウ) 水酸化ナトリウム エ) 食 塩 オ) 塩化水素 4 電離平衡 5 電離平衡 演習 その 5 [10 岐阜] アンモニアを水に溶かすと,大部分のアンモニアは分子のまま溶けているが,一部はアンモニアの窒素原子に存在する ア 電子対が水分子から水素イオンを受け取って イ 結合を作り,アンモニウムイオンとして電離する。その化学平 衡は式①で表される。 NH4+ + OH- ································································· ① NH3 + H2O 式①における平衡定数 K は次のように表せる。 [NH 4+ ][OH- ] ···························································································· ② [NH 3 ][H 2O] K = 希薄溶液では水のモル濃度は他の物質と比べ十分に大きく一定とみなせるので,次式で表される Kb も定数となる。こ の Kb を塩基の電離定数という。 Kb = K[H2O] = [NH 4+ ][OH- ] ········································································ ③ [NH 3 ] アンモニア 1.0×10-1mol が 25℃で 1.0L の水に溶けている溶液中の水酸化物イオンの濃度は は b であり,水溶液中のアンモニアの c a mol/L,溶液の pH %が電離している。ただし,25℃におけるアンモニアの電離定数 Kb を 1.8×10-5mol/L,水のイオン積を 1.0×10-14(mol/L)2 とする。 この溶液に 2.0×10-1mol の塩化アンモニウムを添加すると,式①の平衡は ニアの濃度を 1.0×10-1mol/L とみなすと,溶液の水酸化物イオンの濃度は ような弱塩基とその塩の混合溶液は ウ d A の方向に移動する。このときのアンモ mol/L,溶液の pH は e となる。この と呼ばれ,少量の酸または塩基を加えても溶液の pH はほとんど変わらない。 たとえば,この混合溶液に 1.0×10-2mol の塩化水素の水溶液を添加すると,塩化水素はアンモニアと反応して塩化アンモ mol/L となる。一方,水 1.0L に 1.0×10-2mol の塩化水 ニウムが増加するので,この溶液の水酸化物イオンの濃度は f 素の水溶液を添加した溶液中の水酸化物イオンの濃度は mol/L である。このように, ウ g では酸などの添加に伴 う急激な pH の変化が抑えられる。 問 1. ア 問 2. A 問 3. a ~ ウ にあてはまる適切な語句を答えよ。 にあてはまる語句を選択せよ。 ~ g (1) 右 (2) 左 に適切な数値を記せ。ただし,塩化アンモニウムおよび塩化水素の水溶液の添加に伴う溶液の体積の 変化は無視できるものとする。 1.8 =1.3, 2 =1.4, 3 =1.7, 5 =2.2,log101.3=0.11,log103=0.48, 5 電離平衡 6 電離平衡 演習 その 6 1 [09 農大] 酢酸の電離定数=2.0×10-5mol/L,水のイオン積=1.0×1014(mol/L)2,log2=0.30,log3=0.48 とする。 1 0.20mol/L 酢酸水溶液の pH はいくらか。 2 0.20mol/L 酢酸ナトリウム水溶液の pH はいくらか。 3 0.20mol/L 酢酸ナトリウム水溶液と 0.20mol/L 酢酸水溶液の等量を混ぜて緩衝液を調製したとき,この緩衝液の pH は いくらか。 4 問 3 で調製した緩衝液 1L に水酸化ナトリウム 0.80g を加えて溶かすと増加する pH はおよそいくらか。ただし,水酸 化ナトリウムを加えたことによる緩衝液の体積の変化はないものとする。 2 [10 金沢] 酢酸に水を加えて,モル濃度 c[mol/L]になるように調製した。酢酸は,水溶液中で電離し,次のような平衡が成立する。 CH3COOH CH3COO- + H+ 平衡状態での各成分のモル濃度を[CH3COOH],[CH3COO-],[H+]とすると,酢酸の電離定数 Ka は 度を とすると,c と を用いて,[CH3COOH]= Ka= オ イ [mol/L],[CH3COO-]= ウ ア [mol/L],[H+]= [mol/L]となる。酢酸は弱酸なので,電離度 は 1 よりも非常に小さく,Ka= カ となる。電離 エ [mol/L], [mol/L]と近似される。 次に,この酢酸水溶液 10mL に指示薬フェノールフタレイン溶液を 2~3 滴加え,0.20mol/L の水酸化ナトリウム水溶液 を滴下した。水酸化ナトリウム水溶液 15mL を滴下したところ,水溶液が赤く変色した。 log3=0.48 1 ア ~ カ に入る適切な式を記入しなさい。 2 酢酸水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応式を記し,酢酸水溶液のモル濃度を求めなさい。 3 電離度 =1.00×10-2 として,電離定数 Ka の値を有効数字 2 桁で求めなさい。 4 滴定前の酢酸水溶液の pH を有効数字 2 桁で求めなさい。計算過程も示しなさい。 5 中和点における pH を有効数字 2 桁で求めなさい。計算過程も示しなさい。 ただし,水のイオン積 Kw=1.00×10-14[(mol/L)2]とする。 6 電離平衡 7 電離平衡 演習 その 7 [10 東北] 酢酸は,その一部が①式のように電離して,電離しない分子と平衡状態にある。電離して生じる H+により酢酸は弱酸性 を示す。 CH3COO- + H+ ······························································· ① CH3COOH ここで,①式の電離定数 Ka は,次式で定義される。 Ka = [CH 3 COO - ][H+ ] ····················································································· ② [CH 3 COOH] ②式の電離定数は,酢酸水溶液のみならず,酢酸分子や酢酸イオンを含む水溶液ならば適用できる。例えば,酢酸ナトリ ウムの水溶液にも適用できる。酢酸ナトリウムは水溶液中で次のようにほぼ完全に解離する。 CH3COO- + Na+ ··················································· ④ CH3COONa aq(水溶液) 生成した酢酸イオンは,⑤式のような平衡状態をとる。 CH3COO- + H2O CH3COOH + OH- ··············································· ⑤ ⑤式中の OH-の存在により,酢酸ナトリウム水溶液は弱塩基性を示す。 問 1 下線部に関して,0.080mol/L の酢酸ナトリウム水溶液中の pH を以下のように算出して確認してみる。 まず,問題文中⑤式と水のイオン積 Kw からは次式が成り立つ。 [CH3COOH] = [OH-] = Kw [H+] ここで,⑤式のように水と反応する酢酸イオンはわずかであるので,⑤式は圧倒的に左辺に寄っている。これを利用す ると,次式のように近似できる。 [CH3COO-] ≒ ア mol/L この近似と,Ka 値(=2.7×10-5mol/L)および Kw 値(=1.0×10-14(mol/L)2)を用いると,この酢酸ナトリウム水溶液の水酸 [OH-] = 化物イオン濃度が イ mol/L と求められ,さらに水のイオン積 Kw を用いて水素イオン濃度を求めて,pH を算出とすると次のようになる。 pH = (1) 空欄 ア (2) 空欄 イ ウ に入る数値を書け。 ウ に入る適切な数値を計算せよ。その計算過程も示せ。 2 =1.41, 3 =1.73,log2=0.30,log3=0.48, 7 電離平衡 8 電離平衡 演習 その 8 [10 農工大(改)] 次の文章を読んで,問いに答えよ。ただし,反応容器は一定温度に保ち,その温度における酢酸の電離定数 Ka および 水のイオン積 Kw を,それぞれ Ka=2.70×10-5mol/L,Kw=1.00×10-14(mol/L)2 とする。また,必要であれば, 3 =1.73, log102=0.30, log102.70=0.43,log103=0.48 を用いよ。 塩酸は強酸であり,0.100mol/L の濃度では,pH の値は( ① )である。同じ濃度の 0.100mol/L の弱酸水溶液では,電 離度は 1 よりも非常に小さく,弱酸の電離により生じる水素イオンの濃度は 0.100mol/L よりも非常に小さい。このこと を考慮して計算すると,例えば,0.100mol/L の酢酸水溶液の pH の値は( ② )と求められる。弱酸水溶液の pH の値は, 同じ濃度の強酸水溶液の pH の値よりも大きくなることがわかる。 ここで,0.100mol/L の酢酸水溶液 10.0mL に,0.100mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていくと,水溶液 の pH は図 1 のように変化した。水酸化ナトリウム水溶液を入れる前(点 A)の水溶液の pH の値は,( ② )である。図 1 中の B の範囲では,水酸化ナトリウム水溶液を加えていっても,水溶液の pH はほとんど変化しない。この理由は,この 水溶液が,未反応の CH3COOH と中和反応によって生じた CH3COONa との水溶液になっており,結果的に( ③ )液に なっているからである。水酸化ナトリウム水溶液を 5.00mL 加えたとき(点 C),( ③ )作用が最も大きくなる。点 C で の pH の値は( ④ )となる。水酸化ナトリウム水溶液を 10.0mL 加えたときの点 D が中和点であり,pH の値は( ⑤ ) となる。さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えた点 E(20.0mL の水酸化ナトリウムを加えた点)での pH の値は( ⑥ )で ある。 1 空欄( ① ),( ② ),( ④ ), ( ⑤ )に入る数値を,小数点以下第 2 位を四捨五入して小数点以下第 1 位まで求 めよ。なお,答えだけでなく,考え方と計算過程も示せ。 2 空欄( ③ )にあてはまる適切な語句を書け。 8 電離平衡 9 電離平衡 演習 その 9 [10 福島] 問 次の文章を読み, (A) , (B) に Ka を含む適当な式を, (ア) と (イ) には数値を四捨五入により小数点以下 第 1 まで入れなさい。 log1.3=0.11,log5.3=0.72, 酢酸は水溶液中で次式のように電離する。 H+ + CH3COO- ······························································ (1) CH3COOH 酢酸の電離定数を Ka= [H+]= pH= (A) (ア) [H+ ][CH 3 COO - ] =1.8×10-5(25℃)とすると,0.10mol/L 酢酸水溶液の水素イオン濃度は [CH 3 COOH] で表わされ,[H+]=1.3×10-3mol/L となる。したがって,この 0.10mol/L 酢酸水溶液の pH は である。 この 0.10mol/L 酢酸水溶液 50mL に 0.10mol/L 水酸化ナトリウム水溶液を加えたとき,酢酸と水酸化ナトリウムは次式 のように反応する。 CH3COOH + NaOH CH3COONa + H2O ········································· (2) 水酸化ナトリウム水溶液を 50mL 加えたとき中和点となる。 この時, 水溶液中の CH3COO-は次式のように加水分解する。 CH3COO- + H2O CH3COOH + OH- ·············································· (3) (3)式の反応の平衡定数 Kh は,Kh= において[OH-]= pH= (イ) Kw (B) [CH 3 COOH][OH - ] [CH 3 COO - ] = Kw (Kw は水のイオン積)で表わされる。したがって,中和点 Ka で表わされ,[OH-]=5.3×10-6mol/L となる。この水溶液の中和点における pH は である。 9 電離平衡 10 電離平衡 演習 その 10 [9 慶應(薬)改] 1 0.75mol/L 酢酸水溶液 12.0mL に 0.100mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 3.0mL を加えたときの溶液の pH は 4.00 であっ た。酢酸の電離定数(Ka)を有効数字 2 桁で求めよ。 2 中和点における溶液の pH を求める。中和点での生成物である酢酸ナトリウムの濃度を c mol/L とする。酢酸ナトリウ ムから電離した酢酸イオンは①のように水と反応して水酸化物イオンを生成する。 CH3COO- + H2O CH3COOH + OH- ··············································· ① これを塩の加水分解といい,加水分解定数を Kh とすると, Kh = [CH 3 COOH][OH - ] [CH 3 COO - ] となる。 Kh を酢酸の電離定数 Ka と水のイオン積 Kw で表すと, Kh = ア となる。 式①において酢酸と水酸化物イオンは等量生成し,これらの生成量は酢酸ナトリウムの濃度 c mol/L に比べて十分小さ いものとする。この条件下,水酸化物イオンの濃度を c と Kh によって表すと, [OH-] = イ となる。 従って,中和点での溶液の水素イオン濃度を,c,Ka,Kw で表すと, [H+] = ア ~ ウ Kw [OH-] = ウ となる。 には当てはまる適切な式を記入せよ。 10
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