オキシマイザー(リザーバー式カニューラ/米国 CHAD社) - 日本ルフト

平成 17 年 4 月
オキシマイザーにご興味をお持ちの皆様へ
オキシマイザーは在宅酸素装置全般を扱う米国 CHAD 社の製品で、長く親しまれております。
コンサービングカニューレで、酸素消費の節約を目的としてつくられております。
例えば、6LPM の酸素を必要としている患者様に、3LPM の酸素濃縮器を 2 台無理やり接続させて
酸素供給をしても、実際には 6LPM の酸素は患者様には届きません。流量の異なる酸素濃縮器で
は尚更です。このような 時は、オキシマイザーを使うか、マスクを使用するかが有効になります。フェイ
スマスクを使用する場合、食事を摂ることができません。
オキシマイザーですと1 台の 3LPM の酸素濃縮器につなげれば、5.5LPM の効果を得ることができ
ます。
リザーバーバッグが破けなければ、比較的長くお使いいただくことも可能ですが、加湿器をご利用に
なりますと、破けやすくなってしまいます。
加湿が必要な場合には、お部屋の加湿をして下さい。
ご不明な点などございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
日本ルフト株式会社 医療機器部
〒110-0015 東京都台東区東上野 5-1-8
上野富士ビル 6F
TEL 03-3847-6880 / FAX 03-3847-6890
URL: www.nihon-rufuto.com
NIHON RUFUTO Co.,Ltd.
Ueno Fuji Bldg.6F 5-1-8 HigashiUeno Taito-ku, Tokyo JAPAN 110-0015
TEL +81-(0)3-3847-6880 / FAX +81-(0)3-3847-6890 www.nihon-rufuto.com
日本ルフト株式会社
- 1-
米国チャド社製 オキシマイザー・カニューレの御案内
酸素が体内へ運搬されるとき、最も良質な酸素は、吸息時の初段階にある酸素です。あとの残りの酸素は、
呼気時に大気中へと流されていきます。オキシマイザー・カニューレは、この時に流される酸素をリザーバ
ー・バッグに貯めることにより、患者の酸素処方量を最大 3/4 ほど切り詰めることが可能になります。
酸素を切り詰める方法があるということは、移動中の酸素バッグも軽くなり、かさ張らないだけでなく、特に注
目するべき点として費用負担が軽くなりますので、ポータブル酸素治療を受けている方にとっては非常に嬉
しいニュースです。
このことに注目し、CHAD が開発したのが閉口連結器リザーバー機能付装置です。この装置は、呼気時に
20mL の酸素を保存して、吸息時の初期段階で運搬をします。本システムは患者の鼻腔呼吸気圧により作動
する、軽くて、安価な使い捨てタイプのリザーバー式カニューレです。適度な酸素飽和度を保ちながら酸素
流量率を切り詰めることによって、最大 75%もの酸素量縮小に成功しました。
右:オキシマイザーノーマル
利点:
l 酸素費用削減
l ポータブルシステムの維持時間を大幅に増やすことに成功。移動可
能時間が長くなった。
l 鼻の不快感、乾燥も改善され、加湿不要。
l 現在処方されている濃縮流量よりも、さらに高流量での治療を求め
る患者に使用できる。
l 高流量酸素治療患者に、より快適感を与え、酸素マスクの使用頻度
を下げる。
初段階吸息時での 20mL の酸素ボーラスにより、目標とする酸素飽和度にたどり着くのに必要な酸素流量を
切り詰めることができます。例えば、酸素が肺の深くまでたどり着きガス交換をしている間、従来の方法で、吸
気の初めの0.5秒で2L/分の酸素を必要とする患者は、オキシマイザー装置を使用することによって、たった
の 0.5L/分で 2L/分の時と同様の血中酸素飽和度を得ることができます。オキシマイザーで酸素流量1L/分
は、従来のカニューレで 3L/分に相当し、同じ計算で本装置での 2L/分は、従来カニューレ使用時の 4L/分
に相当します。この結果につきましては、様々な環境、状況において、世界中で 30 ケースもの臨床実験で
同値が確認されています。
本装置は、ノーマルタイプとペンダントタイプから選べます。両方とも、同じ理論で作動します。ノーマルタイ
プは、リザーバー部分が患者の鼻のすぐ下に収まります。使用者の声を聞きますと、ノーマルタイプの方が
着け心地が良いようです。ただ、外見が気になるといことで、プライベート
のときはノーマルタイプを使用し、
外出時にはリザーバー部分が胸元に収まるペンダントタイプの方を使用するというように使い分けている使
用者も多くいます。ペンダントタイプは、洋服の下にリザーバー部分をしまいこめますので、普通のカニュー
レを使用しているときと同じ外観になります。
左:オキシマイザーペンダント
利点:
l 装着しながら、食事をすることができる
l 会話の妨げにもならない
l 移動しやすい
l 酸素ボンベをつけたまま、肺活量計としても利用できる
l 抜群な着け心地で、高い患者の満足度が得られる
日本ルフト株式会社
- 2-
同じ流量設定で、患者は、普通のカニューレを使用しているときよりも、コンサーバー・
カニューレを使用して
いるときのほうが多くの酸素を取り込みますので、患者のSaO2 は、リザーバー・カニューレによって高い値を
得ることができます。
コンサーバー(=コンサービング・
カニューレ)と通常のカ
コンサーバー(=コンサービング・
カニューレ)と通常のカ
ニューラの SaO2
ニューラの SaO2 比較カーブ
コンサービング・カニューレを使用している患者は、普通のカニューレを使用している患者よりも高いFIO2 に
さらされることになります。
使用前にはSaO2 の上昇の様子を確認してください。事実、 高いSaO2 は、合併症の悪化の一因となりうるこ
ともあります。期待以上の高 SaO2 が生じた場合は、コンサーバー・カニューレを通して酸素供給を得ている
患者の肺状態に特に注意してください
日本ルフト株式会社
活動中のペンダント・オキシマイザー・カニューレ
使用における評価
リック・
カーターph.D / ジェームス S. ウィリアムス / ジュディー・
ベリー / L..V.N / ミカエル・
ピー
ヴラーph.D / ダナ・グリナー B.S / ブライアン・ティープ M.D
図1:オキシマイザー・ノーマルタイプ
図2:オキシマイザー・ペンダントタイプ
近年、酸素の連続セラピーで低酸素血症を改善している低酸素慢性肺疾患病患者の話を耳にすることが
多くなりました。連続酸素セラピーから得る利点として、肺性心症状の緩和、死亡率の減少、生活品質の向
上、などがあります。
酸素セラピーは、値段が高く、呼吸の初めの段階で得られる酸素しか体内で必要とされないため、一定した
酸素流出は酸素の消費面、また費用面においても無駄となります。
COPDの原因として、低酸素圧血症は最も併発しやすい病気です。慢性低酸素圧血症は、肺血管収縮
を引起し、肺動脈圧の上昇、肺血管抵抗、膜組織低酸素症を引起します。動脈酸素飽和(
SaO2)が 90%以
下になったとき、肺動脈圧、肺血管抵抗は、一気に上昇し、肺性心を引起します。バロウ.B(N EngI J Med
1972; 286:912)
は、COPD患者の生存率は、逆比例して肺血管抵抗に関連がある、と発表しました。英国研
究及び夜間酸素セラピー試験研究によると、低酸素血症を持つCOPD患者は、睡眠時の酸素セラピーを行
なうことによって生存率を上げたと立証しています。また、連続流量で睡眠時酸素セラピーを行なったら、さ
らによい結果が出たとも立証しています。別の研究では、患者が睡眠時や活動時に適切な酸素補給をする
のならば 、1 日 15 から18 時間の酸素セラピーでも、24 時間連続での酸素セラピーでも効果に変わりはない
と、立証しました。
大体の吸息性運搬の役割はガス交換のためでありますが、一定流量のナーザルカニューレを通しての酸
素セラピーは、呼吸サイクル中に連続して酸素運搬をするため、本質的に不経済的であります。
最近は、医療費、特に酸素セラピーの負担費用の水増しにより、装置の設計や酸素運搬量を削減して最
適酸素飽和度を達成する方法に関心が集まっています。オキシジョ
ン・
コンサービング・
ナーザルカニューレ
は、吸息時の早い段階の運搬のために呼気中に酸素を保存するカニューレという
評価を受けています。
チャド社のオキシマイザーは、酸素の流量を減らしながら、休憩時、活動時における最適酸素飽和度を提供
します。しかし、使用者の中には、オキシマイザーの外観デザインがちょうど口ひげのようなものなので装着
時の姿が気になると言う声もあります。そこで考え出した、もう一つのデザインが“
ペンダント式”です。このペ
ンダント式コンサービング・カニューレは、リザーバー部分が胸元にあり、洋服で隠せるようになっています。
図 2 のペンダント式コンサービング・カニューレ(
オキシマイザー・
ペンダント)
は、リザーバー・
バッグにつな
がっている管状の導管に付いている鼻腔プロングで構成されています。O2インレットは、40ml
の酸素が入
るリザーバー・
バッグと、管状の導管に接続しており、患者が息を吐き出すときに、チューブとリザーバーに
酸素を充填される仕組みで、導管には 20ml
の酸素が保管されます。患者が息を吸うときには、リザーバー
から導管を通して 20mL ボラスの、ほぼ 100%に近い酸素が患者の体内に送り込まれます。