平成 19年度 システム情報工学研究科修士(工学)論文概要 高濃度オゾン液膜を用いた回転平盤上のレジスト除去に関する研究 専攻名 学籍番号200621142 構造エネルギー工学 専攻 学生氏名 八木崇宏 指導教員名 阿部皇 半導体製造プロセスにおいて半導体基盤上に電子回路をパターニングするフォトリソグラ フィ工程では、シリコン基盤上の酸化膜にフォトレジストとよばれる感光性高分子材料を塗布 し、レジスト膜を部分的に露光させることで基盤上に回路パターンを転写し、その後、現像や エッチング等の加工工程を経て酸化膜上に回路のパターγを形成する。その際、露光済みのフ ォトレジストは不要となるため除去する工程が必要となる。現在、このレジスト除去のために は、熱濃硫酸や過酸化水素水などを用いた洗浄が用いられているが、使用済みの薬液を廃棄す るために多大なコストとエネルギーが必要となる上、処理のために多大な環境負荷を発生させ るという問題点がある。 近年、これらの熱波硫酸の対策として、高濃度オゾン水を代替として使用する方法が提唱さ れている。高濃度オゾン水は半導体の製造に使用される超純水にオゾンガスを溶解させた機能 水であり、従来の洗浄方法に比べ汚染物質が少ないことや、時間経過とともに無害な物質に変 化するなど、環境負荷が低いという特徴がある.しかし,現段階では、熱波硫酸に比べて、オ ゾン水によるフォトレジストの除去速度が低く処理時間も長いため、実用的には用いられてい ない。本研究は、従来に無い高濃度のオゾン水とエキシマ光を併用する方式において、シリコ ン基盤表面上のフォトレジストの除去効率がどのように変化するかを実験的に調べたもので ある。実験は、高濃度オゾン水によってレジスト除去処理された後のシリコン基盤上のレジス ト膜厚の測定を行うことで、そのレジスト除去速度の評価を行った.またその際のオゾン水供 給状態やエキシマ光照射時のレジスト除去速度への影響を定量的に評価し考察を行った。
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