サントリー武蔵野ビー ル工場を見学して Fグループ 学習ポイント リサイクル 微生物 エネルギー エコ・ブルワリーツアー ご担当者殿 御社武蔵野ビール工場における環境保全へのお取り組みに関する質問事項 明星大学 環境システム学科 1 年生 一同 1.環境保全のための設備・技術等に関する質問事項 ①廃酵母を飼料として家畜に食べさせることにより、どんな栄養価があるのですか。 ②廃酵母は飼料以外には利用されないのですか。 ③ゴミの 100%再資源化を実現されていますが、それを維持するためにどんな苦労があるのですか。 ④コジュネ設備を導入することによって、どのくらいエネルギーの節約・光熱費の削減になったのですか。 ⑤コジュネ設備は熱と電力の消費がアンバランスだと、エネルギー効率が低下すると思われますが、サントリ ーでは熱・電力を消費のバランスはどうなっているのですか。また、それに対して何らかの対策をしているの ですか。 ・ ・ ・ サントリー武蔵野ビール工場紹介 サントリー初のビール工場。 府中市と協力し、多摩川などの清掃。 生産量はビール350ml缶で6億本。 従業員、168人。 工場は府中市にある。 水源は丹沢水系。 サントリー環境基本方針 環境マネジメントシステムの構築 ライフサイクルの全ての段階における環境負 荷の低減。 省資源、省エネ、グリーン購入の推進による 資源の利用量低減。 広く社会に環境情報を開示する。 ライフサイクルの流れ ビールのライフサイクルの流れ 回 収 仕 込 流 通 醗 酵 梱 包 貯 酒 缶 ・ 樽瓶 詰 め 濾 過 仕込 砕いた麦芽に丹沢水系の天然水を加え適度 な温度にすると、でんぷん分解酵素の働きに より麦芽中のでんぷんが糖にかわります。そ の後にホップを加えて煮沸し、ホップの香りと 苦味を持った麦汁を作ります。 醗酵 麦汁に酵母を加え低温で発酵 させます。酵母は麦汁の糖を アルコールと炭酸ガスに分解し、 ビールの香りとなる成分もつく ります。約7日ほどで麦汁は アルコール約5%の「若ビール」 になります。 貯酒 発酵が終了したばかりの若ビールは、まだ味 が荒々しいので、0℃に温度調節されたタン クの中で2~3週間かけて熟成させます。 ビールに炭酸ガスが溶け込 むとともにオリが沈み、徐々 に味や香りがまろやかにな ってきます。 濾過 熟成を終えて最高においしくなったビールか らオリや役目を終えた酵母を完全に取り除き ます。ビール醸造の全工程における徹底した 衛生管理が、熱処理をしない、 黄金色に住んだ「生ビール」を 生み出します。 缶・瓶・樽詰め 缶にビールを入れる前に、まず缶に二酸化炭 素を入れます。二酸化炭素を入れることによ り、ビールの酸化が防げるのです。そして ビールは満タンに入れず、再び二酸化炭素を 吹き付けてふたをします。このように徹底した 酸素管理により、新鮮なビールが届けられる のです。 梱包 缶や瓶を梱包します。その際に出る、あまっ たり傷ついたダンボールは工場内でのゴミ箱 として再利用されます。 流通・回収 梱包した後専門の技師によって傷やビール の品質に問題がないかチェックします。その 後出荷され、全国に流通されます。そして家 庭から出た空き缶・空き瓶を回収し、再び工 場へ送られ再利用されます。 醗酵 サントリーのビール工場にてどの工程で最も エネルギーを使うのか質問したところ、大量 の蒸気を使う仕込みの工程だという答えが 返ってきました。 醗酵 リサイクル缶を使う場合と新品を使った場合とでは、 どちらが省エネに貢献しているのかと質問したところ、 リサイクル缶を使う場合には容器作成原料を海外 から輸送するエネルギーは、節約できているという 回答が得られた。しかし、リサイクルにも、国内で使 用済み容器の回収や洗浄のためにエネルギーが消 費されているはずであり、この部分も含めて全体と して省エネかどうかについては、回答が得られな かった。 環境に配慮する技術 コジェネレーション コジェネレーションの例 ← ひとつのエネルギー源から電気と熱、 2つのエネルギーを取り出して利用するシステム。 一般に都市ガスで発電し、その際に発生する 熱で蒸気をつくる。 醗酵 サントリー武蔵野工場では、 このシステムを導入することにより 720キロリットル(原油換算)もの エネルギーを削減した。 さらに排出された蒸気を圧縮して 煮沸などに再利用する「VRC」と ↑煮沸釜の様子 組み合わせることにより、 さらにエネルギー効率を高めることが出来る。 嫌気性排水処理 酸素が少ない条件を保ち、 その条件化で活動する微生物 (嫌気性微生物)に汚濁物質を 分解させる排水処理。 必要とするエネルギー消費が 少なく、処理の際に発生する メタンガスを回収して 再利用することが出来る。 醗酵 サントリーは嫌気性排水処理を導入することにより、 電力を2分の1、廃棄物の2分の1を削減することを 実現した。 また、嫌気性微生物が汚濁物質を分解する際に 発生するメタンガスを回収して 再利用することにより工場全体の ボイラー燃料の10%をまかなっている。 リサイクル製品 ↑→ペットボトルの再生繊維で作った ユニフォームや使用済みの プラスチックチェーンをリサイクル して作ったボトルや缶を搬送する コンベアのベルト部品。 まとめ ビールができるまでの工程(ライフサイク ル)と、その中での環境配慮への取り組 みについて理解できた。 さまざまな技術により各々の短所を補い、 さらに長所をより引き伸ばし環境に 配慮していた。 京都議定書の削減目標達成へ向けて企 業全体で努力している。
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