【巻頭言】 東急建設株式会社 執行役員 名古屋支店長 福本 定男 「油断大敵」 私は当社が初めて定期異動を採用した昭和60年に、旧東京支社から札幌支店へ転勤 となり、以来札幌市内に居を構えています。札幌支店という最北支店に転勤するには、 適切ではない12月の異動で、赴任当初は雪道や凍結道路での運転に非常に恐怖を覚え たことが思い起こされます。 最近は、北海道民の運転意識が向上したのか、平成15年以来、都道府県別交通事故死 亡者数ワーストワンの汚名を返上していますが、それまでは昭和45年から平成14年まで の33年間に、30回のワーストワンという、輝かしい(?)ワースト成績を誇っていました。 道外の方がこの実積を聞くと、 「やはり積雪路や凍結路では死亡事故が多発するもの だ!」と想像されると思いますが、実際の理由は違います。 北海道の道路は概して、広くて、まっすぐで、交通量も少なく、道路環境としては決 して事故が多発するような環境ではありません。 にも拘らず、前述のような交通事故死亡者数ワーストワンという状況でした。 北海道では、12月に入ると完全に冬道(積雪路や凍結路)になり、3月下旬頃まで非 常に危険な道路状況になりますが、その間の交通事故死は他県より下位に甘んじていま す。しかし、雪解けが始まる4月頃から徐々に順位を上げ、夏ごろにはトップに躍り出て、 そのまま独走する、というのが毎年の推移でした。つまり、雪道や凍結路では、運転者 は危険を認識して安全運転に注力しますが、雪が無くなり、快適な道路状況になると、 気が緩んでスピードを上げ、交通事故死が急増するのです。 建設現場でも同じだと思います。危険意識が希薄になり、注意力散漫になった時に労 働災害が発生します。まさに油断大敵です。 工事に際しては、毎日のKYにより、常に危険意識を再起させ、事故の無い工事を継 続させて下さい。 『油断大敵』 、 『危険意識持続』を忘れずに、 『ご安全に!』 2
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