巻頭言 Foreword 富士ゼロックス株式会社 常務執行役員 高木 巻頭言 純 Jun Takagi 2000年代初頭、マーキング技術ならびにデジタル技術の進歩に より、いわゆる無版印刷(デジタル印刷)技術が現実のものとなり、 無版のメリットを活かした小ロット印刷が可能となりました。 加えてデジタルの優位性を活用したバリアブル印刷機能により、 個人向けのDM作成やPhoto Bookといったデジタル印刷特有の新 市場も形成されてきました。また、高速インクジェット技術の進化 により、出力ボリュームも増加しつつあります。 我々はゼログラフィー方式の本格POD(Print On Demand)機 であるColor DocuTech 60を2000年に、より印刷市場への親和 性を高めたColor 1000 Pressシリーズを2010年に、そして 2014年にはオフィスPODの普及や印刷業界のデジタル化の流れ をさらに加速させるVersantTMシリーズを市場導入して、デジタル 印刷による革新をリードして来ました。 一方さらなる高速デジタル印刷へのニーズに応えるべく2012年 に は イ ン ク ジ ェ ッ ト 方 式 の 高 速 連 帳 プ リ ン タ ー 2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing Systemを市場導入、さらに 2013年に小型軽量化を図った1400シリーズを加え、市場の成長 と発展に貢献しています。 今年のテクニカルレポートでは「デジタル印刷技術の新潮流が生 み出すお客様価値」をテーマに特集を組みました。機器の導入コス トが下がり、維持メンテナンスが簡単で、より信頼性の高いシステ ムが組めるようになったことで、誰でもどこでも高品質な印刷物が 手軽に作れるようになりました。そして、必要なときに必要な量だ け印刷できる時代が来ています。我々がお客様に提供するシステム やサービスは、単に印刷物の価値を高め、制作コストや在庫コスト が削減できるという直接的なメリットだけではなく、環境にやさし く、働き方の変革にもつながるものと信じています。 印刷物の価値を高める画像処理技術、ゼログラフィーの画質を高 度に安定させる技術、マシンの稼働率を向上させるためのメンテナ ンスの仕組みなど、我々がこれまで取り組んできた活動の成果に加 えて、さまざまな技術を古文書複製の分野で活用し、お役立ちして いる事例などを特集の中で紹介しています。 富士ゼロックスは、常に技術革新を進め、お客様と共に印刷市場 のデジタル化を推進していきます。ぜひご一読いただき、ご意見、 ご要望をいただければ幸いです。 富士ゼロックス テクニカルレポート No.24 2015 1
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