カ ニ ガ ラ

◎ カ ニ ガ ラ
平成24年 秋~
カニガラ実験は同時に実験してる土壌微生物の餌
や住居になるのではと考えたからです。成分にも多
少は期待してますが気休め程度と考えています。
実験方法は右写真の様に篩いに掛けた小粒を根
に直接付けたり、培養土に混ぜ込んだり、黒土もど
きに混入したりと色々試しています。まだ1年と少々
なので結果は判りません。
多めに入れた鉢は放線菌らしき白いカビ状の菌が
爆発的に繁殖してます、化粧砂を押上げる程です、
潅水時に水がなかなか浸み込まないのが難点です。
今のところ生育や葉に特別な変化は有りません。
下記は使用しているカニガラの説明書みたいな物
です。
■蟹殻(カニガラ)とは?
カニやエビなどの甲殻類の殻を粉砕したものです。甲殻類の殻にはキトサンや手術用糸の原料となる
キチン質が豊富に含まれており、土壌に撒くと有用微生物の格好の餌となるため、土壌の活性化・植物
の健康に効果があります。
■蟹殻(カニガラ)の効果
土壌中の有用微生物である放線菌を活性化し、フザリウムなどを抑制し植物保護・病虫害予防になりま
す。土壌の団粒化促進に効果があり、固化した土壌も柔らかくなるなど土壌改良効果が期待できます。
蟹殻(カニガラ)に含まれるアスタキサンチンは花色、葉色、艶を増す効果があります。
海洋生物のカニ・エビの甲殻には海のミネラル分が含まれており、不足しがちな微量要素を土壌中に補
給します。チッソ分、リン酸分が含まれていますので肥料効果も期待できます。
■蟹殻(カニガラ)の使い方
施 用 量
鉢植え(5号鉢)
20〜30g
プランター(60cm)
100〜300g
露地植え花木・バラ
一株あたり100g
10坪あたり2.5〜3.5kg
家庭菜園
果樹園・茶園
10坪あたり3.5〜5.5kg
バラ・花木園
10坪あたり2.5〜4.5kg
芝生
10坪あたり2.5〜4kg
堆肥作り
材料10kgあたり2.5〜3.5kg
使 用 方 法
用土に5%程混入
用土に5%程混入
根元に施用(漉き込み又は置き肥)
上振り又は用土全体に混ぜ込み
〃
〃
〃
堆肥材料に対して30%の割合で混入
元肥または土入れ替え時…それぞれの施肥量を土の中に入れ、よく混ぜてから植物を植えてください。
追肥…それぞれの施肥量を表土に施肥、土を被せる、株横に筋上にし施肥、株間に施肥も可能です。
■肥料としての含有成分
窒素全量
3%
りん酸全量
3%
○ 中間報告
今回の実験内容の詳細
1
2
3
4
5
5号鉢
上砂下に5cc
全体に10cc
全体に15cc
上砂下に6個
全体に12個
●カニガラ
左 荒粒 7mm程度
中 小粒 3mm程度
右 粉末
カニガラ 10ccで4g(小粒)
鉢に入れた物
4号鉢
上砂下に4cc
全体に8cc
全体に12cc
上砂下に5個
全体に10個
カニガラを粉砕した物
黒土もどきに15%混入した物
1cm×2cm×7mm程度
●黒土もどき (実験の4・5に使用した物)
左 カニガラの粉末を15%混入
右 カニガラを粉砕した小粒を15%混入
実験 1
何らかの影響はあるのだろうが目で見た感
じでは大きな変化は確認できなかった。
実験 2
右下の写真のように根が茶変していた、微生
物の活動が活発になったためと思われる、
変色してるものの新根の根冠部分も非常に
元気みたいである、しかし、根の一部が腐敗
している鉢もあった、原因はカニガラなのか
有機置肥なのかは判らない。
実験 3
根は茶変というより黒変してました、しかも1/3
の鉢に根の一部が腐敗してるのが確認できた、
あきらかにカニガラが原因だと考えられます。
実験 4
特別な変化は確認できませんでした。
実験 5
根が少々茶変し、肥効も確認できた。
今回の実験ではカニガラは硬質なためほとんど分解されず肥料としては期待出来ないものと
考え、実験した鉢には通常どおりの有機置肥を与えました。
実験1~3のカニガラを直接鉢内に入れた実験では、植え替え時には鉢内にほとんどカニガラ
は残っていなかった、分解されたか小さくなった物は灌水時に水と共に鉢外に流出したと考えら
れる。実験5では黒土もどきの中にはカニガラは残っていた。
下の写真はいずれも日本春蘭の「玉殿の松」である、非常に斑の安定しない品種である。
どの鉢も同株からの株分け品で品種の違いは無い。
左ー実験5を行った鉢、一昨年は秀晃芸の様な素晴らしい斑であったが昨年の新木2本
は青と芯がらみに斑が少々入っただけとなってしまった、葉色濃く艶が有りコントラス
が非常に良い。一昨年と同量の置肥も与えていた、カニガラも肥料として効いたようだ。
中ー黒土もどき(カニガラの入ってない物)だけでほぼ無肥料で3年栽培した鉢、青のBAK
木からの栽培で、木は段々小さくなって葉色も薄いが2年目から斑も復活してきた、
今年は少量の置肥を与えた。
右ー実験2を行った鉢、そこそこの斑を維持していた鉢だが昨年の新木は2本共青になって
しまった、置肥は一昨年と同量である。カニガラが肥料として効いてる様だ、葉色濃く艶
が有る。
上記の結果カニガラは肥料としても使えそうである、特徴は説明書に記載されていたアスタキ
サンチンが効くのか葉艶が良い、葉を並べて比べても差を感じないが、少々離れて見ると明ら
かに葉艶の違いが実感できる。寒蘭でも葉艶が確認できた。春蘭柄物の虎斑や覆輪斑などに
秋に与えればコントラスト良く仕上がるのではと考えてます、ただしカリ分が含まれて無いので
単独のカリ肥料を与えるか灰汁等を与えなければいけないかもしれません。
本来の実験目的であった微生物のエサ・すみかについてですが、放線菌等も繁殖しますしあ
る程度期待できるのではと考えてます、フザリウム菌の抑制等にも役にたっているのではと思
いますが、持続性については不明です。少々魅力の有る資材なので今後も実験を継続したい
と思います。