IWA 13th World Congress on Anaerobic Digestionへの参加 研究第一

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IWA 13th World Congress on
Anaerobic Digestionへの参加
研究第一部研究員
西村 泰宏
下水道資源(消化ガス)有効利用技術の
導入効果の試算および評価について発表
ナモックスプロセスのテストプラントが設置されてい
2013年6月25日∼6月29日の5日間にわたり,ス
のB-DASHプロジェクトで実証実験が実施されていま
ペイン西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラに
す。その他,混合バイオマス消化や微細藻類の培養と
てIWA主 催 の「13th World Congress on Anaerobic
いったテストプラントが設置されており,積極的な技
Digestion」が開催され,下水道機構からは西村が参
術開発に多くの参加者が興味を持っていました。
加しました。この会議では,嫌気性消化による食品廃
日本と海外の下水汚泥,特に消化汚泥の性質は往々
棄物や下水汚泥等のバイオマス資源の有効利用等,30
にして全く異なり,我が国では敷地的な問題を始め,
のトピックスの口頭発表と13のトピックスのポスター
汚泥の難脱水性や返流水水質悪化等が普及の課題にな
発表が行われ,延べ800人の研究者が参加し,活発な
っていることがあります。しかし,本会議に参加して
議論が展開されました。
西欧諸国の問題意識の高さと技術に触れ,消化ガス等
私の発表テーマは,
「Costs of introducing technology
の下水道資源の有効利用技術普及の意義を再認識する
of effectively using biogas and CO 2 emission」であり,
貴重な経験をさせて頂きました。
ました。アナモックスは我が国でも平成24∼25年度
消化ガス有効利用技術の導入効果試算と有効利用技術
の評価手法についてポスター発表を行いました。本研
究は,日本における下水道資源利用の普及促進に有意
義であると評価を受けました。Letting Awardに消化
ガスを用いた燃料電池の実証研究が選ばれたこと,脱
原発・脱化石燃料に高い意識が感じられたことから,
再生利用可能エネルギー技術に高い関心があることが
感じられました。
食品工場排水処理設備のガスホルダー
ポスターセッション会場の模様
排水処理施設と下水処理施設視察
IWA主催のテクニカルツアーに参加し,魚缶詰工
場の排水処理設備(カイトラ)と下水処理場(ギジャ
レイ)を視察しました。両施設にはAQUALIA社のア
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Vol.7 No.18
下水処理場のアナモックステストプラント