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ワールド・ビジョンニュース No.166 2011夏号
特集
「日本とカンボジアはおと
もだち」。応援の絵を描い
てくれた少女
(カンボジア)
特集
東日本大震災緊急人道支
2011年3月11日
(金)14:46に発生した東日本大震災。
5月22日
(日)
現在、
15,179人の尊い命が奪われ、
8,803人
が行方不明となり、109,008人が避難生活を余儀なくさ
れています。
この未曾有の大震災に対し、
ワールド・ビジョン・ジャパン
3月11日(金)
大地震・津波発生のニュースは瞬く間に
世界中に伝えられ、アメリカ、カナダ、イ
ギリス、オーストラリア、ニュージーランド、
ドイツ、台湾、韓国など、各国のWV事
務所からWVJに支援の必要性について
問い合わせが寄せられました。
(以下WVJ)
では、
数々の途上国や日本国内での自然災害
への緊急人道支援を通して培ってきた経験を生かし、
また
WVパートナーシップと連携しながら、発生直後から緊急
人道支援を続けてきました。
今回の特集では、
大震災発生
後の1カ月間、
WVJがどのように迅速に支援を届けてきた
のかをご紹介します。
3月12日(土)
WVJとしての緊急人道支援の実施を決定。
ホームページ掲載直後より、多くの方々が
募金を寄せてくださいました。
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3月13日(日)
被災地のニーズ調査および緊急支援実
施のため、坂スタッフ(海外事業部緊急
人道支援課長)
、高木スタッフ(国内事業
部長)
、蘇畑スタッフ(広報)を派遣。高
速道路が閉鎖されていたため、14時に
東京を出発し、翌日の午前0時過ぎ、仙
台に到着しました。
ばん
そばた
南三陸町で被災した方々が避難する登米市内の避難所
3月14日(月)
∼15日(火)
宮城県をはじめとする各県庁の災害対策
本部を訪問し、情報収集を実施。宮城県
の要請を受け、南三陸町で被災された方々
が避難する登米市に対し、最初の緊急支
援物資を届けることが決定しました。
(左から)高木スタッフ、坂スタッフ、蘇畑スタッフ
道支援 − 希望 を目指して−
3月17日(木)
∼18日(金)
3月16日(水)
支援先である南三陸町の被災現場を訪問。
南三陸町では、町全体が津波によって壊
滅的な被害を受け、これまで途上国で数多
くの緊急人道支援に従事してきた坂スタッ
フも、
「これほどの大規模な被災現場は見
たことがない」と語るほどの光景が広がっ
ていました。しかし、南三陸町で被災され
た方々が避難する登米市の避難所では、
市役所の方々の協力を得ながら、被災者の
方々が自治組織を立ち上げ避難所を運営
しており、人々の持つ絆の強さ、力強さに、
大きな励ましと希望を感じさせられました。
支援物資の調達と輸送手段の確保は困
難を極めましたが、多くの企業や関係団
体のご協力により、最初の緊急支援物資
(水、羽毛布団、紙オムツ、女性用生理用
品など)
が、東京から登米市に到着。また
17日
(木)
には、事務局長の片山が被災地
に到着、被災状況の視察を行いました。
南三陸町の避難所を訪問する
片山事務局長
緊急支援物資搬入のようす
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瓦礫の撤去に伴い、それまで入ることが
できなかった南三陸町内に設置された避
難所を訪問し、ニーズ調査を実施。関係
する行政機関と調整しながら、支援物資の
調達・搬入を同時並行で進めていきました。
津波によって壊滅的な被害を受けた南三陸町
またこの日から、WVの事務所の枠組みを
越えた緊急人道支援の専門チームである
G l o b a l R a p i d R e s p o n s e Te a m
(GRRT)のメンバーが、WVJのサポート
のために東京事務所に到着し始めました。
3月24日(木)
∼29日(火)
子ども支援事業の担当者に着任した山野スタッフが、駐在中のケニアから帰
国し被災地入り。緊急支援を行うとともに、宮城・岩手県庁、社会福祉協
議会、各避難所(南三陸町・気仙沼市)を訪問し、ニーズ調査にあたりました。
また、南三陸町の学校関係者、教育委員会の方々と、チャイルド・フレンド
リー・スペース(以下CFS。P.8参照)の設置を含む、被災した子どもたちへ
の支援について、調整を進めました。
被災した子どもたちと遊ぶGRRTのメンバー
CFSの子どもたちと笑顔で話す山野スタッフ
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3月19日(土)
∼23日(水)
3月30日(水)
南三陸町で被災し、登米市の避難所で
生活している小学2年生∼中学2年生
の子どもたち20名と、CFS開始に向
けた、初めてのミーティングを開 催。
制限の多い生活を送っている子どもた
ちからは、
「皆で一緒に外で遊びたい」
という希望が多く聞かれました。また、
今後の進め方や役割分担も全員で話し
合い、CFSの呼び名も「ぜんいんしゅ
うごう!」に決まりました。
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3月31日(木)
3月31日の「ぜんいんしゅうごう!」のようす
登米市の避難所で、第1回目の「ぜ
んいんしゅうごう!」
を開催。サッカー
や室内ゲームをして遊びました。久々
に大人数で、また学年や性別を超え
て思い切り遊ぶことができ、子どもた
ちはたくさんの笑顔を見せてくれました。
またこの日、気仙沼市の避難所に、
初めて緊急支援物資(衛生キット、
トイレットペーパー、下着類)を届
けました。
「ぜんいんしゅうごう!」に参加した子どもたちに
ぬいぐるみを手渡す八鍬スタッフ
気仙沼市の避難所で衛生キットを受け取った皆さん
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4月1日(金)∼11日(月)
宮城・岩手県庁との調整の結果、2県
で仮設住宅に入居される方々に、生活
必需品(衛生用品、台所用品、掃除洗
濯器具など)を支援することが決定しま
した。また、南三陸町のすべての小・中
学校、気仙沼市の小学校10校、中学校
3校に通う子どもたちのために、学用品
セットを支援することが決定しました。
これらの支援活動は、地域によって不公
平が起きないよう、行政機関だけでなく
支援活動を行っている他のNGOとも綿
密に調整を行い、内容を決定しています。
また、宮城県南三陸町でもCFSを開設し、
岩手県にも最初の緊急支援物資を届け
ることができました。
多くの支援を届けることができました
WVJでは発生から2カ月の間に、宮城県(南三陸町、
登米市、気仙沼市)と岩手県(山田町、遠野市、大槌町、
一関市)の被災された方々、70,899人以上に、必要
な支援物資を届けることができました。そして、4カ所
で開設したCFSには、計127名の子どもたちだけでなく、
地元の中学生∼大学生もボランティアとして参加、とも
に活動を進めています。
学用品を受け取った子どもたち(4月21日気仙沼市)
学用品セット
世界中のチャイルドから応援が届いています
WVJには、震災発生直後から世界各国のWV事務所から
多くの応援メッセージが届けられています。
そのほとんどは、これまでWVJがチャイルド・スポンサーシップを通して
支援してきた地域の子どもたちからです。
)
(中国
」
れ日本!
「がんば
「I LOVE JAPAN」
(バングラデシュ)
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「日本のためにお祈りしています」
(カンボジア)
日本のために紅白の鶴を折る子どもたち(モンゴル)
)
オス
(ラ
す」
ま
い
て
祈りし
い、お
想
本を
「日
「日本を想
っています
」
(エチオピ
ア)
これまで、日本から世界に届けてきた支援が、支援地域の子ど
もたちや人々の心に届き、この未曾有の大震災の時に、支援や
応援となって日本に返ってきています。WVJ では、日本中、
世界中から寄せられている支援をもとに、今後も、被災した子
どもたち、人々の復興を支援していきます。
「苦しみは分かち合いましょう」
(ベトナム)
支援地の子どもたちから、たくさんの応援メッセージが届いています。WVJホームページのトップページからもご覧ください(動画あり)
ウガンダの子どもたちも、
日本を応援してくれています!
東日本大震災の未曾有の被災状況につ
いて知った世界の子どもたちから、
WVJ
に応援メッセージが届きました。そのう
ちの1つがウガンダです。
同じように厳しい状況の中で生活してい
るウガンダの子どもたちが、被災した
人々への応援メッセージと写真を送って
くれました。
キルヤンガ地域開発プログラム
2008年から支援活動が始まったウガンダのキルヤンガADPは、
多くの問題に
直面していますが、
その中でも
「水資源が少ないこと」
は大きな課題の1つです。
住
民の7割以上が天然の泉や川などの水源を、家畜や動物と共用しています。汚
染された水が原因で、村の子どもたちや人々は、下痢などの感染症に脅かされ
ています。
それだけでなく、
子どもたちは水汲みのために長い距離を歩かねばな
らず、
大切な時間や体力が奪われています。
このことは、
子どもたちが、
学校に通
えない原因にもなっています。
支援活動を通じ、
課題を少しずつ改善して、
子どもたちが心身ともに健やかに成
長できる環境づくりを目指しています。
子どもたちにとって、
毎日の水汲みは大変な仕事です
子どもたちにとって、
毎日の水汲みは大変な仕事です
今、
支援を待つ子どもたちのために、
チャイルド・スポンサーを募集しています!
世界の子どもたちの応援メッセージはWVJのホームページでご覧いただけます。
お問い合わせは下記
直通電話までおかけください。
(24時間受付)
■コンタクトセンター
ウガンダ
(9:30AM∼7:00PM 平日)
金融機関口座から毎月の引き落とし
携帯電話からはこちら
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(VISA、MASTER、SAISON、JCB、AMEXがご利用いただけます)
(お分かりの方はご記入ください)
MC5018
2011年6月発行
ワールド・ビジョン
(1950年設立)
は、キリスト教精神に基づ
いて開発援助、緊急人道支援、アドボカシーを行う国際NGO
です。チャイルド・スポンサーシップ・プログラムを通じて、世界
約380万人の子どもたちを支援しています。